特別企画

動画作りがもっと身近に。魅せる動画「PhotoCinema」活用術

趣味で仕事で、思わずシェアされるムービーを手間なく作ろう

手持ちの写真や動画を、自動的に音楽に割り当ててくれる画期的な動画編集ソフト

 スマホやデジカメ、あるいはデジタルビデオ全盛の昨今、自宅にはこれまで撮り貯めた写真や動画が、たくさん眠っていることだろう。これらを家族や友人に見せたり、あるいはブログやSNSで公開するのは、写真や動画を撮る楽しみ方の一つといっていい。

 もっとも、見せられる側からしても、“撮りっぱなし”の写真や動画を大量に見せられても、いまいちピンと来ないもの。しかしこれらが1本のストーリー仕立てのショートムービーに編集されていれば話は別。音楽に乗って、写真や動画がポン、ポン、ポンと表示されるショートムービーなら、作る側もワクワクするし、見る側からしても意図がわかりやすく、楽しめることは確実だ。

 動画編集の知識がなくとも、これらショートムービーを手軽に作成できてしまうのが、デジタルステージの動画作成ソフト「PhotoCinema」だ。一言で紹介するならば「写真や動画が入ったフォルダーを指定すると、用意した音楽にそれらを自動に割り当ててショートムービーを作ってくれる」ソフトである。一般的な動画編集ソフトのように、動画に合わせて音楽をつけていくのではなく、用意した音楽のテンポに合わせて写真や動画を割り当てるという逆転の発想で作られており、プライベートからビジネスまで、センスのよいムービーをかんたんに作成できるのだ。

用途やスキルに応じて使い分けられる3つの編集モードを搭載

 まずはざっと「PhotoCinema」の機能を紹介しよう。本ソフトは3つのモードを用意することで、初心者から上級者まで、幅広い層のユーザーが使いやすいように設計されている。そのモードとは“おまかせモード”“じぶんでモード”“シナリオモード”の3つだ。順に見ていこう。

“おまかせモード”“じぶんでモード”“シナリオモード”の3つのモードを使い分けることで、用途やスキルに応じてムービーを作成できる

 まず“おまかせモード”。これは指定した音楽に合わせて写真や動画を割り付け、演出まですべての編集を自動的に行ってくれるモードだ。音楽のテンポを検出してキリのいいタイミングで写真や動画が切り替わるよう編集してくれるので、ユーザーはわざわざ映像の切れ目と音楽の切れ目がぴったり合うよう手動で調節する必要がない。ユーザーはただ、写真や動画が入ったフォルダーを用意するだけでよい。

 また、エフェクトも自動的に適用されるので、エフェクトの種類などの知識も不要ときている。正確に言うと、エフェクトがあらかじめ適用された“フレーズセット”というパーツが用意されており、そこに写真や動画を割り当てた状態で音楽のテンポに合うよう配置されるので、自動的に『イイ感じ』のムービーができあがるというわけだ。これまでどんなに頑張っても、単に動画をつなぎ合わせただけのムービーしか作れなかった人や、写真を組み合わせたスライドショーしか作れなかった人からすると、カルチャーショックを受けることは確実だ。

 続いて、もっと自由度が高いムービーを作りたい場合におすすめなのが“じぶんでモード”。これは写真や動画の配置、さらにはどのフレーズセットを使うかといった選択をすべて自分で行うモードだ。“おまかせモード”でムービーの作成に慣れ、自分でいろいろな演出を試してみたくなったら、こちらにチャレンジするとよいだろう。いわば中級者から上級者向けのモードという位置づけだ。“おまかせモード”や後述の“シナリオモード”で下ごしらえをしたあと、この“じぶんでモード”で細かい編集を行うこともできる。

 最後に、ユニークなのが“シナリオモード”。これは予めストーリー設計が施されたテンプレートを選び、そこに素材を当てはめていくというモードだ。“おまかせモード”は音楽に合わせて写真や動画を自動配置するという手順だったが、こちらはすでに配置が完了したテンプレートが用意されており、その中の写真や動画だけを、手持ちの素材に差し替えていくという作業手順になる。テンプレートは旅行アルバムやお店の紹介画像、さらには子供の成長ヒストリーといったさまざまなテーマが用意されているので、目的に応じて利用できる。

実際にムービーを作ってみよう

 では具体的に、ここまで見てきた3つの編集モードを適宜使い分けながら、ムービーの作成プロセスを見てみよう。

 まずは手始めに、手持ちの写真素材を使ったショートムービーを“おまかせモード”を使って作成してみよう。今回は撮りためてあった“魚を正面から見た写真”を見栄えのよいムービーに仕立てたい。“おまかせモード”では3種類のフレーズセットの中からイメージに合致するものを選んだのち、音楽や写真および動画の入ったフォルダーを指定する。どのシーンにどの写真や動画を当てはめる、といった調整は必要ない。まったくのお任せだ。ちなみにフレーズセットに設定されている写真や動画の数が足りなかった場合は、同じものが使い回されるので、この段階ではあまり気にしなくても大丈夫だ。

ソフトを起動し、新規作成から“おまかせモード”を選択する
フレーズセットや音楽、写真・動画が入ったフォルダーを選ぶ
[おまかせ編集スタート]ボタンをクリックする。なお表示順は“ランダム”“ファイル名順”のどちらかを選択できるが、旅行のアルバムのように時系列に沿った素材は“ファイル名順”、それ以外は“ランダム”でいいだろう
レンダリング完了。プレビュー画面の再生ボタンを押すとムービーが再生される。右側の[編集を終了]ボタンを押すとホーム画面に戻る
ムービーをMP4などのファイルとして書き出すには、ホーム画面に戻り、動画を選択した状態で右上の[書き出し]ボタンをクリック

 [おまかせ編集スタート]ボタンをクリックすると、レンダリング作業が開始される。曲の長さにもよるが、数分〜10分ほど待つと処理が完了し、写真および動画が曲に合わせて割り付けられたショートムービーが完成する。写真と動画が入ったフォルダーを選んだだけで、それなりに見栄えがするムービーができあがることに驚くはずだ。

書き出したいムービーを、下段から上段にドラッグ&ドロップしたのち[ムービー書き出し]ボタンをクリックすると、書き出しが実行される。複数のムービーを1本に連結させることも可能なほか、直接YouTubeやFacebookへの投稿も行える
ムービーのフォーマットや解像度は手動で選択できる。デフォルトではMP4形式で、解像度はHD(1,280×720)になっている。最大でフルHD(1,920×1,080)までの書き出しに対応する
ここまでの手順で、まったくの自動編集でできたムービー

 書き出しを実行し、MP4形式などのファイルとして出力すれば、すべての作業は完了となる。もっとも、全体を繰り返し見ていると、もう少しここに手を入れたい、修正したいといった箇所も出てくるに違いない。例えば以下のようなケースだ。


    A. 写真の順序を入れ替えたい。
    B. あまり好みではないエフェクトやフィルターを変更したい。
    C. 音楽と写真の切り替えがズレているのでテンポを微調整したい。
    D. 字幕がデフォルトのままなので適切な内容に書き替えたい。

 これらはいずれも編集画面上で修正が行える。もっとも頻度が高いのは“A”、写真の入れ替えだろう。

編集画面の下段に並ぶ“フレーズ”をダブルクリックして展開すると、割り当て済みの写真が[シーン]タブに表示されている。左下のアイコンをクリックすると、代わりの素材を指定するためのダイアログが表示されるので、そこから別の写真もしくは動画を指定すればよい
写真は拡大率を調整したり、回転させることもできる。既存の写真の表示位置を調整したい場合もここから行う
プレビューの左側にある「フレーズを追加」をクリック

 “B”については、エフェクトやフィルターがあらかじめセットになった“フレーズ”が多数用意されているので、お気に入りのフレーズに取り替えるのがスムーズだ。ちなみにフレーズの長さが変わると曲のテンポとズレてしまうので、例えば8拍のフレーズと入れ替える場合は、同じ8拍のフレーズを選ぶとよい。

フレーズセットの一覧が表示されるので、内容を確認して必要なフレーズセットを下段にドラッグ&ドロップする
追加したフレーズには、写真や動画を手動で割り当てるとよい。終わったら古いフレーズは手動で削除する
フレーズの右下にあるアイコンを左右にドラッグするか、もしくはフレーズ直下の拍数を直接キーボードから書き替えることで、テンポを調節する。

 “C”のテンポの微調整については、音楽が進むにつれて、画面が切り替わるタイミングと微妙にずれることがあるので、必要に応じて手動で調整してやるとよい。具体的には、タイムラインに並ぶフレーズを選択し、長さを8拍から7拍に切り詰めて画面が切り替わるタイミングを早めたり、あるいは遅らせたりといった操作を行う。むやみに行うとテンポがバラバラになりかねないが、音楽やエフェクトの関係で、音楽と画面がズレているように感じられる場合は、この手順で調節するとよい。

テキストの書き換えは、フレーズをダブルクリックして開く[テキスト]タブから行う

 最後の“D”、字幕の変更については、フレーズをダブルクリックして[テキスト]タブを開くと、画面に表示されるテキストが表示されているので、適切な内容に書き替える。フォントの種類など、ワープロソフトと同じ感覚で変更できる。

 以上のような調整を行って完成させたのが、以下のムービーだ。最初に自動編集で作成したムービーに比べると、写真と音楽がぴったり合うよう修正しているほか、写真のトリミング位置の調整やテキストの書き換え、さらにフレーズの変更を行っているのだが、お分かりいただけるだろうか。今回は細かい修正にとどめているが、音楽そのものを変更したり、フレーズにあらかじめセットされているエフェクトを変更するといった大胆な編集も可能だ。音楽に合わせてタップすることでテンポを自在に調整できる“タップ機能”も用意されているので、さらにアップテンポでの切り替えを行いたい場合にも対応できる。

さきのムービーを微調整して完成させた、正面から見た魚の顔ムービー。写真と音楽がぴったり合うよう修正しているほか、写真のトリミング位置の調整やテキストの書き換え、さらにフレーズの変更を行っている

送別会のまとめ動画を作ってみよう

 続いては“送別会用のまとめ動画”を製作してみよう。門出を迎えた仲間の前途を祝するメッセージをちりばめたムービーを作成し、仲間にプレゼントするという位置づけだ。

 ここは“じぶんでモード”がよいだろう。さきほどは“おまかせモード”で自動編集を行ったのち手動で細かな調整を行ったが、“じぶんでモード”であればまったくなにもない状態から好みのフレーズセットを使ってムービーを作成できる。“おまかせモード”の場合、各フレーズセットは数秒単位であることがほとんどだが、“じぶんでモード”ではこうした枠にとらわれない大胆な編集も可能だ。

ソフトを起動し、新規作成から“じぶんでモード”を選択する
“じぶんでモード”では、まったくなにもない状態から、好みのフレーズセットを使ってムービーを作成できる
コラボ機能を使うには、フレーズセットを選択した状態で画面右上の[コラボ]ボタンをクリック。コラボを開始するか尋ねられるので[OK]ボタンを選択する

 さて、送別会動画のような、大規模なイベントのムービーを作成する際に使ってみたいのが“コラボ機能”だ。大勢のメンバーが参加するイベントでは、写真や動画が一元管理できず、各自の手元にバラバラに存在していることがほとんどだ。このコラボ機能を使えば、ムービーのアウトラインを見せつつ『この場面にはこんな写真や動画を入れたいので送ってください』という提供の呼びかけを、参加メンバーに対して行える。メールを通じての依頼から、収集状況の把握、さらには受信した素材をムービーに反映させるところまで、すべてソフト上の専用画面で管理できるので、効率よくムービーを作成できるというわけだ。

フレーズが表示されるので、各シーンごとにメンバーを割り当てる。ちなみに呼びかけを行うメンバー(ソフトのユーザー)は“監督”と呼ばれる
割り当てたメンバーは一覧表示が可能。参加の有無や素材のアップロード状況など、進捗状況も表示される
監督からメンバーに対する素材提供の呼びかけはメールの同報で行う。どのような写真や動画が必要なのかを詳しく書いておくと段取りもスムーズだ
呼びかけメールを受け取ったメンバーがURLを開くと、Webブラウザー上でコラボ画面が表示される。現時点でのムービーの完成イメージが表示されるほか、提供すべき動画の本数および長さなどの情報が表示されている。なお参加メンバーはソフトは不要だ。
素材はWebブラウザー上で送信できるので、メールに添付したり、オンラインストレージを経由して送信するといった手間もかからず、ボタン一発でアップロードが完了する
監督はメンバーからの素材を受け取ったらムービーに反映させる。わざわざ動画をダウンロードして割り付ける必要はなく、[フレーズに反映]ボタンを押すだけで反映される
送別会用の動画の例

 ここでは送別会のような参加者の多いイベント用のムービーを例にしているが、2人以上で共同作成する場合は、ぜひ試してみたい機能だ。

お店の紹介動画を作ってみよう

 最後は、“お店の紹介動画”を作成してみよう。飲食店などがホームページに掲載する、PRのためのムービーという位置づけだ。今回素材はすでに開店している店内で、素人がスマホやムービーカメラを使って短時間で撮影した。

本ソフトにはさまざまなテンプレートが用意されており、目的に応じてWeb上からダウンロードして利用できる。今回はお店の紹介動画ということで、上から5つ目の“SHOP”を使用する

 ここは“シナリオモード”を使ってみよう。オンラインからダウンロードが可能なテンプレートの中に“SHOP”という、お店の紹介に適したテンプレートがある。これをベースに、手持ちの写真や動画を既存の素材と差し替えていくだけで、自分のお店の紹介動画がいとも簡単に作れてしまうというわけだ。

 テンプレートを開くと、まずレンダリングが実行される。しばらくすると編集可能になるので、フレーズをダブルクリックして開き、すでに配置されている素材を手持ちの写真や動画と取り替えていく。動画の代わりに写真、写真の代わりに動画を配置してもなんら問題ないが、テンポがやや間延びしたり、また動画に設定されているエフェクトがそのまま残ることもあるので、手動で調整しよう。必要に応じて、新しいフレーズを追加して使うことももちろん可能だ。

新規作成から“シナリオモード”を選択する
Web上からダウンロードしておいたテンプレートが表示される。ここでは“SHOP”を使ってみよう
テンプレート“SHOP”をクリックするとレンダリングが行われる
レンダリング完了。お店の紹介動画を構成するフレーズセットがずらりと表示されているので、これを開いて写真や動画を差し替えていく
写真や動画を差し替えるには、フレーズ内の[シーン]タブ左下のアイコンをクリック
手持ちの素材に差し替えたところ。動画の場合、どのシーンを使うかスライダーを移動させて指定する。動画のズームアップや、再生速度の調節も可能だ
スマホなどで撮影した素材から作った和食料理店のPRムービー。ここではテンプレートの音楽をそのまま使っているが、さらにお店の雰囲気にマッチしたムービーを作りたければ“じぶんでモード”を用いて店に合った音楽に差し替えるなど、細部までこだわってカスタマイズするとよいだろう

動画制作の基本を学ぶ第一歩としても最適

 ここまで見てきたように、初心者でも高い出来栄えのショートムービーをかんたんに作成できるだけでなく、慣れてくると本格的なムービーの制作にまで対応できるというのが、本ソフトの秀逸な点だ。

 一般的な動画編集ソフトには、多彩なエフェクトや素材が用意されており、腕前次第ではプロ顔負けのムービーを作成できる。しかし動画にまつわる知識がないと、せっかくの豊富なエフェクトをあまり適切でないシーンで使ってしまい、その拙さが内容以上に注目されるという、残念な結果になりがちだ。

 その点、本ソフトはエフェクトがあらかじめ適用されたフレーズセットを用いることで、購入してすぐにクオリティの高いムービーが生成できる。たとえ動画編集にあまり詳しくなくても、“おまかせモード”や“シナリオモード”によって生成されたムービーを見ているうちに、エフェクトなどの知識が無理なく身につく。そうした意味では、動画制作の基本を学ぶ第一歩としても最適だ。

 プライベートからビジネスに至るまで、なるべく手間を掛けずに、見栄えのよいムービーを作成したいユーザーにはぴったりの「PhotoCinema」。本ソフトを購入したらまず、3つのモードの中から“おまかせモード”を立ち上げ、適当な写真フォルダーを読み込ませてみてほしい。その結果できあがるムービーを見れば、本ソフトに秘められたポテンシャルを感じることができるはずだ。

ソフトウェア情報

「PhotoCinema」
【著作権者】
(株)デジタルステージ
【対応OS】
Windows 7/8/8.1など
【ソフト種別】
ダウンロード販売 14,800円(税抜き)

(山口 真弘)