年賀状のWeb注文を試してみた、
「デザイナーの手作業」やARまで……

印刷は写真クオリティ、CSVのアップロードで宛名印刷も

“カメラのキタムラ”の年賀状作成サービス。12月8日までの年賀状印刷は2割引となる早割特典も用意されている
「Webサービスで」というと「簡易なものだけ」というイメージを描きがちだが、プロに手作業を依頼できる「デザイナーズ年賀状」というサービスも用意されている
AR技術を活用した「clip年賀状」サービスもアリ。年賀状を専用アプリで撮影すると、スマートフォン画面中の年賀状がそのまま動き出す、というサービスだ。上の写真は画面上の年賀状をスマートフォンで撮影した例

 今年もいよいよ残り1カ月。そろそろ「年賀状をどうしようか」と考えなくてはいけない時期に入りつつある。今年こそは早めに終わらせようと思いつつ、結局間際まで手を付けずにあわただしい年の瀬を迎えることになってしまい後悔するのが、毎年この時期の恒例となってしまっている人も多いかもしれない。

 年賀状の作成方法といえば、自分でデザインしたオリジナルの年賀状をプリンターで印刷する方法がポピュラーだが、いざデザインが完成して印刷しようとするとプリンタの調子が悪く、せっかくの年賀状を何枚もムダにしてしまったり、印刷中にインクが切れてあわてて買いに走らなくてはいけなかったりと、意外なところで手間やコストがかかりがちだ。専門店の印刷サービスを利用する方法もあるが、自由度があまり高くないことや、足を運んで注文しなくてはいけないことを、面倒に感じる人もいるだろう。

 こうした人におすすめしたいのが、Webブラウザー上でデザインを行い、宛名の印刷も含めてオンラインで発注することで自宅もしくは店頭で受け取れる年賀状サービスだ。今回はこうしたサービスの中でもコースが豊富、かつメニューのわかりやすさと写真クオリティの画質が特徴の、“カメラのキタムラ”の年賀状作成サービスを紹介していこう。

あらゆるニーズに対応した全8種類のコース、宛名印字にも対応印刷は銀塩品質、プロに依頼する「こだわりタイプ」から納期最短1時間の最速タイプまで

「写真」をウリにしているだけあり、写真をレイアウトに組み込んだデザインが多い
キャラクターものを使った例。こうしたデザインが使えるのは強みだろう
日刊スポーツデザインの年賀状。なかなか凄い(笑

 ひとくちに年賀状と言っても、家族写真や子供の写真をベースにしたものもあれば、プライベートな写真を載せるのを嫌って風景写真や干支のイラストなどを用いたもの、はたまた完全オリジナルのデザインまで、種類はさまざまだ。

 しかし実際に年賀状を作るにあたっては、利用するソフトやサービスの制限によって、本当は作りたかった年賀状が作れず、妥協せざるを得ないことも多い。

 その点、“カメラのキタムラ”の年賀状作成サービスは、全8種類のコースが用意されており、あらゆるユーザーニーズをばっちり満たしてくれる。どのコースもWebサービスとして提供されるので、ソフトのインストールが不要なのもうれしい。コースによってはスマホアプリも用意されており、スマホ上での操作で注文を完了させることも可能だ。

 カメラ専門店が手掛けるサービスだけあって、印刷のクオリティの高さも特徴だ。多くのコースは写真と同等の光沢感のある仕上がりで、家庭用プリンターで印刷した場合のように、プリンターやインクのグレードが印刷品質にモロに反映されてしまい、絵柄は満足がいくのにこの印刷品質はチープすぎてちょっと……と、モヤモヤすることもない。

 また、ほとんどのコースでは、住所録のCSVファイルをアップロードすることで宛名の印刷も同時に行える。

 手元に届いた段階ですべての宛名が印刷済みなので、必要に応じてメッセージを書き込めばすぐにポストに投函できる。宛名のレイアウトは一件ごとにプレビューでチェックできるので、おかしな位置で改行されたり印字位置がズレて印刷がやり直しになるロスも防げる。住所録はCSVでのエクスポートも可能なので、特定のソフトやサービス上でしかメンテナンスができないといった不自由さもない。

オリジナルデザイン。最大4枚の写真とフレームを組み合わせてオリジナル年賀状を作成できるデザイン重視のサービス。ちびまる子ちゃんなどのキャラクターや日刊スポーツの新聞風デザインまで多彩なフレームが用意される
フジカラー年賀状。手持ちの写真のほか、ディズニーやキティなどの定番キャラクターも利用でき、また自分で作ったデータの印刷だけを依頼するサービスも用意される。写真と同等の光沢のある仕上がりが特徴
デザイナーズ年賀状。選んだテンプレートに合わせてデザイナーが写真のトリミングやマスキング加工、レイアウトを行って仕上げるオーダーメイドのサービス。写真は最大8枚まで組み合わせることができる
My年賀状。テンプレートなどを用いず、利用者が用意した画像データをそのまま印刷するサービス。画像作成ソフトで作ったデータのほか、市販の年賀状ソフトから出力した画像にも対応する
年賀状印刷 写真入りタイプ。店頭受け取りの場合、注文から最短1時間で受け取ることができるスピード仕上げが特徴のサービス。はがきに直接印刷するため、写真紙を用いたサービスとは画質が異なる
年賀状印刷。手持ちの写真がなくても用意されたイラストから年賀状が作れるサービス。ディズニーやスヌーピーなどのキャラクターも用意される。こちらも店頭受け取りを選択することで注文から最短1時間で受け取れる
コダック年賀状。手持ちの写真を使って年賀状が作成できる。テンプレートも豊富で、ミッフィーなどのキャラクターを組み合わせられるタイプも用意されている
clip年賀状。スマホで撮った動画の一部を切り出して年賀状を作成するサービス。専用アプリを使って年賀状を読み取るとサーバー上にアップされた動画が再生されるというインタラクティブさが特徴。対応アプリをダウンロード(iOS/Android)し、上記写真の拡大画像を撮影すると、実際の様子が確認できる

実際にオンラインでの年賀状作成にチャレンジしてみた「プロのワザ」を頼れるデザイナーズ年賀状に、印刷だけプロに頼む「My年賀状」、そしてAR………

「フジカラーポストカードLETTERS」。テンプレートを選んで写真を当てはめるだけで見栄えのよい年賀状がかんたんに作成できる

 前置きが長くなったが、では実際に“カメラのキタムラ”の年賀状作成サービスで年賀状の作成から注文、受け取るまでのプロセスを体験してみよう。今回は手持ちの写真をアップロードして手軽に写真入り年賀状が作れる「フジカラーポストカードLETTERS」を例に、使い方を見ていこう。事前に用意しておくのは「年賀状に載せたい写真」。これだけだ。

 コースは全部で8種類あり、それぞれユーザーインターフェイスが若干異なるが、基本的な流れは大きくは変わらない。具体的には、用意されたテンプレートの中から使いたいものを選ぶと編集画面が表示されるので、写真をアップロードして位置やサイズを調整する。最後に差出人情報を編集し、仕上がりイメージを確認すれば、これで裏面のデザインは完成だ。

 さらに宛名印刷を行う場合は、住所録データをアップロードしたのち、印刷を実行する宛名にチェックを入れ、印字にズレなどがないかプレビューを行う。最後に受け取り方法(宅配もしくは店頭受け取り)と支払方法を選択して注文を行う。あとは仕上がるのを待つだけだ。

まずはメニューから「おしゃれ年賀状「LETTERS」」コースを選んでクリック
写真の枚数を決定したのち、複数用意されたテンプレートの中から使いたいデザインを選択する。今回は家族3人が写った写真を使うため、それに適したレイアウトを選ぶ
ユーザー登録を行ってログインすると作業画面が表示されるので、ガイド線を参考にしながらアップロードした写真を配置する。写真全体にセピアなどのフィルターを掛けることも可能
続いて差出人情報を編集する。ユーザー登録した住所や氏名などの情報がそのまま反映されているので、必要に応じて家族名などを追加する
差出人情報の文字色などを調整したのち仕上がりイメージを確認する
続いてはがきの種類と注文枚数を入力する。注文枚数は10~999枚まで選択でき、返信などで枚数が足りなくなれば追加注文することもできる
続いて宛名印刷のための住所録をアップロードし、印刷を行う宛名にチェックを入れる。この画面上で宛名や敬称を修正することも可能。ちなみに宛名の印刷料金は32円/枚
イメージ確認を行い、すべての宛名にズレがないかチェックする。なおアップロードした宛名データは注文完了時に削除されるので必要に応じてダウンロードしておく
受け取りは宅配もしくは店舗での受領から選べる。後者の場合は最寄りの店舗を検索して受け取り店を選ぶ
料金や支払方法、受け取り店などを確認し、利用規約に同意して[この内容で注文する]ボタンをクリックすれば完了だ
完成した年賀状。写真と同等のクオリティで、家庭用プリンターに比べると仕上がりの差は歴然
宛名が印字されているのでそのまま投函できる

さらにユニークなサービスにもチャレンジしてみよう

 “カメラのキタムラ”の年賀状作成サービスには、ほかにもユニークなコースがいくつも用意されている。ここではそれらの中から、特徴のある3つのサービスについて紹介しよう。テンプレートが用意された既成のコースには飽きたらない場合は、これらをチェックしてみてほしい。

デザイナーズ年賀状

「デザイナーズ年賀状」。デザイナーが写真のトリミングやマスキング加工、レイアウトを行うオーダーメイドのサービス。写真は最大8枚まで組み合わせられる

 写真とテンプレートを指定すると、デザイナーが写真のトリミングやマスキング加工、レイアウトを代行してくれる、オーダーメイドのサービス。写真を組み合わせるだけにとどまらず、ワンランク上の年賀状を作成したい場合にぴったりだ。

 今回はさきほどの「フジカラーポストカードLETTERS」と同じ写真を使って注文してみた。操作の流れは基本的に同じで、テンプレートを選んだのち写真をアップロードし、タイトル(謹賀新年など)、コメント、住所といった情報を入力する。また必要に応じてデザイナーへの要望を追記することもできる。

 デザイナーが作業を行ってくれるため、さきほどと違ってプレビュー画面などは用意されておらず、3~4日後に送られてくるデザインラフを見て印刷の可否を決定する流れになる。そのため、作業に要する時間は数分で済んでしまう。

 印刷可能枚数は10枚からで、このコースに関しては宛名の印字には対応していない。またデザインが届いてプリント出力にゴーを出したのち、実際に仕上がるまでさらに日数がかかることは、注意しておいたほうがよいだろう。

利用したい写真の枚数に合ったテンプレートを選択する
差し替える画像を指定したのち、必要に応じてタイトル、コメントをカスタマイズ。続けて差出人情報を入力する
注文完了。デザインが届くまで3~4日待つ
3~4日経つとデザインラフが送られてくるので、確認したのち印刷を申し込む
デザイナーズ年賀状は単に写真を組み合わせただけでなく、写真のトリミングやマスキング加工、レイアウトをデザイナーが行ってくれるためクオリティは高い
今回作った年賀状。きれいにトリミングされている。

My年賀状

「My年賀状」。あらかじめ用意したデザインで年賀状を作成できるフリーフォーマットのサービス

 利用者がアップロードした画像データを、そのまま高品質で印刷するサービス。テンプレートなどを一切使わず、フリーフォーマットで年賀状を作りたい場合に使用する。データは指定サイズに収まるJPEGファイルであれば、どんなソフトを使用しても構わない。

 作業にあたってはあらかじめ画像作成ソフトなどを用い、年賀状の裏面にあたる画像データを作成しておく。サイズは1,228×1,748ピクセル、有効保証エリアは1,098×1,666ピクセルとなっている。編集画面でこれをアップロードし、必要に応じて干支や年号などのスタンプを追加し、プレビューを確認すれば作業は完了。

 宛名印刷を行う場合は、さきほどの「フジカラーポストカードLETTERS」と同様、住所録ファイルをアップロードして必要な宛名にチェックを入れたのち、受け取り方法(宅配もしくは店頭受け取り)と支払方法を選択して注文を行う。

 注意したいのは、裏面のデザインが利用者に委ねられているため、うっかりしていると差出人情報を入れ忘れてしまうことだ。宛名印刷を行う場合は表面に宛名とともに差出人情報を印字できるのだが、宛名印刷をスキップした場合、裏面のデザインに差出人情報を含めておかないと、差出人情報のない年賀はがきが出来上がってしまう。宛名とともに自前で印刷すれば問題ないのだが、失念しやすいだけに注意したい。

まずは注意書きを参考に、指定のサイズで年賀状データを作成する。フォーマットはJPEGで、店頭受付の場合はBMPやTIFFなどにも対応する
編集画面は「フジカラーポストカードLETTERS」と同じで、テンプレートを使わずにオリジナルの画像をアップロードする点が異なっている
画像をアップロードしたのち、必要に応じて干支や年号などのスタンプを追加してプレビューを確認する
宛名印刷を行う場合は住所録ファイルをアップロードし、必要な宛名にチェックを入れてプレビューで確認を行う。なお宛名と併せて表面に差出人情報を入力する場合はこの画面から行う
そして完成した年賀状。自分のデザインがキッチリした品質で印刷されている、というのもなかなか気分が良い

clip年賀状

「clip年賀状」。QRコードを読み取るとサーバー上にアップされた動画が再生されるというインタラクティブな年賀状を作れる

 スマホで撮った動画の一部を切り出して年賀状を作成するサービス。さらに専用アプリを使って年賀状のQRコードを読み取ると、サーバー上にアップされた元動画がアプリ上で再生されるという仕掛けも用意されており、ちょっと変わった年賀状にチャレンジしたい人にはぴったりだ。

 このサービスについてはPCからではなく、専用アプリを用いてスマホからの注文となる。アプリを起動して“clip年賀状”を選び、動画をアップロード。次いで差出人情報やメッセージを入力して、プレビューを確認して問題がなければ注文する。インタラクティブさが特徴だが、写真が動画に変わったというだけで、作成手順は通常の年賀状と特に変わらない。トリミング機能も用意されているので、動画ファイルから必要な部分だけ抽出できるほか、BGMをつけることも可能だ。

専用のスマホアプリをダウンロードして起動し“clip年賀状”を選択
まずはスマホに保存されている動画ファイルを選択する
組み合わせるフレームを選択
プレビューが表示される。必要に応じて動画のトリミングやBGMの追加を行う
差出人情報を編集し、メッセージを入力する。動画の公開期間を設定することも可能
プレビューで問題がなければ保存を行ったのち、店頭でのプリントを選択し、枚数および受け取り店舗を選んで注文を確定させる
今回作った年賀状。銀塩写真同様のきれいな仕上がりだ。

まとめ

 自宅でプリンターを使って年賀状を印字すると、さまざまな問題が起こりがちだ。用紙の向きや表裏をセットし間違える、宛名の印字位置がずれる、印刷の途中でインクがなくなる、印字がかすれる、プリンターの構造によっては年賀状がカールする、ドットが粗くクオリティが低い、フチなしがうまく印刷できない……など、デザインから完成までのあらゆる工程に罠が潜んでいて息を抜けない。

 その点、Webブラウザー上での作業で全てが完結する“カメラのキタムラ”の年賀状作成サービスでは、こうしたリスクとは一切無縁だ。もちろん自宅のプリンタで作成する場合は、いろいろなデザインを実際にプリントして比較できるなどの利点はあるが、そのぶんロスも大きく、またインクカートリッジの価格も考えると、コストは意外に高く付くこともしばしばだ。

 こうしたことから“プリンタを所有しているから自宅で作る”と決めつけるのではなく、メリットデメリットを総合的に勘案して、今回のようなサービスを試してみるのも一計ではないだろうか。コースによっては10枚単位での追加オーダーにも対応しており、返信が必要な年賀状の枚数が思ったより多かった場合でも、簡単に追加注文できるというのもありがたい。

 なお、今回紹介した“カメラのキタムラ”の年賀状作成サービスでは「早割」として、12月8日までにオーダーすると年賀状印刷が2割引となるほか、12月10日までのオーダーについては写真付き年賀状が通常52円のところ48円になるキャンペーンを実施中だ。コースにもよるが、最短で十数分あれば注文できてしまう本サービスを使って、今年こそ“直前で焦らない”年賀状制作にチャレンジしてみてはいかがだろう。

[制作協力:カメラのキタムラ]

(山口 真弘)