特別企画

“VoLTE”以上の高音質を実現した無料通話アプリ「SkyPhone」を試す

ユーザー登録は一切不要。アドレス帳を送信せず、プライバシーにも配慮

 「SkyPhone」は、高音質かつユーザー登録不要で利用できる無料通話アプリ。ノイズキャンセル機能を備え、CD音質並みのクリアな品質で音声通話を楽しめるほか、電話番号やメールアドレスなどの登録が一切不要で、すばやく利用できることが特徴。また、端末内のアドレス帳がサーバーへ送信されることもなく、プライバシーに配慮して利用することが可能。

 無料通話アプリはスマートフォンでも人気ジャンルだが、通話品質に不満を感じていたり、プライバシーを気にして利用を控えていた人も多いかもしれない。「SkyPhone」は、そんな人たちにもおすすめできる無料通話アプリだ。

 同アプリは、(株)クアッドシステムが開発しており、iOS版、Android版が提供されている。本稿では、「SkyPhone」に焦点を当て、その特徴や使い方について紹介していきたい。

高音質かつユーザー登録不要で利用できる無料通話アプリ

「SkyPhone」

 「SkyPhone」の特徴のひとつが高音質な音声通話だ。高音質の裏付けとなるのがサンプリングレートで、同アプリの音声通話のサンプリングレートは最大48000Hz。スマートフォンの3Gの通話ではサンプリングレートが8000Hz、LTEを利用して通話する“VoLTE”(Voice over LTE)の高音質通話では16000Hzとなっており、「SkyPhone」のサンプリングレートがかなり高いことがわかる。さらに、この数値はCD音質(44100Hz)をも上回っている。

 なお、開発元のクアッドシステムによれば、端末のマイクやスピーカーの性能、ノイズキャンセル機能などにより、実際には音質が若干下がることがあるが、「それでも音質に関しては十分に満足のいくレベル」だという。また、音質は通信状況によって可変させているため、通信状況が良い場所であるほど、高音質を実感できるとのこと。もちろん、3Gの音声通話や他の無料通話アプリなどと比べて、どのくらい音質が良いと感じるかは個人の感覚もあるため、実際に試して音質を確認してみるといいだろう。

 「SkyPhone」のもうひとつの特徴が、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を登録することなく利用できることだ。同アプリでは、初回起動時に取得できる専用の“SkyPhone番号”を互いに使って、通話の発着信をすることが可能。通話する相手の“SkyPhone番号”は、アプリ内の“SkyPhone連絡先”で管理できる。

 また、一般的な無料通話アプリでは、端末内のアドレス帳をサーバーへ送信することで、アプリを利用している知り合いを探せる機能を搭載していることが多いが、「SkyPhone」では端末内のアドレス帳や“SkyPhone連絡先”がサーバーへ送信されることはない。インストール後、即座に利用できるというシンプルさに加え、個人情報がアプリ開発元のサーバーで管理されることがない安心さが、同アプリの魅力となっている。

 なお、ユーザー登録がないことで、通話したい相手の“SkyPhone番号”をあらかじめ教えてもらう必要があったり、機種変更時に“SkyPhone番号”を引き継げないなど、いくつかのデメリットも生じる。しかし、プライバシーに配慮しつつ、シンプルに無料通話アプリを使いたいという人にとっては、メリットがデメリットを大きく上回るのではないだろうか。

リモートデスクトップソフト開発で培った音声伝送技術を応用

 実は、この「SkyPhone」の開発には、「Brynhildr」など多くのリモートデスクトップソフトの作者として知られるIchiGeki氏が携わっている。「SkyPhone」の特徴である高音質な音声伝送技術は、リモートデスクトップソフト開発で培われた技術を発展させたものとなる。

 「SkyPhone」の構想時点で、すでにリモートデスクトップソフトではCD音質(44100Hz)の音声伝送技術が完成しており、この技術をもとにCD音質で通話できる通話アプリの開発が始まった。「通話アプリとして実装するとしても、技術的にそう難しくないだろう」という当初の目論見通り、開発開始直後につくられたプロトタイプでは、音質・遅延・通信方式に問題がないことが確認できたという。

 その後、開発が進むにつれ、音声圧縮コーデックや通信方式を変更したため、リモートデスクトップソフトの音声伝送技術がそのまま使われているわけではないが、高音質な通話アプリがいかにして誕生したのかがわかる、興味深いエピソードだといえる。

「SkyPhone」の使い方

 初回起動時に表示される画面で[SkyPhone番号を取得]ボタンをタップすることで、“SkyPhone番号”を取得可能。自分の“SkyPhone番号”は、直後に表示されるポップアップのほか、画面下部で[連絡先]タブを選択したときの[連絡先]画面の最上部で確認することができる。

初回起動時の画面で[SkyPhone番号を取得]ボタンをタップ
ユーザー登録不要で“SkyPhone番号”を取得し、すぐに発着信を行える

 知り合いなどに通話発信する際は、あらかじめ教えてもらった相手の“SkyPhone番号”を[キーパッド]画面で入力して、画面左下の[発信]ボタンをタップすればよい。発着信の履歴は、画面下部で[履歴]タブを選択して表示される[履歴]画面で確認可能。[履歴]画面で番号を選択すると詳細画面が表示され、画面下部の[追加]ボタンから本アプリの“連絡先”に登録できる仕組みだ。

自分の“SkyPhone番号”は、[連絡先]画面の最上部で確認できる
[キーパッド]画面で番号を入力し、[発信]ボタンをタップして発信可能

 [キーパッド]画面での番号入力のほか、[履歴][連絡先]のいずれの画面からも通話発信やリダイヤルが可能となっており、“SkyPhone番号”という本アプリ専用の電話番号を使用すること以外は、通常の電話アプリと使い方に大きな違いはない。

画面下部で[履歴]タブを選択すると、発着信の履歴を確認できる
番号を選択して詳細画面を表示すると、“連絡先”への登録やリダイヤルを行える

 一方、通話着信した際にはプッシュ通知が行われ、アプリを起動していなくても応答することができる。iOS版の場合、ロック画面に表示される通知バナーを左右にスライドしたり、画面上部に表示される通知バナーをタップすることで応答が可能。また、通知設定を変更すれば、ダイアログで着信通知を表示することもできる。Android版では、画面に表示されるダイアログから応答できるほか、通知設定を変更して、ステータスバーに着信通知を表示することが可能だ。

iOS版では、ロック画面の通知バナーをスライドして着信に応答できる
ホーム画面などを表示している際に着信すると、画面上部に通知バナーが表示される

 また、通話中に表示される画面の中央には、通話品質が点線状のインジケーターで表示されて確認できる。インジケーターは青→黄緑→黄色→赤の4色で、青に近いほど通話品質が良いことを示している。このほか、通話中の画面では、マイクやスピーカー、ノイズキャンセル機能をON/OFFすることが可能。ノイズキャンセル機能は、通話中の2人のどちらか一方がONまたはOFFに切り替えることで、相手側でもノイズキャンセル機能が同様に切り替わる仕組み。

Android版では、着信を通知するダイアログが表示されて応答できる
通話中の画面の中央には、通話品質を示すインジケーターが表示される

 なお、3Gなどの低速回線に接続している場合、発着信ができなかったり、通話が途切れることがある。そのような際は、[キーパッド]画面右上の歯車型ボタンから設定画面を表示して、“低速回線モード”をONにすることで、通話品質は若干低下するものの、快適に通話することが可能になる。

 また、機種変更を行った場合、“SkyPhone番号”を再度取得する必要があるため、自分の番号は変わってしまうが、連絡先データをエクスポートして新しい端末に引き継ぐことができる。設定画面の下部にある[インポート/エクスポート]項目から連絡先データをZIP形式でエクスポートし、メールに添付して新端末へ送信可能。新端末のメールアプリでメールに添付されたZIPファイルを選択し、「SkyPhone」で開くことで、連絡先データをインポートすることができる。

“低速回線モード”をONにすることで、低速回線への接続中でも快適に通話できる
連絡先データをエクスポートして、新しい端末へ引き継ぐことも可能

まとめ

 高音質かつユーザー登録不要で利用できることが特徴の「SkyPhone」は、特定の相手と頻繁に通話する人はもちろん、既存の無料通話アプリの通話品質に不満がある人、シンプルに無料通話アプリを使いたい人におすすめできるアプリだといえる。

 なお、「LINE」や「Viber」といった無料通話アプリでは、携帯・固定電話の番号に有償で通話発信できる機能を備えているが、「SkyPhone」では、そのような機能の追加は予定していないという。あくまで高音質の無料通話を追求していく方針のようだ。

 専用の“SkyPhone”番号を使ったアプリ同士の通話となるが、現在のところ“VoLTE”が同一キャリアの対応機種同士でしか高音質通話ができないことを踏まえると、機種やキャリアを問わず高音質通話ができる「SkyPhone」は、実用性があるといえるのではないだろうか。