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統合セキュリティ対策ソフト「ALYac Internet Security Free」詳細レビュー

無償ながらデュアルエンジンを搭載し、日本語サポートも受けられる

(12/04/19)

「ALYac Internet Security Free」 「ALYac Internet Security Free」

 3月13日に公開されたESTsoft Japan(株)製の統合セキュリティ対策ソフト「ALYac Internet Security Free」は、無償でありながら2つのマルウェア検索エンジンを搭載し、リアルタイム検知機能や振る舞い検知機能、ファイヤーウォール機能、ファイル・フォルダの個別スキャン機能など十分な機能を備えている。また、無償のセキュリティ対策ソフトとしては珍しく、日本語のメールによるサポートを受けることも可能だ。本特集では「ALYac Internet Security Free」の機能を紹介しつつ、使い方を解説する。

デュアルエンジンとスマートスキャンで確実・軽快なマルウェアスキャン

マルウェアのスキャンダイアログ マルウェアのスキャンダイアログ

 「ALYac Internet Security Free」は、マルウェア検索エンジンとして多くのセキュリティ製品に採用されている“BitDefender”エンジンと、ESTsoftが独自に開発した“Tera”エンジンを採用している。同社によるとTeraエンジンは欧米中心のBitDefenderエンジンではカバーしきれないアジア圏で発生したマルウェアに特化しているほか、BitDefenderエンジンも誤検知を低減するため同社によるカスタマイズが施されているという。2つのエンジンを搭載しながら動作が軽快なのもうれしい。

 さらに、独自の“スマートスキャン”テクノロジーを搭載しており、マルウェアスキャンを行うたびに安全とみなしたファイルをホワイトリストへ追加することで、次回から無駄のないマルウェアスキャンが可能。同社によるとスマートスキャンテクノロジーによりパソコンのリソース消費を従来のセキュリティソフトと比較して、10〜30%抑制できるという。

「ALYac Internet Security Free」自体の改変を防ぐ機能や、設定をロックする機能を備える 「ALYac Internet Security Free」自体の改変を防ぐ機能や、設定をロックする機能を備える

 また、マルウェアによって「ALYac Internet Security Free」自体が改変されることを防ぐ機能や、パスワードで設定をロックする機能を備える。

3種類のスキャン方法を備え、場面に応じたスキャンが可能

3種類のスキャン方法を選択可能 3種類のスキャン方法を選択可能

 手動でのマルウェアスキャンは“クイックスキャン”“基本スキャン”“精密スキャン”の3種類が用意されており、クイックスキャンでは実行中のプロセスと関連するファイル、重要なシステム領域などをすばやくスキャンする。また、基本スキャンではシステムの主要領域と感染経路としてよく使われるフォルダなどをスキャンし、精密スキャンでは、指定したフォルダまたはすべてのドライブをスキャンする。

 基本スキャンの際は、オプションダイアログの“スキャン一般”画面で特定のフォルダを指定し、より詳細に検索するように設定することが可能。また、振る舞い検知機能は標準でOFFになっているため、より安全な保護が必要な場合は“スキャン一般”画面の“ヒューリスティックスキャン機能使用”チェックボックスをONにしておくとよいだろう。

 スケジュールスキャンは、1週間・1カ月ごとといった指定のほか、指定した日数ごとにスキャンを行える。また、スキャン方法として上記3種類のスキャン方法に加え、自動で最適なスキャン方法を選んでスキャンする“推奨スキャン”を選ぶことが可能。

“スキャン一般”画面 “スキャン一般”画面

スケジュールスキャンの設定画面 スケジュールスキャンの設定画面

誤検知の報告機能も

マルウェアを検知した際のポップアップ マルウェアを検知した際のポップアップ

 マルウェアを検知・駆除した際は、“検疫所”と呼ばれる領域に隔離され、“検疫所”画面から駆除されたマルウェアを一覧できる。また、駆除したファイルが誤検知と思われる場合はファイルを元の場所へ復元することも可能。さらに、誤検知されたファイルをESTsoftの“緊急対応センター”へ送って報告する機能も備える。

“検疫所”画面 “検疫所”画面

誤検知などの報告ダイアログ 誤検知などの報告ダイアログ

“圧縮ファイル”画面 “圧縮ファイル”画面

 そのほか、標準では圧縮ファイル内のファイルはスキャンしない設定になっている。圧縮ファイル内スキャンが必要な場合は、オプションダイアログの“圧縮ファイル”画面で“スキャン機能で圧縮ファイル内をスキャン”チェックボックスをONにすればよい。

PoD防護機能も備えたファイヤーウォール機能

ファイヤーウォールの設定画面 ファイヤーウォールの設定画面

 ファイヤーウォール機能は標準で無効化されているので、メイン画面から有効化しておこう。ファイヤーウォール機能では、許可されたソフト以外のデータの送受信をブロックでき、許可されていないソフトがデータを送受信しようとした際にポップアップで通知可能。もちろん、ポップアップからデータの送受信を許可することもできる。

 さらに、悪意のある“pingパケット”による攻撃“ping of death(PoD)”を防ぐ機能も備える。なお、データ送信のブロックやPoD防護機能はファイヤーウォール機能を有効化してもOFFになっているので、必要に応じてオプションダイアログの“ネットワーク(ファイアウォール)”画面でONにしておこう。

 また、“ネットワーク(ファイアウォール)”画面から開ける“ファイアウォールポリシー”ダイアログではより詳細な接続ルールを指定可能。“ファイアウォールポリシー”ダイアログの[プログラム規則]タブでは任意のソフトの通信を許可できるほか、[一般ルール]タブでは任意のIPアドレスやポートを指定して通信を許可、またはブロックするように指定できる。

“ファイアウォールポリシー”ダイアログの[プログラム規則]タブ “ファイアウォールポリシー”ダイアログの[プログラム規則]タブ

“ファイアウォールポリシー”ダイアログの[一般ルール]タブ “ファイアウォールポリシー”ダイアログの[一般ルール]タブ

基本機能以外も便利な機能を備える

 そのほか、画面のロック、hostsファイルの変更、ターミナルサービスやリモートデスクトップの有効・無効といったシステムの設定を検証し、危険がないかを調査する“脆弱性確認”機能も備える。また、適用されていないWindowsの更新プログラムを調査し、本ソフト上から適用することも可能。

“脆弱性確認”機能 “脆弱性確認”機能 “脆弱性確認”機能

完全削除機能 完全削除機能

 さらに、指定したファイルを復元できないように完全削除する機能も備える。

広告が非表示の有償版も

パターンファイル更新後のポップアップ パターンファイル更新後のポップアップ

 本ソフトは、メイン画面の下部やパターンファイル更新後のポップアップに広告が表示されるが、ほかの広告つきソフトに比べると控えめな印象だ。また、機能的にもウイルス・スパイウェア対策だけでなく、ファイヤーウォール機能を備えるなど必要な機能が一通り揃っているため、ファイヤーウォールソフトなどを別途用意する必要もない。なお、広告が表示されず、一時ファイルの削除やレジストリのクリーンアップ機能を追加した有償版「ALYac Internet Security Pro」も年間ライセンスが3,480円(税込み)などで販売されている。


(長谷川 正太郎)