特集

日食直前! オンラインソフトで天体観測を楽しもう

今年最大の天文ショー“日食”や星空の観察をより楽しむためのソフト5本を紹介

(09/07/16)

©a_seph

 今年はガリレオ・ガリレイが天体望遠鏡を作成してから400年目にあたり、国際天文学連合により“世界天文年2009”とされている。さらに7月22日には、トカラ列島や屋久島などで皆既日食が観測でき、そのほかの日本全国でも部分日食を観測可能だ。また、夏はペルセウス座流星群など天文イベントも多く、夏休みを利用して天体観測に出かけることもあるだろう。

 そこで本特集では、日食を子供に説明する際や観測の準備をする際、また天体観測へ行く際に便利なオンラインソフトをご紹介する。日食などの観測をより楽しむために利用してほしい。

日食の見え方や見える位置、時刻を確認できる「つるちゃんの日食ソフト」

「つるちゃんの日食ソフト」v2.1.0

 まずは、日食の見え方を確認してみよう。「つるちゃんの日食ソフト」を使えばプルダウンメニューから地域名を選ぶだけで、その場所から見える日食の様子をアニメーションで確認できる。プルダウンメニューには日本の地域名が280カ所登録されているほか、世界の主要都市が320カ所登録されているため、近くの地域名がきっと見つかるだろう。

 また、最大8カ所での日食の見え方を同時に表示することも可能で、場所による日食の見え方の違いを確認できる。さらに、日食が始まる時刻や見える方角・高度なども確認可能。日食を写真撮影する際などの準備に利用するとよいだろう。

【著作権者】
つるちゃん 氏
【対応OS】
Windows 95/98/Me/NT/2000/XP/Vista
【ソフト種別】
フリーソフト(非営利目的のみ)
【バージョン】
2.1.0(09/06/10)
MEMO実際に日食を観察する際の注意

 実際に日食を観察する際には、太陽の強烈な光で目を痛めないように注意する必要がある。肉眼で直接観察するのはもちろん、サングラスや半透明の下敷き、すすをつけたガラス板ごしに観察しても目を痛める危険性がある。必ず、市販されている太陽観察専用のフィルターを使うか、鏡やピンホールを使って壁などに投射して観察しよう。“世界天文年2009”のWebサイトでは日食観察のガイドページが用意されているので、そちらを参考にするとよいだろう。

□世界天文年2009 日食観察ガイド
http://www.astronomy2009.jp/ja/webproject/soecl/howto.html

日食の仕組みを3D天体シミュレーター「Mitaka Plus」v1.4.0 betaで学ぶ

「Mitaka Plus」v1.4.0 beta

 3D天体シミュレーター「Mitaka」の派生版「Mitaka Plus」v1.4.0 betaを使い、実際の日食を観察する前に日食の起こる仕組みを理解しておけば、日食をより楽しめる。「Mitaka Plus」v1.4.0 betaなら、月が地球に影を落とす様子をわかりやすくシミュレートできる。

 日食のシミュレートを表示するには、まず[ツール]メニューの[UIブラウザ]項目などから“UIブラウザ”画面を表示する。次に、“UIブラウザ”画面の“日食の様子”リンクをクリックすると、宇宙から見た地球が表示される。地球には月から伸びた半透明の筒が届いており、この筒の内側が月の影に入る地域、つまり日食が観測される地域だ。筒は2重になっており、内側は皆既日食が観測できる“本影”、外側は部分日食が観測できる“半影”となる。

 日食のシミュレート中もマウス操作による視点の移動やズームイン・アウトが可能で、さまざまな視点から日食を観測できる。また、メイン画面右上にマウスカーソルを近づけると表示される[+]ボタンで時間を進めれば、月の影が地表を移動していく様子を観察することも可能。

 さらに、地上から見た日食の様子をシミュレートすることも可能。皆既日食が見られる地域へ行けない場合や、当日の天候により日食を観測できなかった場合にも利用できる。日食を地上から見るには、日食のシミュレート中にメイン画面中央の十字マークを日食の起こる地域に合わせてから、“UIブラウザ”画面の“宇宙・地上を切り替え”リンクをクリックすればよい。

 そのほか、“UIブラウザ”画面の“日食の図解”リンクをクリックすると、太陽・月・地球などを拡大し、太陽から地球に向けて放たれた光が月に遮られる様子をわかりやすくした模式図を表示できる。

地上から見た日食の様子をシミュレート

日食の模式図

【著作権者】
大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台、加藤 恒彦 氏、高幣 俊之 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.4.0 beta(09/07/12)
MEMO「Mitaka Plus」のインストール方法

 「Mitaka Plus」は「Mitaka」の差分ファイルとして提供されているため、ダウンロードしたアーカイブを解凍して実行ファイル“mitakaPlus.exe”を実行しても起動できない。実行するにはまず「Mitaka」をインストールし、「Mitaka Plus」のアーカイブ内にあるすべてのファイルを「Mitaka」のインストールフォルダへコピーしよう。あとは、“mitakaPlus.exe”を実行すれば「Mitaka Plus」を起動できる。

ノートパソコンに「Stellarium」を入れて星空の観察に出かけよう

「Stellarium」v0.10.2

 星空の観察に出かけるなら、3Dプラネタリウムソフト「Stellarium」をノートパソコンなどにインストールして持って行くことをオススメする。「Stellarium」なら現在地、現在時刻の星空をリアルに表示できる上、星座のイラストを重ねて表示できるため、星空をより楽しめるだろう。

 星空の観察に利用するには、まず現在地の設定を行う必要がある。現在位置の設定は画面左端にマウスカーソルを近づけると現れる[現在位置]ボタンから“観測場所”画面を呼び出して行う。緯度や経度がわからなくても検索欄にローマ字で近くの都市名を入れれば、だいたいの位置を設定可能。都市名で探せない場合は、世界地図上をクリックして設定しよう。

 あとは、画面下側にマウスを近づけると表示されるツールバーにある[方位角の表示]ボタンを押して方位を確認できるようにし、実際の星空と合わせよう。[夜間照明]ボタンを押せば、モニターの光が星明かりを邪魔しないように、明るい部分を赤色で表示することも可能だ。

【著作権者】
Stellarium Developers
【対応OS】
Windows NT/2000/XP/Vista
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
0.10.2(09/03/10)
MEMO「Stellarium」を日本語化するには

「Stellarium」で日本語の星座名を表示

 「Stellarium」は、標準でボタンや設定画面などを日本語化できるが、星空に表示する星座名や惑星名は文字化けしてしまう。日本語で星座名などを表示したい場合は、まず「あずきフォント」などの日本語TrueTypeフォントを「Stellarium」のインストールフォルダ内にある“data”フォルダへコピーし、ファイル名を“ukai.ttf”へ変更する。

 次に、“data”フォルダ内にあるINIファイル“default_config.ini”をテキストエディターで開き、“sky_locale”の行の値“system”を“ja”に、“app_locale”の行の値“system”を“ja”に、“base_font_name”の行の値“DejaVuSans.ttf”を“ukai.ttf”に書き換えて上書き保存すれば、「Stellarium」の次回起動時から星座名などが日本語化される。

 「Stellarium」の日本語公式Wikiサイトでは、上記の方法がより詳しく掲載されているほか、フォントのファイル名を変更しないで日本語化する方法も掲載されているので、参考にしてほしい。

□メインページ - Stellarium
http://www.stellarium.org/wiki/index.php/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
□窓の杜 - フォント
http://www.forest.impress.co.jp/lib/offc/print/font/

Windows Mobileで使える高機能な天体観測補助ソフト「Stella Theater Pocket」

 もしWindows Mobile搭載のスマートフォンなどを持っているならば、「Stella Theater Pocket」が便利。緯度・経度や日時を指定して星空を再現できるほか、再生ボタンを押すことで、時間が経つにしたがって移り変わる星空をシミュレートすることも可能。

 また、検索機能を利用して目的の天体をすばやく表示したり、表示中の天体や星座に関する追加情報を閲覧できるなど、機能の豊富さはPC用ソフトも顔負け。天体観測の際には、きっと心強い星空の案内役になるはずだ。さらに日食や月食の様子も再現できるので、今回の皆既日食でも活躍するだろう。

「Stella Theater Pocket」v1.05

日食や月食の様子も再現可能

 なお、本ソフトは価格2,415円(税込み)のシェアウェアで、ライセンスキーを購入するまでは観測地の変更ができないなどの制限がある。

【著作権者】
Toxsoft
【対応OS】
Windows Mobile 2003/5.0/6
【ソフト種別】
シェアウェア 2,415円(税込み)
【バージョン】
1.05(08/09/21)

オリジナルの星座早見盤を作ろう「星座早見盤メーカー(惑星表示機能付き)」

「星座早見盤メーカー(惑星表示機能付き)」v1.4

作成した星座早見盤

 星空観察へ行く際にノートパソコンやWindows Mobile機器がない場合や、なるべく持って行くものを軽くしたい場合は「星座早見盤メーカー(惑星表示機能付き)」を使って紙製の星座早見盤を自作してしまおう。星座早見盤は、プリントアウトした紙を指示に従って切り抜いて貼り付けるだけで作成でき、さほど難しくないので、子供と一緒に工作しても楽しいだろう。

 オリジナルの星座早見盤は、観測地を緯度・経度や地域名で指定できるほか、掲載する星を明るさで絞り込める。また、指定した日の月や惑星、太陽の位置を掲載することも可能で、星空観察の醍醐味の1つ“惑星探し”に便利。

 なお、編集部にて試用したところ、星座早見盤をWindows既定のプリンター以外で印刷しようとすると、2枚目に印刷されるページが既定のプリンターで印刷されてしまう現象を確認した。Windowsの設定で目的のプリンターを“通常使うプリンタ”に設定してから印刷すれば、問題なく印刷できる。

【著作権者】
加賀 俊哉 氏
【対応OS】
Windows 98/Me/NT/2000/XP/Vista
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.4

(長谷川 正太郎、柳 英俊)