窓の社(やしろ)

“詫び石”の世界標準化に向けたプロジェクトはじまる

~レートは“1お詫び=500円”。現実世界で使えるリアル詫び石も視野に

“詫び石”

 オンラインゲームの運営に不手際があった際にユーザーに配布される“詫び石”を、ソフトウェアやサービスの枠を越えて世界中で利用可能にするための標準化プロジェクトが1日に発足し、同日記者会見が行われた。

 同プロジェクトでは、お詫びの意味を込めて魔法石やコインなどが送られるシステムが、トラブル解消の手段として若年層の間で有効に機能していることに着目。特定ベンダーのサービスやソフトウェアに限定せず、利用範囲をよりいっそう拡大することにより、国民生活センターなどが介入することなく、当事者間でさまざまなトラブルの解消に役立てられる道を探りたいとしている。

 標準化にあたっては、過去にインターネット上で発生したトラブルのお詫びとして配布された図書カードや商品券において“一口500円”という相場が定着していることを鑑み、“1お詫び=500円”というレートを設定。さらに100分の1お詫びにあたる“小詫び”という少額の単位を新たに設定することで、『サーバーメンテが予定より長びいて長時間ログインできなかった』など一般的なトラブルのほか、『10台限定4,980円を誤って4,980台限定10円に設定した』などの人為的ミス、さらには『パンチラ画像と聞いて喜び勇んでクリックしたら食パンもしくは子パンダの写真だった』という重大な精神的苦痛に対する慰謝料に至るまで、広範囲のお詫びに柔軟に対応できるとしている。

 またオンラインでの利用にとどまらず、現実世界のトラブル解消に使える“リアル詫び石”も検討されていることが明らかになった。謝罪に代えて換金性の高い石を渡す行為はクレーマーを助長させる恐れもあるが、同プロジェクトでは『詫び石の取引履歴は外部からも参照できるため、詫び石の取引数が多すぎるユーザーは危険人物として警戒され、淘汰につながるので問題ない』と、ブラックリストとしての効能をアピールしている。さらに標準化が実現した暁には、自ら『詫び石はよ』などと要求する行為は刑法249条の恐喝罪が適用されるとの見方も示された。

 なおこの日の記者会見では“リアル詫び石”の具体的な使い道として『試合に負けた際、円陣で声出しをした選手が現金ではなく詫び石を配るルールであれば、世間から多少は理解を得られたのでは』と時事問題に絡めた例が挙げられたが、内容が不適切だと一部から抗議の声が上がり、早速その場でリアル詫び石が配布されて発言自体がなかったことにされる一幕もあった。

(△□ 真弘)