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やること盛りだくさん!な子育てを支援してくれるAndroidアプリ4選

うっかり忘れがちな予防接種、適切な離乳食などをスマホで賢く管理しよう

 これから生まれてくる新しい命に、無限の可能性を期待しているパパ・ママ(予定)や、まさに今、子育てに悪戦苦闘している新米パパ・ママは少なくないと思います。かくいう筆者も1歳と2歳の娘をもつ父親として、子育ての難しさ、つらさとともに、かけがえのない喜びも実感しています。

 しかし子供を育てていくうちに、おむつ交換や夜泣き、イヤイヤ期のようなある程度予測していた大変さ以外にも、それとは違った意味で大変な“イベント”があることに気付かされました。たとえば成長に合わせて何度も受けなければならない予防接種や、離乳食の種類とそれを与えるタイミング、アレルギーのチェックなどなど……。

 日々の仕事や家事、子供の世話に追われていると、それらのイベントをいつ、どうこなすべきか、分からなくなってしまったり、そもそもイベントの有無すら気付くことができなかったりします。でも、今ならそんな状況のパパ・ママを全面的に支援してくれるスマートフォンアプリがあるんです。今回紹介する4つのAndroidアプリを使えば、子育ての大変さを少しは軽くできるかもしれません。

期間が限られた予防接種の予定を管理できる「予防接種スケジューラー」

 子供に受けさせる予防接種の種類と内容、受けられる時期などをチェックできるアプリが「予防接種スケジューラー」です。予防接種は、特に生後数カ月から2歳頃まで推奨もしくは任意の予防接種が数多くあります。一定期間内に受けなければならないもの、予防接種を受けた後しばらく間をおかないと他の予防接種を受けられないものもあって、ともすると仕事以上に綿密なスケジュール管理が必要です。

「予防接種スケジューラー」
予防接種の種類を全て一覧

 「予防接種スケジューラー」では、一般的に受診が可能な子供向けの予防接種の種類を一覧できるほか、その予防接種をいつ受けたのか、何回目の接種か、といった情報を記録していくことができます。アイコンを多用しているおかげで分かりやすい見た目で接種状況を把握できるのが特長です。また、その月に受診できる予防接種の種類をチェックでき、接種予定日を指定しておくことで当日や前日、1週間前などにプッシュ通知する機能も備えています。

接種済みかどうか、定期接種か任意接種かなどを色付きのアイコンで表示します
接種予定日を前もって指定しておけます
予定日を指定すると、一覧上でもアイコン表示
たとえばこんな風に予定が近づくと通知してくれます

 さらに、予防接種の個別の内容について詳しく知ることができるのもうれしいところ。何を目的としたものなのか、どれくらいの間隔で接種できるのか、接種する際の注意点、その接種で予防できる病気の詳細など、親として知っておきたい多くの情報を得られます。比較的最新の情報に基づいて解説されており、従来は推奨されていたものの、最近になって非推奨になったワクチンの問題点や社会的背景などにも触れていて、接種するかどうかを判断する際の参考にもできます。

予防接種の種類ごとに、その詳細な情報を知ることができます
予防できる病気についても解説。ぜひ目を通しておきたいところ

 予防接種は、思い立ったその日に受診する、というわけにもいかず、あらかじめ計画しておかないと接種しそびれる可能性もあります。アプリでしっかり管理しつつ、かかりつけの病院ともよく相談しながら受診したいものです。

食べてもいい?食べたらだめ?が分かる「ステップ離乳食」

 乳児から幼児へと成長していく時に、何を食べさせるのがよいのか判断しやすくするアプリが「ステップ離乳食」です。おおよそ生後半年前後から前歯が生え始め、そのタイミングで離乳食を与えることが多いようですが、卒乳にあたって何から食べさせるのがよいのか、パパ・ママにとっては悩みどころ。“乳幼児にとってNG”な食べ物を間違って与えてしまうと、場合によっては中毒などを起こして重症化することもあるので、離乳食は子育てにおいてもっとも注意すべきことのひとつでもあります。

「ステップ離乳食」
月齢や子供の状況を見て離乳食の段階をいつでも変えられます

 ステップ離乳食では、自分の子供の月齢に合わせ、生後半年前後の“ゴックン期”、7~8カ月の“モグモグ期”、9~11カ月の“カミカミ期”、1歳以降の“パクパク期”などから選ぶことで、その期間に応じた食べさせてもよいもの、注意して与えるべきもの、食べさせるのはよくないとされているものをリスト表示します。自宅で離乳食を作る時や、外食時に与えても問題ないものを調べる時に役立ってくれるでしょう。

炭水化物やたんぱく質など、大まかな食材のカテゴリーごとに一覧
○はその月齢で食べさせてよいもの、△は少量なら問題ないもの、×は与えない方がよいとされているもの

 リスト上でワンタッチすると、その食材を“食べさせたことがあるもの”としてマークできるほか、食べさせた時に子供がおいしそうだったか、そうでなかったかなど、どんな表情を見せたのか記録することも可能。アレルゲンとなる卵、そば、ごま、牛乳などについては、アレルギー症状を起こすことがある食品としてアイコンでしっかり区別できるようになっていて、試しに少量を与えた時にアレルギー反応を起こした時は、食べさせられないものとして一覧上でマークしておくこともできます。

食べさせたものはチェックを入れておきましょう
食べさせた日と、その時の子供の様子をアイコンとテキストで記録できます
一覧上でも子供がどんな様子を見せたか確認OK
アレルギー反応を示したものはアイコンで警告

 離乳食として与えられる食品や摂取状況を記録・確認するのがメイン機能ではありますが、離乳食と食物アレルギーに関する疑問・回答をまとめたFAQや豆知識に加え、ユーザー同士が書き込んで情報交換できる掲示板も用意されていて、悩みを解消する助けにもなります。歯が何本も生えそろう1歳半以降になれば、だいたいのものを食べられるようになるでしょうが、それまでの間、子供の離乳食作りに毎日頭を悩ませているパパ・ママの強い味方になってくれるはずです。

離乳食に関するFAQやユーザー同士で話し合える掲示板も用意されています

生活のリズムを把握して子供の健康管理に役立てられる「育ログ」

「育ログ」

 乳幼児期に重要な、毎日の生活リズムを把握するのに便利なツールが「育ログ」です。泣くことでしか感情表現できないような乳児期は、飲んだミルクや母乳の量、うんちの色、おしっこをしたかどうかなど、ささいなところから赤ちゃんの体調や気分を推し量ることしかできません。「育ログ」では、そのような事柄を表すアイコンをドラッグ&ドロップするだけで記録していけるのが大きな特徴となっています。

 たとえば、起床や就寝、体温、機嫌、飲み物を飲んだ量、母乳を飲んだ時間、食べたごはん、うんちの固さや色など、あらゆる事柄を表すアイコンを、1日を15分か30分単位で区切った“タイムライン”上にドラッグ&ドロップしていきます。こうして子供の様子や生活リズムを毎日残していくことで、母乳やミルクを与えた記録を1週間単位でまとめて表示して把握しやすくしたり、体温と身長・体重の推移をグラフ表示したりできます。

かわいらしいアイコンで毎日の記録を残していけます
カレンダー機能も用意。記録した日とそうでない日は●印で区別できます
母乳やミルクを与えたペースや量を1週間分まとめて把握
体温の推移もチェック可能です
成長曲線で我が子の成長度合いを確認。ただし、ちょっと成長が遅いからといって、気にする必要はありません

 1日の出来事をテキスト入力する機能や、写真を登録する機能もあって、簡易的な日記として活用することも可能。後から振り返ってどんな1日だったかチェックするのはもちろんのこと、体調を崩した時や機嫌がよくない時に、どうしてそうなったのかを推測するのにも役立てられるでしょう。また、“受診準備”という機能では、記録した直近の体温、投薬、食事内容、機嫌といった情報を整形して、メールですぐに送ることもできます。実際に病気にかかってしまったと思われる際の情報整理に使ったり、パパとママの間で緊急時に情報交換するような場面で活用できそうです。

1日ごとにテキストと写真を登録でき、簡易的な日記として利用することも

 そのほか、子供の生活や健康に関する知識、子育てにおけるヒントなどを得られる読み物コンテンツも収録。日々、事細かに記録していくのは決して楽ではありませんが、ドラッグ&ドロップという簡単な操作方法とかわいらしいアイコン、楽しみながら使える充実の機能で、子供の万が一に備えた記録作りを長く継続できるはずです。

体調が気になる時は最近の状況を整理して表示。この内容をメールですぐ送れます
子育てのヒントが詰まった読み物コンテンツも楽しめます

ひとつひとつの“できた!”を記録して子供の成長を見守れる「育児手帳」

 子供が日々成長していく姿を目の当たりにできるのは、苦労が多い子育ての中でも大きな喜び。その喜びを1つ1つ記録していけるのが「育児手帳」です。たとえば“首がすわる”“寝返りをする”といった生後数カ月の間にできるようになるものから、“2語でできた文を話す”“1人で歯を磨く”といった1歳から3歳の間に見せる大きな成長まで、あらかじめ50もの成長要素がボタンとして用意され、タッチするだけで履歴として残していけます。

「育児手帳」
50個も用意された成長の要素。“できた!”時は1個ずつタップして記録します

 記録する際には、それができるようになった日付、その時の写真、コメントを一緒に登録でき、一度登録したものは“子育てレコード”として一覧可能。我が子がいつ頃、何ができるようになったのか、後から懐かしく感じながら振り返ることができるでしょう。2人目、3人目の子供がいる場合でも、それぞれ別に記録できるので、兄弟姉妹全員の成長を余すことなく記憶にとどめられます。

日付や写真、コメントを一緒に登録
時には“できた!”の記録を一覧で振り返ってみたり

 また、子供の月齢に合わせて、適切なワンポイントアドバイスを表示してくれる機能も備えています。病気が疑われる時の対処法、家の中で過ごす時に注意しておきたいケガ対策、健康に育てるためのアイデアなどが都度表示され、それらをチェックしていくことで自身の“理解度”が数字で表されるようにもなっています。それ以外にも、子育てのなかでパパ・ママが疑問に感じやすい事柄に対する回答なども多数用意され、うまく子育てできているか自信がもてないという人も、読むことで安心感が得られるのではないでしょうか。

子育てに関する疑問に答えてくれるQ&Aコーナー、コラムもあります
“小児救急電話相談”にすぐ連絡できる機能も用意

 子供に万が一のことがあった時、様子がおかしいと感じた時は、医師や看護師から適切なアドバイスを受けられる“小児救急電話相談”にすぐ電話をかけられるようにもなっています。子供の成長を見守るのに必携の1本です。

(日沼 諭史)