本当にWindows 10って使えるの?

Windows 10でもデスクトップ環境は変わらない?

筆者のスタートメニュー。ライブタイル情報を提示するアプリケーションはサイズを大きく、デスクトップアプリや重要ではないアプリケーションはサイズを小さくしている

 Windows 10への無料アップグレードが、今年7月29日で終了する予定だ。“これはWindows 7/8.1からなら無料でOSをアップグレードできる”という施策だが、実際には『慣れ親しんだ環境をわざわざ変えたくない……』という人も多いだろう。しかし、Windows 7の延長サポート期間も残り4年を切っており(*1)、“その後”をどうするか、そろそろ考えたいところ。

 そこで今回は『Windows 10にすべきか悩む……』という人向けに、“Windows 10って使えるのか?”を紹介する連載を掲載したい。第1回は“デスクトップ環境がどうなったか?”だ。

*1Windows 7の延長サポート期間は2020年1月14日まで

スタートメニューが復活したWindows 10のデスクトップ環境

 Windows 7/8.xユーザーが最も気にするには、『今ある作業環境を維持できるか』だろう。一言で述べれば、Windows 10のデスクトップ環境は、Windows 7/8.xよりも使いやすくなっている。もっとも大きいのはスタートメニューの存在だ。Windows 7以来のスタートメニューが復活し、デスクトップアプリやUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションをピン留めするエリアを新たに設けた。

[Win]+[S]キーで呼び出せる検索ボックス。アプリケーションはもちろん設定項目やファイルの検索も行える

 プログラムメニューの階層こそなくなってしまったが、検索ボックスが使いやすくなっていることから、アプリケーションの起動もスピーディに行える。タスクバーへのピン留め機能や、タスクバー上のボタンに対してアクションを実行する[Win]+数字キーといったショートカットキーも引き継がれているため、Windows 7/8.1から移行しても大きな違和感を覚えないはずだ。

この場合、[Win]+[1]キーで「Microsoft Edge」の起動やアクティブ化・最小化を切り替えられる。Windows 7と同じショートカットキーだ

 どうしても古いスタートメニューが必要ならば、Ivo Beltchev氏の「Classic Shell」を利用すればよい。Windows 7に限らず、Windows XP以前のスタートメニューも再現できるため、以前の操作性を維持できる。なお、執筆時点では確証を得ていないが、2016年夏のリリースを予定しているWindows 10 Anniversary Updateでは、スタートメニュー左上にハンバーガーメニューを加えて、よく使うアプリケーションの参照性向上や、タスクバーにピン留めしたボタンにメールの未読件数などを表示するバッチが加わる予定だ。

Windows 10に「Classic Shell」をインストールした状態。Windows XP風やさらにクラシックなスタートメニューも再現できる
MicrosoftがWindows Insider Program参加者に「Sway」で提案した新たなスタートメニュー

 テーマ機能も一部残っているが、個人的には廃止の方向にあるのではないかと推測している。たとえばWindows 10 Insider Preview ビルド14316は、「設定」や「電卓」などの背景色を白色/黒色の2パターンから選択可能になった。この傾向は「メール」や「カレンダー」で先行搭載し、「Visual Studio 2015」や「Office 2016」も同様。将来的には分からないものの、現時点のWindows 10はアクセントカラーと背景色を選択するスタイルに進んでいる。

Windows 10 Insider Preview ビルド14361で選択可能になったダークテーマを有効にした状態
「Office 365」も2016年1月のアップデートから、Officeテーマとして“黒”が選択可能になった

 このようにWindows 10は一定期間ごとに改良が加わり、これまで以上に使いやすくなった。Windows 7/8.1に留まるのも構わないが、Windows 10でWaaS(Windows as a Service)の世界を是非楽しんでほしい。

(Cactus:阿久津 良和)