特別企画

新「Windows Live Essentials」ベータ版を試す 第2回

GB単位の写真も楽々送信、Webとスケジュール同期も可能な「Windows Live メール」

(10/06/29)

 「Windows Live Essentials」ベータ版に同梱されるソフトを紹介する本企画。第2回となる今回は、着実な進化を遂げる「Windows Live メール」を取り上げる。

「Windows Live メール」とは?

「Windows Live メール」2010 (Build 15.3.2804.0607)「Windows Live メール」2010 (Build 15.3.2804.0607)

 「Windows Live メール」(以下、「メール」)は、「Outlook Express」やWindows Vista標準搭載の「Windows メール」の後継と位置付けられている3ペイン型のメールソフト。Windows 7ではメールソフトが標準添付されていないので、ローカルPC上でメールを扱うには本ソフトやほかのメールソフトをインストールする必要がある。

 メールソフトとしての作りはオーソドックスだが、RSSリーダー機能やニュースグループへのアクセス機能なども備えており、Webで配信されるさまざまな情報の一元管理ツールとしての性格も備えている。

 また、“Windows Live”の各種サービスやソフトとの連携機能が特長で、Webメールサービス“Hotmail”のメールアカウントを簡単にセットアップできるほか、“Windows Live カレンダー”とスケジュール機能を同期したり、アドレス帳を管理・利用することもできる。

 “Hotmail”などのWebブラウザーでどこからでも利用できるメールサービスは確かに便利だが、Windowsの[送る]メニューから利用できたり、ファイルをドラッグ&ドロップで添付できるといった操作性、ほかのソフトとの連携、メールをオフライン状態で作成・閲覧する用途などには、ローカルPCで動作するメールソフトにまだまだ分がある。

どこが変わった?

一新されたユーザーインターフェイス

 まず目につくのは、「Microsoft Office」やWindows 7同梱の「ペイント」「ワードパッド」でもお馴染みの“リボン”を採用したユーザーインターフェイスだろう。

「Microsoft Office」やWindows 7同梱の「ペイント」「ワードパッド」でもお馴染みの“リボン”を採用「Microsoft Office」やWindows 7同梱の「ペイント」「ワードパッド」でもお馴染みの“リボン”を採用

 “リボン”は未だに拒否反応を示すユーザーが少なくないが、大きなアイコンで機能をわかりやすく表現できる点、状況によって表示が柔軟に切り替わり、限られた画面を有効活用して必要なときに必要な機能へアクセスできる点、これまで深い階層に隠れていた機能へもアクセスしやすい点など、従来のユーザーインターフェイスよりも優れている部分は多い。

 また、リボンのタブをダブルクリックすれば、タブのみを表示してボタン類はマウスオーバーさせたときだけ表示可能。画面解像度の低いネットブックなどでは非常に効果的だ。実際、以前の「メール」ではシステムの必要条件として“1,024×768以上”の解像度が要求されていたが、“リボン”を採用した新しい「メール」ではその条件が“1,024×576”へと緩和されている。

 画面レイアウトのカスタマイズも行いやすくなった。リボンの[表示]タブを開けば、わかりやすいアイコンつきのボタンで画面レイアウトを直感的にカスタマイズできるので、より自分の用途に合った画面レイアウトを探してみよう。

画面レイアウトのカスタマイズも行いやすくなった(低解像度での利用を考慮したカスタマイズ例)画面レイアウトのカスタマイズも行いやすくなった(低解像度での利用を考慮したカスタマイズ例)

 そのほか、画面右端にカレンダービューが追加されたほか、メールリスト画面ではメールのやり取りや似たようなメールをひとまとめにする“スレッド表示”機能が追加された。

画面右端にカレンダービューが追加画面右端にカレンダービューが追加

メールのやり取りや似たようなメールをひとまとめにする“スレッド表示”機能メールのやり取りや似たようなメールをひとまとめにする“スレッド表示”機能

“Windows Live”サービスとの親和性がさらに向上

 機能面での変更点としては、“Windows Live”の各サービスとの親和性が格段に向上したことが挙げられる。

 たとえば“カレンダー”機能では、別ユーザーの共有カレンダーを登録できるようになった。これにより、グループでのスケジュール共有が容易になる。

 また、“アドレス帳”機能では、アドレスデータとして「Windows Live Messenger」のコンタクトリストに加え、“Windows Live”と接続したほかのSNSの友達リストも統合されるようになった。

“カレンダー”機能。別ユーザーの共有カレンダーを登録可能に“カレンダー”機能。別ユーザーの共有カレンダーを登録可能に

“アドレス帳”画面“アドレス帳”画面

 さらに、新しい「メール」では“フォトメール”を作成できる。これは、オンラインストレージと連携して最大10GBの写真をメールで共有できるという機能だ。この機能については、次節で実際の利用手順を紹介する。

使ってみよう ―― GB単位の写真も楽々共有!

 最近はデジカメも携帯電話のカメラも画素数が著しく向上し、写真1枚でファイルサイズが数MBに及ぶことも珍しくない。そうなると問題になるのが、メールでの写真のやり取りだ。

 たとえば、“Gmail”では1通のメールにつき20MBまでのファイルを添付できる。しかし、それでも高画質の写真ならば10枚も添付できない。しかし、「メール」の“フォトメール”機能を利用すれば、10GBまでの写真を簡単にメールで共有できる。

 利用するには、まずリボンの[ホーム]タブにある[フォトメール]ボタンをクリックする。すると、メールの新規作成画面とともにファイルを選択するダイアログが現れるので、メールに添付したい写真を選択しよう。すると、メールの新規作成画面へ“フォトアルバム”が挿入される。

 “フォトアルバム”は名前をつけたり、デザインをテンプレートから選択可能。テンプレートには写真をタイル状に敷き詰めたデザインや、無造作に散りばめたデザインなどが用意されており、なかなか見栄えのよいメールが簡単に作成できるようになっている。

テンプレートで見栄えのよいメールが簡単に作成可能テンプレートで見栄えのよいメールが簡単に作成可能テンプレートで見栄えのよいメールが簡単に作成可能

 あとは、宛先を指定したりメールへ追加のテキストを書き込んで、[送信]ボタンを押せばよい。“フォトメール”は一般的なHTMLメールと同じなので、HTMLメールに対応している環境ならば問題なく閲覧できる。

 メールへ追加した写真は一度“SkyDrive”へアップロードされ、期限つきでアクセス可能な“フォトアルバム”として公開される仕組みになっており、メールを受信したユーザーは、送られてきたメールから“SkyDrive”上の“フォトアルバム”へWebブラウザーでアクセスして、スライドショーを楽しんだり、ZIP形式で“フォトアルバム”を丸ごと圧縮してダウンロードできる。なお、現在のところアクセス期限はメール作成日より90日間になっているようだ。

“Gmail”で“フォトメール”を受信した様子“Gmail”で“フォトメール”を受信した様子

“SkyDrive”上の“フォトアルバム”へWebブラウザーでアクセスしてスライドショーを楽しんだり、ZIP形式で“フォトアルバム”を丸ごと圧縮してダウンロードできる“SkyDrive”上の“フォトアルバム”へWebブラウザーでアクセスしてスライドショーを楽しんだり、ZIP形式で“フォトアルバム”を丸ごと圧縮してダウンロードできる

 送信するユーザーは、オンラインストレージへのアップロード作業や権限・閲覧期限の設定などの煩わしい作業を意識せず、簡単にGB単位の写真をメールで共有できる。これならば、PCの操作に慣れないユーザーでも、ファイルサイズを気にすることなく写真をメールでやり取りできるというわけだ。

【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows Vista/Server 2008/7/Vista x64/Server 2008 x64/7 x64
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2010 (Build 15.3.2804.0607)(10/06/25)

(柳 英俊)