特集

「Office 2013」カスタマープレビュー版レビュー 後編

「Excel」のデータの視覚化、「PowerPoint」のマルチモニター対応などに注目

(12/09/20)

 “Microsoft Office”シリーズの次期バージョンとなる「Microsoft Office 2013」(以下、「Office 2013」)の一般ユーザー向けプレビュー版「Microsoft Office カスタマー プレビュー」を紹介する本特集。前編では、「Office 2013」の全体的な特徴や改善点と、個別のソフトとして「Word 2013」の新機能を取り上げた。

 後編となる今回は、「Excel」「PowerPoint」「Outlook」など、「Word」以外の代表的なソフトを取り上げ、それぞれの新機能を紹介する。

 なお、本稿はカスタマープレビュー版をもとにしているため、最終的な製品とは機能・デザインが異なる場合がある。あらかじめご了承いただきたい。

データの視覚化や分析がより簡単になった「Excel 2013」

 「Excel 2013」の特長は、データの視覚化や分析がより簡単になったことだ。“おすすめピボットテーブル”機能では、セルを1つ選択するだけで、ピボットテーブルを簡単に作成可能。セルを選択し、[挿入]リボンの[おすすめピボットテーブル]ボタンを選択すると、必要と思われるデータ範囲が自動選択されて、ポップアップでおすすめのピボットテーブルが複数パターン表示される。最適なパターンを選択することで、新しいシートにピボットテーブルを作成することができる。

「Excel 2013」の“おすすめピボットテーブル”機能を利用するには、セルを選択して[おすすめピボットテーブル]ボタンをクリック 「Excel 2013」の“おすすめピボットテーブル”機能を利用するには、セルを選択して[おすすめピボットテーブル]ボタンをクリック

ポップアップにおすすめのピボットテーブルが複数パターン表示され、選択して作成可能 ポップアップにおすすめのピボットテーブルが複数パターン表示され、選択して作成可能

 “クイック分析”機能では、バーやアイコンを付加して簡単にデータを視覚化することが可能。セルを選択し、右クリックメニューから[クイック分析]項目を選択すると、視覚化のパターンを選択するポップアップが表示される。パターンをマウスオーバーするとプレビューを表示でき、クリックでパターンを選択可能。データの増減を矢印アイコンで表示したり、データの量をバーで表現するといった視覚化で、データをわかりやすく把握できる。

 グラフをすばやく作成できるのが“おすすめグラフ”機能だ。セルを1つ以上選択し、[挿入]リボンの[おすすめグラフ]ボタンを選択すると、複数のおすすめのグラフがポップアップ表示される。棒グラフや折れ線グラフといったパターンから最適なものを選んで作成することが可能。

バーやアイコンによりデータを視覚化できる“クイック分析”機能 バーやアイコンによりデータを視覚化できる“クイック分析”機能

選択した1つのセルにもとづき、おすすめのグラフを複数表示する“おすすめグラフ”機能 選択した1つのセルにもとづき、おすすめのグラフを複数表示する“おすすめグラフ”機能

 また、入力済みデータの書式をもとにデータを補完して自動入力する“フラッシュ フィル”機能も搭載されている。たとえば、“姓+名”といったデータを入力した列の隣へ“姓”のみを入力すると、入力パターンを認識して以降のセルを自動入力することができる。入力するデータが英数字の場合は、2番目のセルを入力した際に表示されるサジェストから選択して自動入力可能。日本語の場合はサジェストは表示されないが、入力したセルを選択し、[データ]リボンの[フラッシュ フィル]ボタンを選択して、以降を自動入力できる。

入力パターンを認識し、データを補完して自動入力する“フラッシュ フィル”機能 入力パターンを認識し、データを補完して自動入力する“フラッシュ フィル”機能

[データ]リボンの[フラッシュ フィル]ボタンから、“フラッシュ フィル”を利用することも可能 [データ]リボンの[フラッシュ フィル]ボタンから、“フラッシュ フィル”を利用することも可能

強化された“発表者ツール”が特長の「PowerPoint 2013」

 「PowerPoint 2013」では、マルチモニターによるスライドショーの実行がより簡便になっている。PCにプロジェクターなどを接続して出力すると、既定の設定でプロジェクターにはスライドショー、PCには“発表者ツール”を表示するようになった。また、“発表者ツール”も強化され、表示中のスライドのほか、メモなどを記入できる“ノート”や次のスライドが表示されるようになっている。また、プロジェクターなどを接続していないシングルモニターのときでも、“発表者ツール”を表示可能だ。さらに、“発表者ツール”の左下にあるメニューでさまざまな操作ができ、左から3番目の拡大鏡ボタンを選択すると、グラフや表などのスライドの一部を拡大表示することができる。

「PowerPoint 2013」の“発表者ツール”画面 「PowerPoint 2013」の“発表者ツール”画面

拡大鏡ボタンをクリックし、スライドの一部を選択して拡大表示が可能 拡大鏡ボタンをクリックし、スライドの一部を選択して拡大表示が可能

起動画面のテンプレートを選択して、好みのデザインのスライドを作成可能 起動画面のテンプレートを選択して、好みのデザインのスライドを作成可能

 スライドを美しく仕上げられるようになったことも注目点だ。前編でも紹介したように、起動画面にはオンライン上のテンプレートが一覧表示され、さまざまなデザインのテンプレートを選択してスライドを作成できる。一部のテンプレートにはカラーバリエーションも用意されており、好みの配色を選択可能。また、スライド内に挿入した画像の位置をドラッグで調整しようとすると、“配置ガイド”と呼ばれる補助線が表示され、画像とほかのコンテンツの高さや中心などを合わせて整然と配置することができる。

一部のテンプレートでは、カラーバリエーションも選択できる 一部のテンプレートでは、カラーバリエーションも選択できる

“配置ガイド”が表示され、ほかのコンテンツと高さや中心を合わせて画像を配置可能 “配置ガイド”が表示され、ほかのコンテンツと高さや中心を合わせて画像を配置可能

「Outlook 2013」は“Exchange ActiveSync”をサポート

 「Outlook 2013」では、同期プロトコル“Exchange ActiveSync”がサポートされたことがポイント。Windows Liveメールなどの“Exchange ActiveSync”に対応するメールアドレスを設定することで、メールやカレンダー、連絡先をオンライン上のデータと同期することが可能。メールアドレスを設定する際には、セットアップウィザードで[手動設定]を選択し、次の画面で[Exchange ActiveSync]を選択しよう。たとえば、Windows Liveメール(Hotmail)のアドレスを設定する場合、“メールサーバー”は“m.hotmail.com”を入力して設定を進める。

「Outlook 2013」では、“Exchange ActiveSync”がサポートされ、メールやカレンダーをオンライン上のデータと同期可能 「Outlook 2013」では、“Exchange ActiveSync”がサポートされ、メールやカレンダーをオンライン上のデータと同期可能

“Exchange ActiveSync”に対応したメールアドレスを設定する場合は、手動設定で[Exchange ActiveSync]を選択する “Exchange ActiveSync”に対応したメールアドレスを設定する場合は、手動設定で[Exchange ActiveSync]を選択する

 また、“ナビゲーション ウィンドウ”の代替として新たに搭載された“ナビゲーションバー”を使うと、メールの受信トレイ画面を開いているときにカレンダーの予定や連絡先をすばやく確認できる。画面の左下に表示される“ナビゲーションバー”の[予定表][連絡先][タスク]にマウスオーバーすると、ポップアップで予定や連絡先、タスクなどを確認可能。ポップアップでは、カレンダーの日付を選択したり、連絡先を検索することもできる。

 カレンダー画面の上部には天気予報が表示されるようになり、設定した地域の今日の天気と最低・最高気温を確認できるほか、“MSN”のWebサイトにアクセスして天気予報の詳細を確認することが可能。そのほか、「Outlook 2010」ではアドオンを用いることで閲覧できた、連絡先の友達のFacebookやLinkedInでの更新情報がデフォルトで閲覧可能になっている。

“ナビゲーションバー”にマウスオーバーすると、カレンダーや連絡先をポップアップでプレビュー表示できる “ナビゲーションバー”にマウスオーバーすると、カレンダーや連絡先をポップアップでプレビュー表示できる

設定した地域の天気予報をカレンダー上部に表示可能 設定した地域の天気予報をカレンダー上部に表示可能

そのほか「OneNote」などが同梱され、「Visio」は単体でプレビュー公開

 「Microsoft Office カスタマー プレビュー」には、デジタルノートソフト「OneNote」も含まれている。「OneNote」は、Microsoftのオンラインストレージサービス“SkyDrive”を介してデータを同期できるノートソフトで、2011年にはiPhone、iPad、Windows Phone向けクライアントが、2012年にはAndroid向けクライアントがリリースされ、スマートフォン・タブレットとPCで同じノートを管理することが可能となっている。また、「Windows 8」専用のWindowsストアアプリ「OneNote MX」もプレビュー版が公開されており、“Windows ストア”から無償でダウンロード可能。

 そのほか、データベースソフト「Access」、印刷物作成ソフト「Publisher」も同梱。フローチャートや設計図などを作成できる「Visio」などの製品は同梱されていないが、単体でプレビュー版が公開されており、テスター登録をすることでインストール可能だ。

デジタルノートソフト「OneNote 2013」も同梱されている デジタルノートソフト「OneNote 2013」も同梱されている

Windows 8向けの“Metroスタイル”アプリ「OneNote MX」の参考画像 Windows 8向けの“Metroスタイル”アプリ「OneNote MX」の参考画像

おわりに

 2回にわたって次世代の「Office 2013」を紹介してきたが、いかがだっただろうか。一番の変更点は、文書のデフォルトの保存先が“SkyDrive”になったことだろう。“ローミング”機能など、クラウドと連携して複数端末で作業することに主眼が置かれていると感じる。また、“Metro スタイル”のデザインや“タッチモード”の搭載といった“Windows 8”対応にも注目だ。「Word 2013」や「PowerPoint 2013」では、見栄えのよい文書やスライドを簡単に作成したり、プレゼンテーションを円滑に進められるように強化されており、“魅せる”ツールとしても期待できるのではないだろうか。