特別企画

USBメモリから起動できる“Chrome OS”「ChromiumOS ZERO」を試す 前編

「Google Chrome」用の拡張機能も利用可能、Windows環境を破壊せず気軽に試せる

(10/01/14)

「ChromiumOS ZERO」 「ChromiumOS ZERO」

 昨年発表されたGoogle独自開発のオペレーティングシステム「Chrome OS」は、Webブラウザーでネットしかできない、まさにネットに特化した“ネットブック”のためのOSだ。高速な動作に定評のあるWebブラウザー「Google Chrome」を搭載するほか、Webで収集した膨大な語彙を利用できる「Google 日本語入力」が採用されるかもしれないとあっては、期待せずにはいられない。

 窓の杜では、昨年の特別企画“Googleの新OS「Chrome OS」のオープンソース版「Chromium OS」を試す”で、ビルド済みのOSイメージを仮想PCソフト「VMware Player」で利用する方法を紹介した。しかし、やはり実際のPCで利用したいという人も多いのではないだろうか。また、以前紹介したときからバージョンアップを重ねており、新たに利用可能になった機能も少なくない。

 そこで今回は、Hexxeh氏によってビルドされた「Chromium OS」である「ChromiumOS ZERO」を利用して、より新しいバージョンの「Chromium OS」の機能と利用方法を紹介する。

「ChromiumOS ZERO」とは

「ChromiumOS ZERO」はIMG形式のイメージファイルとして配布されており、TAR形式で圧縮されている。ファイルサイズは約950MB 「ChromiumOS ZERO」はIMG形式のイメージファイルとして配布されており、TAR形式で圧縮されている。ファイルサイズは約950MB

 「ChromiumOS ZERO」は、対応するPCならばUSBメモリから起動できるのが特長。PCにインストール済みのWindows環境を破壊せずに、気軽に試すことができるのがうれしい。IMG形式のイメージファイルとして配布されており、作者のWebサイトからダウンロードできる。なお、ファイルサイズは約950MBとなっている。

「Image Writer for Windows」を利用して起動用のUSBメモリを作成

「Image Writer for Windows」v0.2-r23 「Image Writer for Windows」v0.2-r23

 ファイルをダウンロードしたら、オープンソースで開発されているイメージライティングソフト「Image Writer for Windows」を利用して、OSのイメージファイル“ChromeOS-Zero.img”をUSBメモリへ書き込もう。執筆時現在、「Image Writer for Windows」の最新版はv0.2-r23となっており、編集部にてWindows 7で動作を確認した。下記のリンクからダウンロードできる。

 利用方法は簡単で、イメージファイルとUSBメモリのドライブレターを指定して[Write]ボタンを押すだけでよい。一部環境ではうまく動かないようだが、その場合は別のPCで試してみよう。

起動とログイン

ログイン画面 ログイン画面

 作成した起動用のUSBメモリをPCに挿入し、電源ボタンをONにする。編集部でテストに利用した“Eee PC 901”の場合、PC起動時“EeePC”のロゴの表示中に[Esc]キーを押せば、起動デバイスの選択メニューが表示されるので、USBメモリを選択すれば「Chromium OS」が起動する。

 起動すると、次はログイン画面が表示される。ログインにはGmailのアカウントを利用する仕組み。まず、ユーザー名の欄にGmailアドレスの“@”より前の部分を入力し、[Enter]キーまたは[Tab]キーを入力する。ドメイン(“@gmail.com”)は自動補完されるので入力しなくてよい。次に、パスワードの欄へパスワードを入力して[Enter]キーを押せばログインできる。

 なお、PCがインターネットへ接続されていない場合はGmailのアカウントではログインできない。その場合は、ユーザー名に“facepunch”(@gmail.com)、パスワードに“facepunch”と入力すればオフラインでログインが可能。

使ってみよう

起動直後の画面 起動直後の画面

 起動直後は「Google Chrome」のオープンソース版「Chromium」が最大化表示されており、それ以外にはほとんど何もない。操作方法も「Google Chrome」とほぼ共通で、日本語の表示も可能。

 一番左のタブは各種Webサービスを利用するためのランチャー画面になっており、Googleの各種サービスをはじめ、“Hotmail”“Facebook”“Twitter”などのWebサイトへジャンプできる。面白いのは上から3段目に配置されている電卓やToDoなどのアプリケーションで、これらはウィジェットになっており、Webブラウザーの前面へ並べて表示することができる。

一番左のタブは各種Webサービスを利用するためのランチャーになっている 一番左のタブは各種Webサービスを利用するためのランチャーになっている

電卓やToDoなどのウィジェットも用意されている 電卓やToDoなどのウィジェットも用意されている

 さらに、「ChromiumOS ZERO」に搭載されている「Chromium」は拡張機能にも対応しており、ライブラリサイトから直接拡張機能をインストール可能。拡張機能のアンインストールや設定は、“Extension”メニューから開ける管理画面で行う仕組み。

拡張機能にも対応 拡張機能にも対応

“Extension”メニューから拡張機能の管理画面を開ける “Extension”メニューから拡張機能の管理画面を開ける

 なお、「Chromium OS」は基本的にWebブラウザーのみを表示する仕組みになっているが、[Ctrl]+[Alt]+[T]キーでターミナル(Windowsのコマンドプロンプトに相当)を起動できるほか、[F12]キーでタスクの切り替えも可能。複数のWebブラウザーを起動して切り替えながら利用することもできる。

[Ctrl]+[Alt]+[T]キーでターミナルを表示 [Ctrl]+[Alt]+[T]キーでターミナルを表示

[F12]キーでタスクの切り替え [F12]キーでタスクの切り替え

 なお、「Google Chrome」の最新ベータ版に搭載済みのブックマーク同期機能やテーマ機能はまだ利用できないようだ。また、Flashは利用可能だが、一部ページでは正常に表示されないなどまだ完全とは言えないようだ。

後編では日本語入力の設定方法などを紹介

 無事「ChromiumOS Zero」は起動しただろうか? 一通り利用してみたが、動作は意外に軽く、ネットブックという非力なPCでありながらストレスを感じることは少なかった。今年中には正式版の「Chrome OS」をプリインストールしたPCも出荷されると予想されるが、そちらにもかなり期待がもてるのではないだろうか。

 ただし、今の状態ではキーボード配列が英語配列になっており使いにくい上、IMEが利用できず日本語入力が行えない。そこで後編では、「ChromiumOS Zero」で日本語入力を利用するための設定方法を紹介するので期待してほしい。

MEMO仮想PCでの利用

 なお、PCによっては「ChromiumOS ZERO」が対応しておらず、起動できないことがある。そんな場合は基本的にあきらめるしかないが、どうしても試してみたい場合には仮想PCで利用するという手もある。

 編集部で確認したところ、仮想ディスクのイメージファイルのフォーマットを変換できるソフト「StarWind (V2V) Converter」を利用して“ChromeOS-Zero.img”をVDI形式に変換すれば、「VMware Player」で利用できることを確認した。具体的な手順は、前回の特別企画で紹介したものとほぼ同じなので、そちらを参考にしてほしい。

窓の杜 - 【REVIEW】仮想ディスクフォーマットをVMDK/VHD/IMGへ相互変換「StarWind (V2V) Converter」
http://www.forest.impress.co.jp/docs/review/20091218_336549.html
窓の杜 - 【特別企画】Googleの新OS「Chrome OS」のオープンソース版「Chromium OS」を試す
http://www.forest.impress.co.jp/docs/special/20091120_330552.html

 動作速度は非常に遅く、ときにフリーズすることもあるものの、一通りの機能はネットブックと同様に利用できることを確認した。なお、「Virtual PC」および「Sun VirtualBox」でも試してみたが、正常に起動できなかった。

(柳 英俊)