特別企画

「eBoostr 4」で手軽にPCを高速化!

余ったストレージに“キャッシュ”を構築してアプリ起動やデータ読み込みを高速化

(10/04/22)

「eBoostr 4 Professional」 「eBoostr 4 Professional」

 22日に体験版が公開された「eBoostr 4 Professional」は、USBメモリやSDメモリカード、外付けHDDなど、余ったストレージを“キャッシュ”領域として活用し、PC全体の反応速度を向上させるソフト。

 設定ウィザードに従っていくだけで、PC上のデバイスをチェックして自動でキャッシュ領域の設定を行ってくれるので、細かい設定はよくわからないといった初心者でも手軽に安心して利用できるのがうれしい。もちろん、上級者向けの機能やツールも充実している。本特集では、「eBoostr 4 Professional」の基本的な仕組みと機能を紹介しながら、その魅力に迫る。

「eBoostr」の仕組み − “SuperFetch”+“ReadyBoost”+α=「eBoostr」

 まず最初に、本ソフトの肝となる“キャッシュ”技術について説明しよう。“キャッシュ”とは、頻繁にアクセスするデータを転送速度の高いデバイス上へあらかじめ用意して、見かけ上の読み込み速度を高速化する技術のことだ。

 たとえば、メインメモリは高速だが高価、HDDは安価だが低速だ。この場合、あまりアクセスしないデータはHDDへ残しておき、頻繁に利用するシステムファイルやデータはメインメモリへコピーしておく。頻繁に利用するデータというものは案外少ないので、平均的なデータアクセスの時間を大幅に短縮することができるというわけだ。キャッシュ技術はディスクアクセスだけでなく、CPUをはじめとするハードウェアやインターネットの通信技術など、PCのあらゆるところで利用されている。

 Windows Vista以降では、“SuperFetch”“ReadyBoost”といったキャッシュ機能が標準で搭載されている。“SuperFetch”とは、ユーザーのPCの利用パターンにもとづき、頻繁に使用するファイルやアプリケーションをあらかじめメモリに読み込んでおく機能。一方“ReadyBoost”は、PCに接続された外付け型の記憶装置を利用して“SuperFetch”を実現する技術だ。

 たとえば、省電力モードで利用しているノートPCでは、こまめにHDDがスリープする。そんな場合、いざHDDからデータを読み込もうとしても、ディスクの回転が始まって(スピンアップ)実際にデータが読み取れるまで、タイムラグが発生してしまう。しかし、“SuperFetch”“ReadyBoost”であらかじめデータをメモリ上へ読み込んでおけば、HDDからではなくメモリからデータを取得すればいいので、スピンアップによるタイムラグを回避できる。

 本ソフトは、“SuperFetch”“ReadyBoost”によく似た機能を備える。これらの機能を備えないWindows XPで有用なのはもちろん、ディスクアクセスの負荷を分散させるロードバランサー機能が独自設計になっており、OS標準の“SuperFetch”“ReadyBoost”よりも性能・機能の点で優れるので、Windows Vista/7などの最新OSでも有効だ。

OSやWebブラウザーの起動時間のグラフ(本ソフト公式サイトより引用) OSやWebブラウザーの起動時間のグラフ(本ソフト公式サイトより引用)

実際に利用してみよう!

 利用するには、まずキャッシュ領域として利用するデバイスを追加しよう。本ソフトはタスクトレイ常駐型となっているので、タスクトレイアイコンをダブルクリックしてメイン画面を表示する。次に、[編集]−[デバイスの追加]メニューを選択し、“デバイスの設定”ダイアログを表示する。ダイアログには自動で利用可能なデバイスがリストアップされるので、利用したいデバイスを選択して、“このデバイスをキャッシュに使用する”というチェックをONにすればよい。なお、本ソフトでキャッシュ領域として利用できるのは、以下のデバイスとなっている。

フラッシュメモリ(USBメモリやSDカードなど)

フラッシュメモリ フラッシュメモリ

 最近、価格低下が著しいフラッシュメモリ。買い換え時に余らせている人も多いのではないだろうか。そんなときは、とりあえず本ソフトのキャッシュ領域として利用してみよう。

 本ソフトではランダムリード2.5MB/sec以上で256MB以上の空き容量をもつものを利用できる。複数のフラッシュメモリをキャッシュ領域として利用できるので、“ReadyBoost”機能をもたないWindows XPだけでなく、“ReadyBoost”用として利用できるフラッシュメモリが1つに限られているWindows Vistaでも有用だ。

HDD

HDD HDD

 HDDのランダムリードの速度は、一般的にフラッシュメモリよりも劣る。しかし、PCに複数のHDDが接続されている場合は、一部をキャッシュ領域として利用することでPCの反応速度を高められる場合がある。

 たとえば、HDDの1つをシステム用、そのほかをデータ格納用などと使い分けている場合、システム用のHDDへアクセスが集中してしまい、PCのパフォーマンスが低下しがちだ。そんな場合は、本ソフトを利用してデータ格納用のHDDへキャッシュを構築すれば、読み込みのアクセスによる負荷を分散できる。

メインメモリ

メインメモリ メインメモリ

 さらに、本ソフトはPC内でもっとも転送速度の高いメインメモリをキャッシュ領域として利用することも可能。

 とくに32bit版Windowsを利用している場合、OSでは約3.2〜3.5GBまでのメインメモリしか管理できず、それ以上のメモリを搭載していても利用することができない。本ソフトでは、そんなメインメモリ上のOS管理外領域をキャッシュ領域として利用できるので、本来のPCの能力をフルに発揮させられる。

 なお、パッケージ販売されている“Standard”版では本機能を利用することができないので注意。

“設定ウィザード”で自動設定すれば楽ちん!

 なお、本ソフトは設定ウィザードを備えており、手順に従うだけで簡単にキャッシュの設定を行うことが可能。ユーザーが手を加えなければならない場面はほとんどないだろう。

設定ウィザードを利用すれば、簡単にキャッシュの設定を行える 設定ウィザードを利用すれば、簡単にキャッシュの設定を行える 設定ウィザードを利用すれば、簡単にキャッシュの設定を行える

そのほかの機能 − キャッシュ機能の効果の可視化、複数デバイスの一括管理

 これまで見てきたように、本ソフトを“SuperFetch”“ReadyBoost”と比べた場合の利点としては、独自の高性能なロードバランサー機能、OS管理外のメモリ領域へもキャッシュを構築できることなどが挙げられる。しかし、ほかにも“SuperFetch”“ReadyBoost”よりも優れた部分は多い。

 たとえば、この手のソフトは機能をONにした場合の恩恵や、実際に効果を発揮しているのかが把握しにくいものだが、本ソフトはそれを知る手段を豊富に用意してくれている。

メイン画面ではパフォーマンスをリアルタイムで視覚的に確認できる

 メイン画面ではパフォーマンスをリアルタイムで視覚的に確認できるほか、設定画面ではデバイスの転送速度を表示したり、それをキャッシュとして利用することによりどれほど効果を得られるかが詳しく説明されているのも親切。さらに、上級ユーザー向けにキャッシュの統計情報を閲覧できるビューワーや、簡易的なベンチマーク機能も搭載している。

キャッシュの統計情報を閲覧できる“キャッシュビューア” キャッシュの統計情報を閲覧できる“キャッシュビューア”

簡易的なベンチマーク機能“スピード測定” 簡易的なベンチマーク機能“スピード測定”

 また、“ReadyBoost”では、デバイスごとにプロパティを開いてキャッシュの設定を行う必要があるが、本ソフトならば一元管理できる。キャッシュ領域のリサイズ・再構築も思いのままだ。

 そのほか、マルチブート環境にも対応しており、1つのフラッシュメモリの中に複数OSのキャッシュ領域を構築することができるのも、本ソフトの独自な機能だ。さらに、上級者向けの機能として、優先的にキャッシュを割り当てるアプリケーションを指定する機能、指定したフォルダやファイルを除外指定する機能も備えている。

優先的にキャッシュを割り当てるアプリケーションを指定する機能や、特定のフォルダ・ファイルをキャッシュから除外する機能も備える 優先的にキャッシュを割り当てるアプリケーションを指定する機能や、特定のフォルダ・ファイルをキャッシュから除外する機能も備える 優先的にキャッシュを割り当てるアプリケーションを指定する機能や、特定のフォルダ・ファイルをキャッシュから除外する機能も備える

 本バージョンからは、キャッシュの暗号化機能を搭載。USBメモリや外付けHDDなどの外部ストレージを利用する場合に心配なのはプライバシーだろう。万が一第三者に盗まれて、中のデータを盗み見られては困る。そのような場合に備えた暗号化機能を備えていなかったのが“ReadyBoost”と本ソフトを比較した場合の欠点であったが、それも克服されている。

最後に

 Windowsの高速化をうたうソフトは多いが、なかには速度向上を体感できないものも多い。そんななか、本ソフトは余ったメモリ・ストレージを活用して、簡単かつ確実に性能向上を見込める。システムの起動から2時間全機能を試用できる体験版も用意されているので、まずは体験版で効果を確認してほしい。

(柳 英俊)