特別企画

USBメモリから起動できる“Chrome OS”「ChromiumOS ZERO」を試す 後編

キーボード配列と日本語IMEの設定をして日本語環境を整えよう

(10/01/15)

「ChromiumOS ZERO」 「ChromiumOS ZERO」

 USBメモリから起動できる“Chromium OS”「ChromiumOS ZERO」を紹介する本特集。前編では、「ChromiumOS ZERO」のOSイメージファイルをUSBメモリへ書き込んで、実際に起動させるところまでの手順を紹介した。

 しかし、このままの状態ではキーボードの設定が英語配列になっており使いにくい上、IMEが利用できず日本語入力が行えない。そこで後編となる今回は、「ChromiumOS ZERO」で日本語入力を利用するための設定方法を紹介する。

ファイルシステムを書き込み可能モードで再マウント

 日本語環境をセットアップするには、設定ファイルの書き換えや必要なファイルの作成といった作業が発生する。しかし、「ChromiumOS ZERO」のルートファイルシステムは読み取り専用モードでマウントされているため、システムファイルが編集できない。そのため、ターミナルから“mount”コマンドを利用して、ルートファイルシステムを書き込み可能モードで再マウントする必要がある。ターミナルは[Ctrl]+[Alt]+[T]キーで起動可能で、終了するには“exit”コマンドを入力する。

sudo mount -o remount,rw /

 “sudo”は管理者としてコマンドを実行するためのコマンド。パスワードの入力を求められたら、“facepunch”と入力して[Enter]キーを押そう。なお、この作業はOSを起動するたびに実行する必要がある。ルートファイルシステムを書き込み可能モードでマウントしてOSを起動する方法については、作者サイトのWikiを参照してほしい。

キーボード配列を日本語対応に

 次に、キーボード配列を日本語配列にしよう。配列を変更しないと一部の文字が入力できない上、押したキーと入力される文字が一部異なるので操作が面倒だ。なお、英語配列のキーボードを利用しているユーザーは、この作業は必要ないので読み飛ばしてもらってかまわない。

 キーボード配列を変更するためには、ターミナルの“vi”コマンドで“/etc/X11/xorg.conf”ファイルを編集する。

sudo mount -o remount,rw /
vi /etc/X11/xorg.conf

“vi”コマンドで“/etc/X11/xorg.conf”ファイルを編集 “vi”コマンドで“/etc/X11/xorg.conf”ファイルを編集

 ファイルのパスを入力する際は、[Tab]キーで入力補完機能を利用するとよい。編集する部分は17行目付近で、“"XKbLayout" "jp"”の行は自分で挿入する。

“/etc/X11/xorg.conf”の内容 “/etc/X11/xorg.conf”の内容

[変更前]
    Option     "XKbModel"   "pc104"
[変更後]
    Option     "XKbModel"   "pc104"
    Option     "XKbLayout"  "jp"

 編集が終わったら、[Esc]キーを押したあとに“ZZ”コマンド([Shift]+[Z]キーを2回入力)でファイルの内容を保存・終了しよう。あとはPCを再起動させれば、キーボード配列が日本語配列に変更される。

MEMO“vi”コマンドの使い方

 ここで“vi”コマンドの利用方法をごくごく簡単に紹介する。“vi”コマンドはほとんどのUNIXで利用できるはずなので、使い方を覚えておくと便利。

 “vi”コマンドには、“コマンドモード”と“編集モード”という2種類の状態がある。“コマンドモード”はカーソルの移動や文字・行の削除、保存・終了などを行うモードで、“編集モード”はキーボードで入力した文字をファイルへ書き込むモードだ。

 初期状態では“コマンドモード”になっており、そこから“編集モード”へ移行するには[A]キー(追記モード)または[I]キー(上書きモード)を入力する。“コマンドモード”へ戻るには[Esc]キーを入力する。自分がどちらのモードを利用しているかわからなくなったときは、とりあえず[Esc]キーを入力して“コマンドモード”へ戻るとよいだろう。

 以下に、最低限覚えておかなければならないコマンドを挙げておくので参考にしてほしい。

キー入力 コマンドの動作
[Esc]キー “編集モード”を終了し、“コマンドモード”へ移行
“a” 追記モードで“編集モード”へ移行
“i” 上書きモードで“編集モード”へ移行
“ZZ” 保存して終了
“:q!” 保存しないで終了
カーソルの移動は“編集モード”でカーソルキーを押せばよいが、一部環境では利用できない。その際は“コマンドモード”で以下のコマンドを入力して行う。
“h” カーソルを左へ移動
“j” カーソルを下へ移動
“k” カーソルを上へ移動
“l” カーソルを右へ移動
文字列の削除は“編集モード”で[BackSpace]キーを押せばよいが、一部環境では利用できない。その際は“コマンドモード”で以下のコマンドを入力して行う。
“x” カーソル位置の文字を削除

 なお、一部の文字は英語配列状態ではキーと入力される文字が一致しないものがある。そのなかで、設定ファイルの編集・コマンドの入力などでよく利用する文字の入力方法を挙げる。

入力する文字 キー入力
“"”(引用符) [Shift]+[*]キー
“|”(パイプ) [Shift]+[}]キー
“@”(アットマーク) [Shift]+[2]キー
“_”(アンダーバー) [Shift]+[-]キー
“=”(等号) [~]キー

日本語IME「Anthy」を起動する

 「ChromeOS ZERO」では日本語IMEとして「iBus-Anthy」を利用できる。「iBus-Anthy」は、ターミナルから“ibus-setup”コマンドを利用してセットアップ可能。

初期状態でそのまま“ibus-setup”コマンドを入力してもエラーが発生する 初期状態でそのまま“ibus-setup”コマンドを入力してもエラーが発生する

 しかし、初期状態でそのまま“ibus-setup”コマンドを入力しても、“/var/lib/dbus/machine-id”ファイルを開くことができないというエラーが発生してしまう。よって、先に“machine-id”ファイルを作成するために、以下のコマンドを入力する必要がある。


sudo mount -o remount,rw /	# 書き込み可能モードで再マウント
sudo chmod a+w /var/lib/dbus	# 書き込み権限を設定
dbus-uuidgen > /var/lib/dbus/machine-id
				# IDを生成して出力

“machine-id”を生成して“/var/lib/dbus/”以下へ保存 “machine-id”を生成して“/var/lib/dbus/”以下へ保存

 次に“ibus-setup”コマンドを入力し、“Ibus has been started!”というダイアログが表示されれば成功だ。[OK]ボタンを押して、IMEの設定を行おう。

 IMEの設定画面では[Input Method]タブを開き、プルダウンメニューから[Japanese]−[Anthy]を選択して[Add]ボタンを押す。これでセットアップは完了だ。IMEは[Ctrl]+スペースキーまたは[半角/全角]キーで起動可能。

“Ibus has been started!”というダイアログが表示されれば成功 “Ibus has been started!”というダイアログが表示されれば成功

IMEの設定ダイアログ IMEの設定ダイアログ

[Input Method]タブを開き、プルダウンメニューから[Japanese]−[Anthy]を追加 [Input Method]タブを開き、プルダウンメニューから[Japanese]−[Anthy]を追加

[Ctrl]+スペースキーまたは[全角/半角]キーで日本語IMEを起動できる [Ctrl]+スペースキーまたは[全角/半角]キーで日本語IMEを起動できる

最後に

 日本語入力もできるようになった「ChromiumOS ZERO」の使い勝手はいかがだろうか。編集部にて数日試用してみたが、Webページの閲覧やWebサービスの利用ならば、この状態でも大きな支障はないように思える。これからも更なる改良が加えられる見込みで、正式公開が楽しみだ。

MEMOホットキーを使いこなして作業効率をアップさせよう

[F8]キーを押せばホットキーのヘルプを参照できる [F8]キーを押せばホットキーのヘルプを参照できる

 “Chromium OS”にはさまざまなホットキーが用意されており、これらを使いこなすことで大幅に作業効率を向上させることができる。ホットキーのキーコンビネーションはWebブラウザー「Google Chrome」とほぼ同じだが、“Chromium OS”独自の機能に対応した特殊なものもある。[F8]キーを押せばヘルプを参照できるので、よく使う機能から順番に覚えていくといよい。

TIPS「VMware Player」でターミナルを表示できない

 「VMware Player」上で「ChromiumOS ZERO」を利用している場合、[Ctrl]+[Alt]キーがWindowsへ制御を戻す機能に割り当てられているため、ターミナルを表示することができない。その場合は、「VMware Player」の設定ファイルを編集して、当該機能のキーコンビネーションを変更する必要がある。Windows Vista/7の場合は、“C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\VMware\preferences.ini”を編集すればよい。たとえば、以下のようにすれば[Ctrl]+[Windows]+[Alt]キーを割り当てることが可能。

.encoding = "Shift_JIS"
pref.hotkey.shift = "false"
pref.hotkey.control = "true"
pref.hotkey.alt = "true"
pref.hotkey.gui = "true"

(柳 英俊)