短期集中連載

10年を超える定番クリーナー「CCleaner」を10倍使いこなす 第5回

“拡張設定”にある不要ファイル・レジストリエントリをクリーニング

「CCleaner」

 本連載では、定番クリーニングソフト「CCleaner」の機能を紐解き、各項目が実行しているクリーニングの対象を詳細に解説していく。今回は削除項目のうち、[Windows]タブの他のカテゴリーに含まれない内容を扱う“拡張設定”カテゴリーの具体的な項目を解説しよう。

“拡張設定”の不要ファイルを削除

 前回に引き続き「CCleaner」でクリーニングできる項目を個別に解説する。“拡張設定”カテゴリーの内容は“システム”カテゴリーのクリーニング項目と類似するが、興味深いのはいずれの項目も初期状態では選択されていない点だ。端的に判断すれば、通常の使用方法であればクリーニング対象に加えなくてもよいのだろう。

Windowsイベントログ

 第4回で触れた“ウィンドウズ ログファイル”と異なる本項目の削除対象は、「イベント ビューアー」で確認できるWindowsイベントログだ。これらの情報はレジストリの“HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\EventLog”キーで管理されており、「CCleaner」はWindowsの機能を用いてクリーニングを実行している。

 システムが不安定になる要素を探し出す際、イベントログは重要になるため、定期的なクリーニング対象へと加えるのはお勧めできない。ただし、「イベント ビューアー」で安定動作を確認した上で削除する場合は構わないだろう。

「CCleaner」は“HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\EventLog”キーから、PCによって構成が異なるイベントログ情報を取得している
確認したところ直近の“セキュリティ”イベントや“Setup”イベントを除いたイベントログが削除された

古いプリフェッチデータ

実際に削除されるのは“%SystemRoot%\Prefetch”フォルダ内のPFファイル。さらに“ReadyBoot”サブフォルダ内の同ファイルも削除する

 そもそもPrefetch(プリフェッチ)とは事前読み込みを指す用語だが、WindowsにおいてはWindows XPが実装したPrefetch機能、Windows Vista以降のSuperFetch機能がある。前者は実行ファイルの起動回数をカウントし、デフラグ時などにディスクドライブ上の配置を最適化。後者は記録範囲を広げ、ユーザーの行動パターンに応じたメモリーの配置もコントロールするようになった。

 ただし本機能は、Windows XP専用項目であると公式サイトのマニュアルに記述されている。Windows 8.1上で検証したところ、SuperFetchが作成したPFファイルの削除は実際に行われているものの、SuperFetchのロジックや利便性を踏まえると、クリーニング対象に含めるべきではないだろう。

メニュー オーダーのキャッシュ

 スタートメニューに並ぶ項目の順番は、ドラッグ&ドロップで入れ替えることが可能だ。この順番はレジストリの“HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MenuOrder”キー以下で管理されているが、本項目は同レジストリエントリが削除対象となる。

 ただし、Windows 8/8.1では同機能がスタート画面に置き換わり、MenuOrderキーで管理するのは「Internet Explorer」のお気に入りメニューのみ。そのため、Windows 8以降でクリーニング対象に加えるメリットはないだろう。

システムトレイのキャッシュ

 本項目は通知領域のアイコンに対するキャッシュをクリーニング対象としている。具体的には、レジストリの“HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\TrayNotify”キーのバイナリ値“IconStreams”と“PastIconsStream”を削除し、キャッシュ情報をクリアするというものだ。

 今回の検証では、Windows XPが管理する“HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\TrayNotify”キーも検索していたことを確認できたが、Windows 8.1には存在しないため、レジストリ操作は行われていなかった。筆者が経験したトラブルとしては、通知領域から過去の項目が消えない場合に本クリーニングを実行することで解決したこともある。普段からクリーニング対象に含める必要はないが、トラブル発生時には有用だ。

ウィンドウサイズ/表示位置のキャッシュ

 Windowsは各ウィンドウの表示形式やサイズをレジストリエントリとして保存し、同じフォルダを再表示する際の利便性を確立している。具体的には“HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\”以下の“Stream”キーに、番号を名前にもつサブキーが並び、再描画用のデータが格納される仕組み。そして、“StreamMRU”キーにはエントリの順序などを管理するバイナリ値が用意される。

 本項目はこれらの情報をクリーニングするというもの。ただし、より詳細な情報は“HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\Shell\Bags”キー以下で管理され、Stream/StreamMRUキーに含まれる情報はファイル・フォルダの並び順やカラム項目、フォルダのタイプなどに限られる。データの格納形式もレジストリの肥大化に繋がらないため、気になる場合でも年に1回程度のクリーニングで十分だ。

環境PATH

環境変数“Path”で指定したフォルダが存在しない場合、環境変数から当該フォルダが自動削除される

 環境変数“Path”は実行ファイルの検索時に用いられるものだが、一部のアプリケーションは、自身を参照しやすくするため、実行ファイルがあるフォルダを追加している。本来であればアンインストール時に削除すべきものだが、まれにPathがそのまま残ってしまうことがある。

 本項目は、ユーザー環境変数の“Path”を調査し、存在しないパスを検出して削除するというものだ。レジストリの“HKEY_CURRENT_USER\Environment”キーに含まれる展開可能な文字列値“Path”を操作している。「Process Explorer」で動作検証を行ったところ、システム環境変数“Path”の実体となる“HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Environment”キーへのアクセスも確認したが、ユーザー環境変数のような値の操作は行われていなかった。いずれにせよ、本項目は常にクリーニング対象に加えて問題ないだろう。

ユーザーアシストの履歴

Windows 8.1で“ユーザーアシストの履歴”を削除すると、アプリビューの“使用頻度順”表示において、すべてのアプリケーションが“使っていない”になってしまう

 本項目はWindows XP以降のスタートメニューにあった“よく使用するプログラム”をクリーニング対象にするというもの。各データはレジストリの“HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\UserAssist”キー以下に格納されているが、Windows 8.1ではアプリビューの“使用頻度順”表示が参照しているため、削除すると同項目が使えなくなってしまう。そのため、クリーニング対象への追加は控えるべきだ。

削除指定ファイル/フォルダ

オプションの“削除リスト”で削除設定を追加すると、“削除指定ファイル/フォルダ”項目が有効になる

 本項目はオプションの“削除リスト”にユーザーが追加したファイル・フォルダをクリーニングするためのもの。同箇所で削除指定を行うと自動的に本項目も有効になり、ユーザーの使用環境に応じたクリーニングが使用可能になる。

空きスペースの抹消

オプション“ドライブ空きスペースの抹消”セクションでクリーニング対象となるドライブの選択や、MFT空きスペースに対する操作を取捨選択できる

 最後となる本項目は、特定のファイル・フォルダやレジストリエントリではなく、ディスクドライブの空き領域を上書きし、ファイル復元アプリケーションなどによる情報漏洩を未然に防ぐというもの。ファイルエントリを管理するMFTの空きスペース抹消にも対応している。

 具体的な動作はオプションの“設定”にある“ドライブ空きスペースの抹消”セクションで選択可能。複数のディスクドライブがある場合は、ここで事前選択しなければならない。ただし、作業に要する時間はかなり長くなってしまうため、日常的なクリーニングが目的の場合は選択しない方が無難だ。

次回予告

 第2回から4回に渡って“Windows”タブに並んだ複数のクリーニング項目を解説してきたが、今回で終了となる。次回は“アプリケーション”タブの内容を紹介するので、興味をもたれた方はぜひご覧いただきたい。

(Cactus:阿久津 良和)