週末ゲーム

第559回

2Dアクションシューティングゲーム「機装猟兵ガンハウンドEX」

ロボットアクションへの愛が詰まりに詰まったリアル系シューティング!

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、人型ロボットを操ってミッションをクリアしていくリアル系2Dアクションシューティングゲーム「機装猟兵ガンハウンドEX」を紹介しよう。

ガンハウンドのパイロットとなり、ミッションを遂行せよ

戦場を舞台とした硬派なアクションシューティング
ステージの最後には大型のボスが登場

 「機装猟兵ガンハウンドEX」は、陸軍第9機装猟兵隊“ガンハウンド”の女性パイロット“ユウリ・ユリアーネ”となり、人型ロボットを操ってミッションの達成を目指すステージクリア型の2Dアクションシューティングゲーム。『1回10時間のプレイより、30分の熱いドラマを100回プレイしてほしい』というコンセプトのもと、全5ステージとその数こそ少ないが、近距離、遠距離、追尾などの多彩な武器と、難易度は高いが理不尽ではなく、しっかり覚えれば確実にクリアできる絶妙なステージ構成を作り上げているのが最大の魅力だ。

 なお、本作は2012年に発売されたPSP版「機装猟兵ガンハウンドEX」をベースにした強化版と言えるもので、ゲーム配信サイトのSteamおよびPLAYISMでダウンロード販売されている。Steam版は実績機能に対応しているが、PLAYISMで購入するとSteam版をプレイできるキーも入手可能。基本的にクレジットカードのドル建てでしか購入できないSteamに不便を感じるのであれば、PLAYISMで購入するのがいいだろう。また、開発元である(株)ドラキューのラボサイトからは体験版をダウンロード可能。ただしこちらは開発中のベータ版であり、一部機能などが未実装となっている。

戦場の緊迫感の中でもユーモアのあるユウリとキッドの掛け合いも見どころ

 画面構成は2Dサイドビューで、戦場を舞台にしていることもあり、人型ロボット以外にもヘリや砲台などが多数登場。殺伐とした雰囲気が漂っているが、明るい性格のユウリと、エリートながら人質を放っておけないなど熱い性格の後輩“キッド”のやりとりは楽しい。ドラマチックな展開もあり、ストーリーも見どころとなっている。

 4種類の攻撃やダッシュ、ジャンプ、空中移動ができるブーストなどを駆使し、ステージの最後に待ち受けているボスを倒すとクリア。画面左上にあるゲージが耐久力を示す“アーマーゲージ”でゼロになるとゲームオーバーだが、ステージの途中からコンティニューが可能。コンティニュー回数に制限はなく、チャレンジしやすくなっている。

複数の武器を使いこなすのが醍醐味

連射でき、あらゆる場面で役に立つメイン武器のガトリング砲

 本作の醍醐味と言えるのが、4種類の武器によってバリエーション豊かな戦い方ができることだ。通常のメイン攻撃は遠距離用のガトリング砲、サブ攻撃は近距離用のハードブロウ(パンチ)が用意されており、対空武器に切り替えれば、メイン攻撃が連射はできないが威力の高いツインライフル、サブ攻撃がロックオンした敵機を追尾する4連SAMミサイルランチャーとなる。

 たとえば、ヘリが遠くにいるときはガトリング砲で狙い、近寄ってきたらミサイルランチャーで追尾させる、遠距離攻撃を防ぐ盾を持った敵機にはダッシュで一気に近付いてハードブロウを叩き込むなど、状況に合わせて的確な武器はどれなのか試行錯誤するのが楽しい。ちなみに、ハードブロウは敵弾を消すことができるので、緊急回避にも役立つ。

高い場所にいる敵機を倒すのに便利な自動追尾の4連SAMミサイルランチャー
盾を持った敵機に有効なパンチ攻撃のハードブロウ
崖を滑りながら戦う場所があるなど各ステージとも凝った構成となっている

 ステージ数は少ないながら、通常の横スクロールのほかに、崖を斜めに滑っていくステージや機体の制御が難しくなる無重量状態が発生するステージなど、さまざまなシチュエーションが用意されている。どのステージも難易度は高めだが、即死だったり避けようがないといった理不尽なシーンはほとんどなく、敵機の出現位置や攻撃パターンを覚えれば驚くほどスムーズにクリアが可能となってくる。どうすればダメージを受けず、効率よく倒していけるかなど、もっと突き詰めていきなくなるのが面白いところだ。

 このほか、アーマーゲージが下がったときの奥の手が“アーマーパージ”の発動だ。これは装甲を排除して機動力を大幅アップさせる代わりに、敵から受けるダメージが増加する諸刃の剣と言える手だが、アーマーゲージが全回復するため、ピンチのときほど役立ってくれる。

 また、どうしてもクリアできないとき、ゲームをポーズしメニューから“攻略”を選ぶことで該当シーンの攻略情報が掲載されているWebページにアクセスするという、画期的なプレイ支援の仕組みも用意されている。さらに、タイトル画面の“OPTION”では難易度の低いイージーモードへの変更も可能となっており、アクションゲームが苦手な人でも楽しめるのがポイントだ。

 シミュレーターによる訓練のクリアや一定スコアの獲得で装備できる武器が増えていき戦い方のバリエーションをさらに増やせるほか、AndroidとiOS向けに配信されているアプリ「機装猟兵ガンハウンドEX CLOCK APP」と連携して、ゲームの進行に合わせてアプリ側から音声が出るといったユニークな試みも行われている。

一定の条件やスコアを満たせば装備できる武器が増える
シミュレーターで基本的な操作を学べる
AndroidとiOS向けのアプリ「機装猟兵ガンハウンドEX CLOCK APP」。ゲームの進行に合わせて音声が出る連携機能を備える

 今では珍しくなってしまった完全な2Dのロボットアクションシューティングだが、重厚感のある動き、作り込まれたステージ、セガサターンの名作シューティングゲーム「サンダーフォースV」のBGMなどで知られる九十九百太郎氏による熱いBGMによってプレイヤーをグイグイとその世界に引き込んでくれる。ロボット系のアクションゲームが好きなら、ぜひともプレイしてほしい1本だ。

ソフトウェア情報

「機装猟兵ガンハウンドEX」
【著作権者】
(株)ドラキュー
【対応OS】W
Windows XP/Vista/7/8
【ソフト種別】
ダウンロード販売 1,480円(税込み)など(体験版あり)
【バージョン】
-(14/05/01)

(芹澤 正芳)