週末ゲーム

第636回

癖のあるキャラが30人!自分だけのパーティを作れるダンジョンRPG「Summon Girls」

すごろく風のマップでサクサク進行、固有のスキルを駆使する戦闘がアツい

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、召喚したキャラクターでパーティを組んで戦うダンジョンRPG「Summon Girls」を紹介しよう。

召喚したキャラクターでパーティを構築、ダンジョンを攻略していくRPG

 「Summon Girls」の主人公は、異世界から人物を召喚できる召喚師。次元の歪みが観測された“円盤島”へと赴き、歪みの大元である“歪みの目”を見つけて封印するのがゲームの目的だ。総勢30名のキャラクターから好きなキャラクターを召喚し、最大4人でパーティを組んで島を探索する。

 ゲームは森や火山といった島の各地に、数個ずつあるダンジョンを攻略することで進行。ダンジョンはランダム生成されたすごろく風のマップで表現されており、一歩ずつ進みながら戦闘や宝箱、回復などマスによってイベントが発生する。奥に居るボスを倒せばダンジョンクリアだ。“歪みの目”の封印には30日という期間制限があり、ダンジョンに潜れるのは1日1回のみ。限られた日数の中でパーティを育成しつつ、ダンジョンを攻略していく。

ダンジョンではすごろく風のマップを一歩ずつ進んでいく。マップはスクロールして先まで見渡すことができ、ボスまでの戦闘回数や回復ポイントの位置などを事前に把握することが可能
ダンジョンの奥にはボスが待ち構えている。倒せばダンジョンクリアだ

癖のあるキャラクターが30人!固有のスキルを確認して召喚するキャラを選べる

最初からすべてのキャラクターを確認可能。手持ちのソウルストーンで召喚可能なキャラクターを選んでいく

 キャラクターは、青・赤・黄という3色の“ソウルストーン”を使って召喚。といってもいわゆる“ガチャ”のようなランダム召喚ではなく、キャラクターごとに設定された数のソウルストーンを消費して任意に召喚する仕組みだ。30名のキャラクターは一覧上でタンク・アタッカー・ヒーラーやその複合型など戦闘スタイルが示されており、さらに詳細なステータスやスキルも召喚前に確認可能。パーティ編成をじっくり検討して召喚対象を選べる。

 スキルはキャラクターごとに固有で、アクティブが4つ、パッシブが1つ。“スタック”と呼ばれるキャラクター独自の特殊状態の累積など、一定条件でキャラクターが強化されたりアクティブスキルの効果が変わったりと、スキルによってキャラクターが個性付けられている。一長一短の癖があるキャラクターが多く、数ターンにわたって仕込みを行うことで強力な一撃を繰り出すような浪漫あふれる性能のキャラクターもおり、パーティ編成のバランスが重要となる。

 さらにキャラクターには銅・銀・金という3つのランクがあり、ランクの高いキャラクターはステータスにボーナスが付くが、召喚にはより多くのソウルストーンが必要。ソウルストーンはダンジョン探索などで手に入るので、ゲームを進めていくことでランクの高いキャラクターを仲間にできるようになる。

アクティブ・パッシブそれぞれユニークなスキルを持つキャラクター達を選んでいく。なお、ステータスを示す棒グラフの青い部分はランクによるボーナス分だ
ダンジョンでは道が左右に分岐している場面があり、好きな方を選べる。FOEに突撃するか回避するかは悩みどころ

 そのほか、ダンジョンには特定のキャラクターをソウルストーンなしで召喚できる“魂結晶”が落ちていることもあるが、その前にはFOEと呼ばれる特殊な敵が待ち構えている。FOEは場合によってはボスよりも強敵だが、その手前は分かれ道となっており、大抵の場合は回避可能。パーティ増強とダンジョン攻略のどちらを優先するかが悩みどころだ。

キャラクター独自のスキル仕様を戦闘中に確認可能。個性を理解しながら使いこなせる

 戦闘はターン制のコマンド選択型。本作はマウス操作で、マウスオーバーによるポップアップ表示を活用しているのが大きな特徴だ。さまざまな状態異常や、キャラクター固有スキルの溜め状態などを示すアイコンをマウスオーバーすると説明が表示される。加えて、キャラクターの画像をマウスオーバーするとパッシブスキルの仕様も表示。事前にキャラクターの特性を把握しておかなくても実際に戦闘をしながら理解していけるのが、さまざまなキャラクターを試してみる楽しみを補強している。

戦闘はターン制のコマンド選択型。4つのアクティブスキルもコマンドとして直接選択する
スキルによって“手鞠”の数が増え、これに応じて通常攻撃の回数が増えるパッシブスキル“手鞠遊び”を持つキャラクター“柚香”。こうしたキャラクター固有の特殊状態はマウスオーバーで説明が表示されるので、プレイしながらキャラクターの能力を理解していける

 また、各キャラクターの持つスキルのうち最後の1つは、キャラクターとの会話イベントを進めて好感度を上げることで解放される。会話イベントは1日1回、パーティに入れていたキャラクターとのみ行える仕組みのため、これもさまざまなキャラクターを使ってみるモチベーションに繋がっている。

 会話イベントの内容は、キャラクター達の出自が語られたり、主人公との交流を描いたりと、こちらもキャラクターごとにバラエティに富んでいる。西洋ファンタジー風を中心に和風、SFなどさまざまな異世界から召喚されてきたキャラクター達それぞれの事情や戦う意味を感じることで、能力に加えてシナリオ面でも愛着が沸いてくるという仕掛けだ。

会話イベントによってキャラクターと交流。好感度最大でスキルがアンロックされ、色々な意味でキャラクターに愛着が沸いてくる
キャラクターによってはイベント絵も用意されている

プレイアビリティも上々、周回プレイも楽しめるダンジョンRPGの良作

チュートリアルは最小限である一方、ゲーム中のほとんどの場面で画面右上にマウスカーソルを合わせると場面に応じたヘルプをポップアップ表示可能。全体を通してマウス操作を活かした直感的なインターフェイスでプレイしやすい

 キャラクターが多い分、装備品の概念はなく個々のキャラクターの強化はレベルアップのみとシンプル。加えてマウス操作にすごろく風マップ、わかりやすい戦闘画面と手軽に遊べるプレイアビリティが魅力だ。一方、キャラクター集めや育成に凝りだすと30日という期限は結構シビアで、戦闘もなかなか歯応えがある。

 なお、30人のキャラクターのうち誰がどのランクになるかはプレイ開始時に決まり、毎回ランダム。1周クリアまでに全キャラクターを育てる余裕はなく、難易度も2種類用意されているため、周回プレイで違うキャラクターを使ってみるのも面白い。プレイ時間は公称2~4時間程度とあり、筆者の場合はじっくりやり込んだ1周目は6時間程度、ある程度キャラクターを絞った2周目で4時間程度だった。

 それぞれ個別のスキルを持つ30名ものキャラクターを登場させつつも、バランスに極端な偏りはなく丁寧に調整されている印象。パーティ育成やキャラクターとの交流、スキルを駆使した戦闘を存分に楽しめる、ダンジョンRPGの良作だ。

ソフトウェア情報

「Summon Girls」
【著作権者】
秋野 氏
【対応OS】
Windows 7以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.05(16/05/07)

(中村 友次郎)