週末ゲーム

第609回

第7回“WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)”特集

パズルRPGや仲間集めシミュレーション、ガンシューティングなど9作品を紹介

 フリーのRPG制作ソフト「WOLF RPGエディター」で制作したゲームのコンテスト“WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)”。第7回となる今回は72作品が集まり、27日に結果発表が行われ幕を閉じた。

 コンテストの参加作品は現在もダウンロードでき、すべて無償でプレイ可能。RPGに限らずシューティング、アクション、パズルなどさまざまなジャンルの力作が揃っている。今回の“週末ゲーム”では、その中から編集部がピックアップした9作品をご紹介する。

RPG

王女の気まぐれオーダーを聞いたり聞かなかったりしつつ戦え!「PRINCESS‐私の言うことききなさい!‐」

「PRINCESS‐私の言うことききなさい!‐」
ゲームの進行に応じてオーダーが増えていく

 女王になる儀式のために神殿へ向かう王女を護衛しながら進んでいくRPG。時間経過で溜まるゲージを消費して戦う1vs1バトルに、王女からの気まぐれな指示で行動に特殊効果が付くという要素が加わり、独特の戦略性を築き上げている。

 戦闘はリアルタイムに進行。ゲージが満タンになるとAPが1増え、このAPを消費して攻撃、回復(それぞれ消費AP2)、防御(消費AP1)という3つのコマンドを実行できる。各コマンドはカーソルキーに割り当てられており、戦闘中の操作はこの3つだけと基本は非常にシンプル。APは6まで溜めることができ、連続して攻撃するとコンボとしてダメージにボーナスが付く。

 そして本作の特徴的なシステムが、王女による“オーダー”だ。王女は戦闘に参加しないが、ときおり特定のコマンドを使うよう命じてくる。従わなくてもとくにペナルティはないが、従うと『危ない!回復してください!』なら回復量が増加するなど、王女の台詞に応じた追加効果を得ることが可能だ。

 とはいえ、状況に応じたオーダーをしてくれるわけではなく完全にランダムなので、オーダーが消えるまでの数瞬のうちに、従うのが得かどうか見極める必要がある。ゲームが進行すると敵への状態異常付与など、より強力なオーダーも登場。同じコマンドでも台詞によって効果が違うので、見極めがさらに重要となっていく。戦闘はボイス付きで、オーダー時にかけられる掛け声もタイミングを掴む拠り所となるだろう。

 敵も同様にAPを溜めてさまざまな攻撃を仕掛けてくる。溜めたAPを使って一気に連続攻撃するか回復用に温存するかの判断、タイミングを合わせての防御、加えて王女のオーダー従うかどうかの咄嗟の判断……と、頭をフル回転させながら戦うのが本作における戦闘の醍醐味だ。

 シンボルエンカウントで経験値やレベルの概念はないため、ザコ戦は最小限に抑えてサクサク進めることが可能。ステータスは装備品によって変化する。攻撃の消費APが増える代わりにダメージ倍増、防御時にHP回復などコマンドの効果が変わる装備品もあり、戦闘スタイルに応じた装備のカスタマイズも勝利の鍵。とくにボスは特殊な行動パターンを備えており、装備と戦術、オーダーを駆使してこれをどう崩していくかという、歯応えのあるバトルを堪能できる。

 シナリオ面では、最初は『余計な指図をしてくる』『命令に従ってくれない』と反目しあっていた主人公の騎士と王女が、旅を続けるうち徐々に信頼しあっていく関係性の変化も見所。また、本編の前日譚となるプロローグからして助ける命の選択を迫られるなどシビアな展開もあり、プレイ時間2時間程度の短編ながら、しっかりとした物語を感じさせる作品となっている。

装備品は宝箱から入手したり、道中の人々の頼みを聞くことで手に入る。戦闘スタイルや敵に応じた装備品選びも重要
反目しあっていた騎士と王女が距離を縮めていったり、シビアな選択を迫られる展開が短編ながら印象に残る物語を作り上げている
「PRINCESS‐私の言うことききなさい!‐」
【著作権者】
abon 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 8.1/10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.06(15/08/07)

1画面ですべてが完結するパズル風RPG「満員世界」

「満員世界」

 1画面にびっしりキャラクターが敷き詰められたフィールドが舞台のRPG。プレイヤーは救世主“デストルド”となって世界のどこか(画面上に見えているが)に居るボスを倒すのが目的となる。

 “パズルライクRPG”を謳う作品だが、本作のパズル要素は2つ。まず移動は人であふれたフィールドを1マスずつ進んでいく形となっており、この際移動先にいるキャラクターに応じて“敵との戦闘”、“装備品の購入”、“装備品を奉納して全回復”というイベントのいずれかが発生する。戦う敵や買ったり奉納するアイテムはランダムに8種類が提示され、そこから1つを選ぶ仕組み。デストルドが移動すると移動先のキャラクターは消えるが、元いた場所へ新たに別のキャラクターが登場する。

 敵との戦闘は勝てばいいだけだが、ポイントは買い物と奉納。お金が足りず何も買えなかったり、奉納するアイテムがないと先へは進めない。隣接していないキャラクターから買えるものや奉納するものを調べる“サーチモード”などを駆使して効率のよい移動ルートを模索していく。とはいえ、購入も奉納も8種類から選べるので、そう簡単に詰むことはない。

 また、戦闘もパズル的。レベルの概念はなく、装備品でステータスが変化するほか、装備品によっては専用のスキルが使えるようになる。敵のステータスや行動パターンは固定でそれぞれ特徴的なので、装備とスキルの組み合わせで勝てるパターンを構築していく。倒しにくい敵ほど倒したときに得られるお金が高いので、敵を倒して装備品を買い、さらに上位の敵を倒す……というサイクルでキャラクターを強化していくわけだ。

 プレイ時間は進め方にもよるが公称で3時間前後。仲間との出逢いやボスとの対話などシナリオはミニマムな中にも印象的で、一見シュールギャグのような画面や、キャラクターが消えたあと復活するというシステムに込められた意味も明らかになっていく。ネタバレのため詳細は伏せるが、プレイヤーとキャラクターの行為が、ある種の無常観で繋がる終盤の展開も深く心に刺さる作品だ。

戦闘のほか、装備品の購入と奉納を繰り返しながら先へと進んでいく。奉納用に安い装備品をキープしておくのも戦略
戦闘では敵に応じて装備を選び、パターンを組んでいく
“人間の尊厳”を取り戻すため、仲間を集め“世界の元凶”へ挑んでいく。短いながら終盤の展開が心に刺さるシナリオも見所
「満員世界」
【著作権者】
ブー太 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 8.1/10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.02(15/08/02)

シミュレーションゲーム

音楽の力で革命を目指す仲間集めシミュレーション「fairy song~歌う革命~」

「fairy song~歌う革命~」

 パラメーターを上げたりしながら仲間を集めていくシミュレーションゲーム。舞台となるのはかつて妖精が人に音楽を教えたと伝承される世界にある、音楽の国“カノン王国”。しかし今なぜかこの国では、国王の出した“廃音令”により一切の歌唱・演奏が禁じられていた。王国を訪れた主人公の旅人は国民に音楽を取り戻すため、“血の流れない、演奏と歌による革命”に向けて仲間を集めていく。

 ゲームの目的は、練習や作曲、バイトなどさまざまな行動を1日1回行ってパラメーターを変動させつつ、50日という期限内にできるだけ多くの人物を仲間にすること。人物にはそれぞれ仲間になるための条件が設定されており、10日ごとに主人公達が行う演奏デモのタイミングで条件を判定、これにマッチした仲間が徐々に集まってくる。

 条件は特定のパラメーターが一定値以上といったもの以外に、10日間の行動が基準となるものもあり、なかには“バイトの回数が0回”と“バイトの回数が6回以上”など両立できない条件も。ぱっと見のプレイ感は育成シミュレーションだが、その実は“どの10日間にどの人物を仲間にするか”を条件から検討し、行動を最適化する思考パズルに近い。

 仲間にできた人数によりエンディングが変わるので、周回を重ねつつ試行錯誤し、なるべく多くの仲間を効率良く集められるよう頭を悩ますのが楽しい作品だ。プレイ時間は1周目で30分程度。イベントスキップなど周回プレイを前提とした遊びやすさにも気が配られており、思考に集中できるのも嬉しいところだ。

 20人以上いる登場人物はみな個性的で、仲間になった人物に応じてイベント会話も発生。複数の人物による掛け合いも楽しい。そしてより多くの仲間が集うことで、国王の真意や本当に立ち向かうべき相手など、物語の真実も明らかになっていく。オリジナルの楽曲に乗せて描かれる、人々の優しくて強い想いが力となっていくクライマックスの展開は圧巻。仲間を集めるというゲーム内容と音楽をテーマにした物語が絡み合い、短いプレイ時間の中に胸が暖かく、わくわくする体験を生み出す作品に仕上がっている。

条件を満たすことで、さまざまな人物が仲間になっていく
個性的な登場人物達による会話イベントも見所
心優しくも芯の強い少女など、多くの人々の想いが集まり“革命”へと繋がっていく
「fairy song~歌う革命~」
【著作権者】
じゃ。 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 8.1/10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(15/08/25)

お菓子屋さん経営ゲーム、およびそれ以外の何か「キャンディリミット」

「キャンディリミット」

 妖精たちの住む村でお菓子屋さんを経営するゲーム。主人公の“キャンディ”は記憶がなく、『幸せなお菓子を作りたい』という願いだけを持って目覚める。友達の“パンナコッタ”の協力により魔法で作ったお菓子を出す店を始めたキャンディだが、魔法で作れるのは一度食べたことのあるお菓子だけ。そのため、“たんさく”で材料を集め“かいはつ”でお菓子を作り、商品ラインナップを増やしながらお店を経営していく。

 素朴でファンシーなイラストとひらがなを中心とした画面作りによる“ゆるふわ”感あふれる雰囲気の中、店を訪れる可愛らしい妖精たちとのちょっとした交流も楽しめる。天然キャラのキャンディと、ツッコミ役のパンナコッタによる掛け合いも見所のコミカルな作品だ。

 ……というのは、あくまで本作の一側面でしかない。ある瞬間から唐突に、本作の物語とシステムは大きな転換を見せる。ネタバレにつき詳細は伏せるが、展開に応じて変化していくシステムとルール、メイン画面BGMの変遷、これまで何気なく行っていた操作に対して新たに開示される事実……等々、システムとシナリオが一体となり、プレイヤーの心を激しく揺さぶっていく。

 クライマックスに向けて大きく起伏を描く物語を、ゲームデザインによって演出することが全編にわたり徹底されている印象。筆者はプレイしているうちに、『最初と同じ操作をしているのに込められた意味が全く違う』『無機質なシステムメッセージからキャラクターの決意が伝わってくる』といった体験に胸を熱くさせられた。2時間ほどのプレイ時間で濃厚な体験ができるので、可愛い妖精さんが頑張る姿を見守りたい人も、“ゲームだからこその、ゲームでしか表現できない物語”に興味がある人も、ぜひ触れてみてほしい作品だ。

探索と開発で商品を増やしていく
お客さんは可愛らしい村の妖精達
パンナコッタのキレのあるツッコミも楽しみつつ、日数経過でストーリーが進んでいく。そして……
「キャンディリミット」
【著作権者】
sunori 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 8.1/10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.14(15/08/16)

シューティングゲーム

豊富な武装と多面的な物語を堪能できるガンシューティング×ノベル×RPG「結晶石と錬金銃」

「結晶石と錬金銃」
主人公のリア。かつて“師匠”に救われ、その後教わった銃の扱いを活かしてトラブルシューターとして働く。お人好しで多くの人から慕われる、主人公らしい主人公

 マウス操作で敵を撃ち倒す2D一人称視点のガンシューティングに、豊富なエピソードから物語や世界観を読み解いていくノベル要素、フィールド探索や武装強化といったRPG要素が融合した作品。舞台となるのは、錬金術が栄えるとある王国の小さな領邦“シャンノース”。領邦の有力者である“ヴェルヴェット”の館でメイドをしながらトラブルシューターとしても働く主人公の“リア”が、さまざまな事件に関わっていく。

 ゲーム進行はステージクリア型で、フィールドマップ上で敵とエンカウントするとガンシューティング画面に切り替わる。武装は基本的に、あらかじめ装備した“主力武装”、“対物武装”、そして物理攻撃が効きにくい霊的属性の敵に有効で、リロードが自動で行われる“対霊武装”の3つを切り替えて使う仕組み。敵の上に小さなマーカーが表示された時にそこを狙い撃つとクリティカル、敵が行動準備に入ったところで集中的に撃ち込むと行動をキャンセルさせられるブレイクといったシステムも駆使しつつ敵を倒していく。

 武装はゲームを進めることで新しいものが追加。ライフル、散弾銃、サブマシンガンから溜め撃ち型の光線銃や剣まで、性能も操作感も異なるものが20種類以上用意されている。高威力だがリロード時間が長い武装を取り回しのよい武装で補ったり、ブレイク性能に特化した拳銃と一撃の威力が高い剣でコンビネーションを組んだりと、戦闘スタイルや敵の傾向、さらには趣味や浪漫に応じて自由な組み合わせを楽しめるのが武装選びの醍醐味だ。

 リロード待ちの間に別の武装を使うことも可能なので、複数の武装を次々に持ち替え、華麗に敵を倒せたときの爽快感は格別。SEや発射後の照準のブレといったフィードバックによる撃ち込みの感覚も気持ちよく、ガンシューティングとして手触りのよい作品に仕上がっている。

 レベルアップなどリア自身を強化する要素はないが、賞金首モンスターの撃破などで入手できる“結晶石”を各武装の制作者である技師へ投資することで、武装のレベルを上げることが可能。さらにゲームを進めると、桁違いの威力を持つ“錬金銃”も使用できるようになる。撃つ度に結晶石を消費するという色々な意味で恐ろしい銃だが、どうしても倒せないボスの突破などに役立つ。

さまざまなタイプが用意されている武装。撃った後に反動でどのくらい照準がブレるかなど、パラメーターには現れない個性もある
マウスボタンの長押しでチャージして発射する光線銃など武装によって操作感も異なり、さまざまな武装を使ってみる楽しみに繋がっている

 シナリオ面ではステージ中の会話デモに加え、“敵を一撃で○回倒す”などの実績を達成することで解放される“エピソード”も充実。個性的な登場人物達との日常の一コマや、リアの知らない事件の裏側などがサブイベントや文字資料、小説形式で描かれ、物語を多面的に味わえるのが面白い。

 加えて、技師へ投資する際は武装の改良方針などに関するコメントを読むことができるが、手短に要件だけ書く人から話が横道に逸れる人、やたらとテンションの高い人、中二病……等々、20人以上の技師それぞれのキャラクターが立っており、ちょっとした文通のような趣も。投資を繰り返すことで武装の性能が上がり、さらには作った人の想いにも触れて愛着が沸いてくるのが楽しいところだ。

 プレイ時間はテキスト関係をどの程度読み込むかにもよるが、8時間から12時間程度といったところ。フィールドと戦闘中でシームレスに曲調が切り替わるなどオリジナルのBGMも印象深く、さまざまな思惑が絡み合い加速していく物語と、魅力的なキャラクター、そして手に汗握るバトルを存分に堪能できる作品となっている。

 なお執筆時現在、フィールドマップの大幅改定が予定されている。本作はシンボルエンカウントだが現状では敵配置の関係上エンカウント頻度が高めのため、(筆者はバトル自体が楽しいので苦ではなかったが)気になる場合はv1.10以降にアップデートされてからプレイするとよいだろう。

実績の達成によりさまざまなエピソードが解放され、物語と世界観、キャラクターが多面的に語られていく
改良方針に悩む技師に思い切って投資したら思わぬブレイクスルーが起きたりなど、武装の強化と連動した物語を味わえるのも本作の密かな楽しみ。なお、技師はリアの依頼人や協力者といった形で直接シナリオに登場することもある
シャンノースで起こるさまざまな出来事と人々の思惑が、やがて結晶石をめぐる大きな事件へと繋がっていく
「結晶石と錬金銃」
【著作権者】
川崎部
【対応OS】
Windows 7/8.1
【ソフト種別】
フリーソフト(R15作品)
【バージョン】
1.04a

アクションゲーム

神が隕石を体当たりで破壊するアクション「神はその身を盾にする」

「神はその身を盾にする」

 プレイヤーが神となり、誕生したばかりの星に降りかかる隕石を破壊するアクションゲーム。プレイヤーは小さく丸い点のような存在で、画面中央にある星に向かってくる隕石に対し、体当たりして破壊していく。

 神は上下左右に操作でき、隕石に体当たりした時のスピードで威力が変化する。ただ神の動きは慣性が働くため、思った通りに動かすのが難しい。隕石も動いているので、慣れないうちは真横を通り過ぎたりしてしまう。隕石が星に当たると星がダメージを受けて小さくなり、いくつも隕石が衝突すると壊れてしまいゲームオーバー。

 ルールはシンプルだが、隕石と衝突した時には反発力が働くため、それも利用して次の隕石に向かうなど、意外とテクニカル。体当たり以外に、衝撃波による範囲攻撃も可能。また上下左右の移動以外に急加速も使用できる。ただし衝撃波と急加速は画面下にあるゲージを消費する。ゲージは時間で回復していく。

 ゲームは星が隕石によって破壊されない限りは延々続く。その間、星では海の生成や生命の誕生など、さまざまなイベントが発生。なかには星の外に影響を及ぼすものもある。アクションゲームとしてだけでなく、神が守る星で長い時間をかけて何が起こるのか、その行く末を眺めるという意味でも面白い作品だ。一定の条件を満たすと実績が得られる、やり込み目的のハードモードも用意されている。

画面構成やゲーム内容はとてもシンプル。星を隕石から守りながら、星の行く末を見守ろう
「神はその身を盾にする」
【著作権者】
どきぃ 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.06(15/08/01)

磁石の矢を使った不思議なファンタジーアクション「MagneticSky」

「MagneticSky」

 磁石の矢を使って進んでいくアクションゲーム。主人公は左右の移動とジャンプのほかに、磁石の矢を使ったアクションが可能だ。主人公が放った磁石の矢は直線軌道で進み、黄色い壁に当たると刺さる。主人公は磁石に引き寄せられるという力を持っており、刺さった矢に向かって空中を移動できる。この力を使って、好きな方向へと矢を放つことで、高所や遠く離れた場所へ移動し、フィールドの先へと進んでいく。

 敵キャラクターは存在せず、ひたすらフィールドの仕掛けを越えていく。フィールドのゴールに到達すれば、次のフィールドに進める。フィールドの外に落下したり、落ちてきた障害物に挟まれたりすると、そのフィールドの初期位置からやり直しになる。リトライは何度でも可能だ。

 ひとつひとつのフィールドはそう広くはないので、クリアだけならそう難しくない。ただ、フィールドの途中にはハートの形をした“愛”があちこちに落ちており、これらをすべて集めながらゴールを目指すのが最終目標となる。“愛”は到達が難しい場所に置かれていることが多く、ゴールを目指して進んでいると存在に気付かないことも多い。最初はまずクリアを目指してから、2周目で“愛”を集めていくという流れで遊ぶのがよさそうだ。

 作中では文字情報がほとんどなく、ゲームの遊び方や基本的な進み方もゲーム内の絵で示される。ストーリー展開も、複数のイラストが次々に表示されるだけで、はっきりした説明は出てこない。それがアーティスティックな世界感を生んでいる。ゲームのアクションと雰囲気の両方を味わってほしい作品だ。

磁石の矢を使ってあちこちに移動し、“愛”を集めながらゴールを目指す
「MagneticSky」
【著作権者】
ぽり0655 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.04(15/08/25)

壁を蹴って進むハイスピードアクション「WALL+ACCELERATION」

「WALL+ACCELERATION」

 フィールドにある仕掛けを抜けてゴールを目指すアクションゲーム。主人公は左右の移動とジャンプができるほかに、壁を蹴ってさらに高くジャンプする能力がある。壁から壁へと飛びつき繰り返し壁を蹴ることで、高所へ上ることも可能だ。

 壁を蹴るアクションにはもう1つ特性がある。蹴った直後は加速状態となり、左右の移動速度がアップする。そのため通常では届かない遠い場所に飛び移るといったこともできる。また着地後も、一定時間立ち止まるか、壁に触れるまでは加速状態が維持される。

 ゲームとしては、各ステージにある鍵に触れればステージクリアになる。クリアタイムも計測されており、鍵をなるべく早く取得するのが目標になるので、加速状態をうまく活用しながら進みたい。しかし道中には触れると爆発する爆弾や、踏むと一定時間で消失する足場などが続出し、僅かな操作ミスが死に繋がる。加速状態を維持したままで爆弾を回避するという操作は極めて困難だ。

 序盤からシビアな操作を連続して求められる場面が多く、全体として非常に難易度が高い。また通常時と加速時の挙動の変化や、加速時の空中動作の制御に相当な慣れが必要だ。ミスすると各ステージの最初からリトライになるが、ステージひとつひとつが数十秒から1分程度と短いので、繰り返しプレイするのはさほど辛くはない。爆弾を使ったフィールドの仕掛けは見ていて派手なものも多いので、アクションゲーム好きならば挑戦してみてほしい。

壁を蹴った時の加速が気持ちよくもあり、操作の難しさが悩ましくもある。繰り返し挑戦して体で覚えるタイプのゲーム
「WALL+ACCELERATION」
【著作権者】
kinokaze 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(15/07/31)

パズルゲーム

9つのパネルをすべて0にする「9-sweeper」

「9-sweeper」

 3行3列の計9マスに書かれた数字のパネルをすべて0にするパズルゲーム。9つあるパネルのいずれかをクリックすると、それと同行・同列にある4つのパネルとともに、パネルに描かれた数字が1減る。これを繰り返して、パネルの数字をすべて0にすればステージクリア。

 各ステージはクリックできる回数が制限されており、最低数となる手順でクリックしなければミスとなってライフが1減少する。ライフは正解すれば少しずつ増えていくので、なるべく連続で正解してライフを増やしていく。ライフが0になったらゲームオーバー。

 序盤のステージはクリック1回でクリアできるが、だんだんと必要なクリック回数が増えていく。複数回クリックが必要になると、1つでも不要な場所をクリックした時点でクリア不可能になるため、パネルの数字をじっくり見て手順を考えてからクリックしていく。

 最低数の手順以外は認められず即ミスになったり、同じステージのリトライをさせてもらえないといった仕様により、回数が増えてきた時の難易度はかなり高い。とくにクリック回数が6回以上になると、“0を減らすと5に戻る”という新しいルールが発生し、一段と難易度が高まる。

 ただ3×3マスというフィールドの狭さもあり、何度もプレイしているとパターン化されてきて、クリックすべきところがだんだんと見えてくる。プレイ感覚はルービックキューブに近い。ルールが単純なだけあって、とっつきやすいのも魅力だ。

ゲームのルールは簡単だが、問題はクリック回数が増えるごとに急激に難しくなっていく
「9-sweeper」
【著作権者】
秋月ねこ柳 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.01(15/08/09)