特集

地球と仲良くするフリーソフト活用術

環境問題を考え、CO2排出量などを少しでも減らそう

(09/08/27)

 地球温暖化対策や環境保護が叫ばれる昨今、家電製品をエコ家電に買い換えたり、エコバッグを持ち歩いたりして、エコロジーを意識した生活を実践している読者も多いだろう。しかし、ことパソコンに関しては環境に配慮して使うことは少ないのではないだろうか。

 本特集ではパソコンを利用しつつ、少しでも地球と仲良くするためのフリーソフトを集めてみた。環境問題を考え、少しでもエコなパソコンライフを実践するきっかけになれば幸いだ。

まずは地球と自分の周りで何が起きているかを知ろう

 エコライフにおいて何よりも大切なことは、実践し続けること。たとえば、年間1kgのCO2を削減できる行動も三日坊主で終わってしまえば何の意味もない。三日坊主で終わらせないために、地球と自分の身の回りで起こっていることを学び、しっかりとした目的意識をもとう。

「Google Earth」の“レイヤ”で環境問題を知る

[北極海氷]レイヤ [北極海氷]レイヤ

[UNEP: 変わりゆく環境地図]レイヤ [UNEP: 変わりゆく環境地図]レイヤ

 地球規模で起こっている環境問題を知るには、3D地図ソフト「Google Earth」を使おう。用意されているさまざまな“レイヤ”のなかには、環境問題を取り上げたものが多数存在する。環境問題を取り上げた“レイヤ”は解説文が英語のものがほとんどだが、用意されたグラフィックを見るだけでも問題の深刻さがわかるだろう。

 たとえば、[海]−[海の現状]−[北極海氷]レイヤをONにすると、1979年から2008年までの北極海氷の範囲をアニメーションで見ることが可能。アニメーションにすることで、海氷が増減を繰り返しながら徐々に範囲を狭めていく様子が、直感的にわかるようになっている。

 また、[グローバル アウェアネス]−[UNEP: 変わりゆく環境地図]レイヤでは、世界各地の劇的に変化した環境を過去と現在の衛星写真で比較することが可能。たとえば、諫早湾の干拓事業やブラジルの森林開発、崩壊した南極のラーセン棚氷といった場所の様子を見ることができる。

 そのほか、海や陸の絶滅危惧種を学べる[ARKive: 海の絶滅危惧種][ARKive: 絶滅に瀕した生物]レイヤ、美しい地球の写真とともに地球の環境問題を日本語で提起してくれる[空から見た地球 - GoodPlanet]レイヤなどが用意されている。

[ARKive: 海の絶滅危惧種]レイヤ [ARKive: 海の絶滅危惧種]レイヤ

[空から見た地球 - GoodPlanet]レイヤ [空から見た地球 - GoodPlanet]レイヤ

二酸化炭素問題を「Planet Planter」のクイズで学ぶ

 環境問題のうち、現在最も話題となっている二酸化炭素の問題は、知っているようで知らないことも多く、誤解から二酸化炭素を増やす方向の行動をとってしまうことも多い。細かくても正しい知識を身につけておきたい。

 二酸化炭素に関連する検定試験“CO2検定”を受けるとダウンロードできるデスクトップマスコット「Planet Planter」は、“CO2検定”の問題を1日1問出題する機能を備えている。解答後には解説も表示されるため、二酸化炭素問題の知識を深めるのに役立つだろう。

「Planet Planter」 「Planet Planter」

解答後には解説も表示される 解答後には解説も表示される

「エネカルク」で電気料金を計算してエネルギー消費量の目安を知る

「エネカルク」 「エネカルク」

 生活のなかで排出される二酸化炭素の量を把握するのは難しいが、大まかな増減を知るには電気料金が目安になる。電気料金を節約することはエネルギーの消費量と二酸化炭素の排出量を削減することにつながるだろう。

 消費電力と使用時間・頻度を入力して月・年単位といった期間あたりの電気料金を計算できる「エネカルク」を使えば、家電製品の電源をOFFにしておくことで節約できる電気料金を簡単に計算可能。たとえば、週3回1時間エアコンをONにする時間を遅らせると、1カ月でいくらの節約になるかといった計算が簡単にできる。具体的に節約できる金額を知ることで、毎日の小さな節約行動のモチベーションを上げることができるだろう。

パソコンをOFFにしたことで削減できた二酸化炭素排出量を知る「Power To Change」

「Power To Change」 「Power To Change」

 パソコンが高性能化するに従ってその消費電力は増加傾向にある上、パソコンの普及率が増え続けているため、パソコンによって排出される二酸化炭素の量は無視できないレベルに達している。しかし、パソコンのない生活はもはや考えられない。せめて、使用していない間はパソコンの電源を切っておきたいが、そのちょっとした手間が面倒でついついつけっぱなしになってしまう。

 そんな場合は、パソコンの電源をOFFにすることで節約できた二酸化炭素の排出量を表示できる「Power To Change」を使ってみよう。パソコンをOFFにしたおかげで削減された無駄な二酸化炭素の排出量をkg単位や車に換算して表示したり、節約したエネルギー量を表示することが可能。また、本ソフトをインストールしている全世界のパソコンの結果を合計した値も表示できるため、小さな努力が大きな結果を生んでいることを実感でき、パソコンの電源を切るモチベーションを高めてくれる。

Webページを印刷する際の一工夫で限りある資源を節約しよう

 パソコンを使っていて無駄を感じることが多いのは、プリンターでWebページを印刷するときではないだろうか。デジカメ写真などを印刷する際は、当然高い品質が求められるが、Web上で公開されている料理のレシピを印刷したいときや、目的地までの地図を表示したオンライン地図サービスを印刷したいときなど、とりあえず読めればよいという状況は多い。

 また、Webページをそのまま印刷すると、ページ末の数行のために1枚の用紙を使ってしまったり、不要な画像を印刷してインクを無意味に消費してしまうこともある。限りある資源を節約するため、フリーソフトを使って紙やインクの無駄な消費を防ごう。

「なんでもエコ印刷 フリー版」でプリンターのインクを節約

「なんでもエコ印刷 フリー版」 「なんでもエコ印刷 フリー版」

 プリンターのインクを節約したいときは、「なんでもエコ印刷 フリー版」を使おう。本ソフトを使えば、印刷時の濃度を薄くすることで、インクを最大50%節約することができる。

 本ソフトは、仮想プリンターとして動作する仕組みのため、Webページを印刷する際だけでなく、たとえばテキストエディターでテキストファイルを印刷する際などにも利用できる。もちろん、インクの節約を無効にして通常と同じ印刷を行うことも可能なほか、指定ページや選択範囲のみ印刷濃度を薄くすることもできる。

 編集部にて試用したところ、インクの節約度合いを最大の50%に設定した場合でも、通常の文字などは十分判読できた。重要な書類などを印刷する際は節約を無効にして、料理のレシピなどそのとき読めれば十分という場合は、インクを節約して印刷するとよいだろう。

 ただし、本ソフトはWindows 2000/XP専用となっており、Windows Vistaなどの環境にはインストールできないので注意。

「GreenPrint World」で印刷用紙を節約

「GreenPrint World」 「GreenPrint World」

 印刷用紙の節約には「GreenPrint World」がお勧め。本ソフトを使えば、Webページなどを印刷する際に、空白ページや余白の多いページを自動で検出して、印刷対象から除外してくれる。

 本ソフトは、「なんでもエコ印刷 フリー版」と同様に仮想プリンターとして動作する仕組み。各アプリケーションでの印刷時にプリンターとして“GreenPrint”を選択すると、本ソフトの印刷プレビュー画面が表示され、空白ページや余白の多いページを自動的に検出し、当該ページを赤く表示してくれる。

 また、プレビューを見ながら不必要なページを手動で印刷対象から除外することも可能なほか、特定のページ上にある画像を印刷しないなどの指定も可能。印刷するページを指定したあとは、画面左上にあるプルダウンメニューから普段利用しているプリンターを選択し、プリンターの形をしたボタンを押せば実際に印刷できる。

Webページ印刷専用ブラウザー「WPEndia」を使って必要な範囲だけを印刷

「WPEndia」 「WPEndia」

 「WPEndia」は、Webページの印刷機能に特化したIEベースのWebブラウザー。本ソフトを使えば、Webページの幅が用紙の幅にちょうど合うように印刷したり、Webページ全体が用紙1枚に収まるよう縦を縮小して印刷することが可能。

 また、スクロールが必要な縦長のWebページのうち、画面に表示している領域のみを印刷したり、Webページ上で必要な領域だけをマウスで範囲選択して印刷するといった操作も行える。

 さらに、どの印刷方法の場合でも、用紙に印刷する代わりにPNG形式の画像として保存しておくことが可能。閲覧中のWebページをむやみやたらと印刷するのではなく、まずは画像ファイルとして保存しておき、あとから本当に必要なものだけを選んで印刷するようにすれば、用紙の無駄遣いを抑えることができるだろう。

印刷するまでもないWebページは「紙copi Lite」でパソコン上に保存しよう

「紙copi Lite」 「紙copi Lite」

 ここまで印刷時に用紙やインクを節約するためのソフトを3本紹介してきた。しかし、普段何気なく印刷しているWebページには、本当に印刷する必要のあるものと、そうではないものがあるのではないだろうか。

 たとえば、ブログで紹介されていた料理のレシピをいつでも読み返せるようにしておこうと思ったときに、そのページが更新されたり、削除された場合のことを考えてとりあえず印刷しておくようにしているという人もいるだろう。このように、いつか必要になりそうなWebページを保存しておきたいという場合は、すぐに印刷してしまうのではなく、「紙copi Lite」を使ってスクラップしておくのがお勧め。

 本ソフトでWebページをローカルに保存しておけば、印刷して保存しておくのと同様に、Webページが更新・削除されてしまっても読み返すことが可能。さらに、目的別にWebページを分類しておくなどの管理が行いやすいほか、リンクつきでWebページを取り込めるため、手軽にリンク先のWebページを参照できるなど、紙にはない利点も多い。

 もちろん、スクラップしておいたWebページをあとから印刷したくなった場合は、取り込んだ内容を「紙copi Lite」上から印刷できるので安心だ。

節約だけでは解決できない問題も……フリーソフトで環境保護活動を応援しよう

 これまで紹介してきたソフトを利用して個人個人が少しずつ資源を大切に使えば、積もり積もって資源の浪費を大きく減らすことができるかもしれない。しかし、資源を節約するだけではなく、植林や自然保護といったさまざまな活動などへ実際に参画する積極的な環境保護も、これからさらに必要となるだろう。とはいえ、日常に忙殺されてしまい、そこまで具体的なアクションを起こすのはなかなか難しいのも確か。

 ならば、実際に運動する団体へ募金するという形で、環境保護活動を応援してみてはいかがだろうか。フリーソフトのなかには収益の一部を募金できるものがあるので、それを利用すれば気軽に環境保護へ貢献することも可能だ。

Web検索するだけでエコ活動に貢献できる“緑のgoo”

「緑のgooスティック」 「緑のgooスティック」

 たとえば検索エンジン“緑のgoo”では、Web検索によって発生する収入の一部が環境保護活動団体へ寄付される。IEと「Firefox」向けには専用の検索ツールバーや拡張機能も用意されており、それを導入しておけばWeb検索するだけで環境保護活動に少し貢献できる。さらにツールバーや拡張機能は、検索回数に応じて増える“goo の木”カウンターを搭載しているので、自分の環境保護活動への貢献度が可視化されているのも励みになる。また、IEツールバーではオンライン辞書機能をはじめとする“goo”の各種機能を手軽に使えるなど、実用的であるのもポイントだ。

“リーフバンク”と連携した検索ツールバーで緑化事業へ寄付

 また、同種の試みを行っているWeb検索サービスとして“リーフバンク”がある。“リーフバンク”ではさまざまな企業・団体と連携して、実用性と環境への貢献を両立させた検索ツールバーやウィジェットを公開しており、それらを介したWeb検索によって発生する収入の一部が植林活動などの緑化事業へ寄付される仕組みになっている。

 窓の杜でも、過去にいくつか“リーフバンク”と連携するIEツールバーを紹介しているので、興味のある人は下記リンクの記事を参照してほしい。

(長谷川 正太郎、加藤 達也、柳 英俊)