週末ゲーム

第552回

弾幕アクションアドベンチャーゲーム「ありふれたホシの終末期NextPhase」

人類を守れ!弾幕シューティング&アクション&アドベンチャーの融合

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、人類を守る戦いを描いた弾幕アクションアドベンチャーゲーム「ありふれたホシの終末期NextPhase」を紹介しよう。

人類を守るメシアとなって謎の生物メナスを撃退せよ

人間だけを襲う謎の生物“メナス”と戦う弾幕アクションアドベンチャー

 「ありふれたホシの終末期NextPhase」は、ストーリー進行はアドベンチャーで、戦闘は弾幕シューティングとアクションを組み合わせたようなゲーム。作者は“弾幕アクションアドベンチャー”と位置付けている。舞台となるのは、技術発展に行き詰まり、環境汚染が悪化し続ける終末期のとある“ホシ”。そのホシになぜか人類だけを襲う謎の生物“メナス”が現れる。プレイヤーはそのメナスに唯一対抗できる“メシア”と呼ばれる人間のひとり“アオ”となり、メナスと戦いを繰り広げる……というのが主なストーリーだ。

 メナスによって人類が追い詰められる重苦しい設定ではあるが、メシアの仲間たちはユーモアたっぷりで、アドベンチャーパートは友情あり、恋愛あり、ギャグもありの展開でプレイヤーを楽しませてくれる。その一方で、弾幕アクション部分はかなり難しい。とくに後半のステージは画面が埋まるほどの敵弾を、集中して避けないとクリアは困難だ。しかし、攻撃力やHPなどのステータスを向上させる要素や、戦闘を有利にするアイテムの存在もあるため、時間をかければ弾幕系のゲームが得意ではない人も楽しめるようになっている。

 弾幕アクションパートの構成は、2Dトップビューのフィールドを全方位へ移動しながら、次々と現れる敵を倒していくというもの。操作はゲームパッドやキーボードに対応しており、遠距離攻撃のショットや近接攻撃のブレイド、広範囲に攻撃できるボム、低速移動、攻撃方向を固定しながら移動できる“向き固定”といったアクションが用意されている。

 また、ショットキーとブレイドキーの同時押しにより、敵弾を消すことができ貫通力のある“迎撃ショット”を発射可能だ。強力な攻撃だが、発射するには一定時間のチャージが必要となる。そのほか、特定の“ウェポン”を装備することでダッシュも可能。さらにゲームが進むとアオ以外のキャラクターも操作が可能になり、その場合は操作内容が一部変わる。

 戦闘は、敵や敵弾に触れることでダメージを受け、画面下のHPゲージがゼロになるとミス。戦闘開始前に戻されてしまう。とはいえミスによるペナルティは存在しないので、難しい場合は何度もチャレンジし、敵の出現・攻撃パターンを覚えるのがいいだろう。

ストーリーの合間に入る一枚絵も見どころ

FREETIMEでキャラクター同士の親密度をアップさせよう

FREETIMEではAPを消費して仲間との親密度やステータスの向上が行える
特定の条件を満たすと別ルートのMISSIONが登場。新たなストーリーを見られる

 ゲームの基本的な流れは、“FREETIME”モードで各キャラクターたちとの親密度をアップさせたり訓練所でステータスの向上を行い、“MISSION”モードでストーリーを進め、戦闘を行うというもの。ストーリーは分岐型で、特定キャラクターとの親密度などで変化する。

 FREETIMEで行動するためには“AP(アクティブポイント)”というポイントが必要。必要な量は、話す相手や訓練内容によって異なる。APは、MISSIONをこなしたり、腕試しができる“TRAINING”モードの実行で増えていく。キャラクターとの会話では親密度がアップするほか、攻撃力の強化やHPの自動回復といった戦闘が非常に有利になるアイテムがもらえることがある。

 敵が強くてMISSIONがクリアできない、という状況になったらTRAININGでAPを稼ぎ、さまざまなキャラクターと会話を進めてアイテム入手を狙うのが近道というわけだ。もちろん、地道に訓練所でステータスをアップさせるのもアリ。ちなみに、FREETIMEとMISSIONの進行は完全にリンクしているわけではなく、MISSIONはシリアスな展開になっているのに、FREETIMEではその状況を反映していないためギャグっぽい会話が繰り広げられることも。キャラクターの反応に戸惑うことはあるかもしれない。

仲間との親密度がアップすると戦闘を有利にするウェポンをもらえることも
ウェポンは装備して有効になるもの、自動で発動するものなどさまざま

グレイズで攻撃力を向上!スキを見てブレイドで大ダメージを狙え

MISSIONの最後には強力な攻撃を繰り出すボスが待ち構えている
近接攻撃は強力だがスキが大きいため、使うタイミングが重要だ

 弾幕アクションパートは、最後に出てくるボスを含めてすべての敵を倒せばMISSIONクリア。そして、戦闘を有利に進めるために重要なシステムが“グレイズ”だ。これは敵弾をスレスレで回避すると上昇するポイントで、溜まると攻撃力がアップする。ただし、敵弾に触れるとグレイズの値は下がってしまう。これを増やして維持することが効率よく敵を倒すコツだ。

 敵を倒すと落とす“マテリアル”の存在も大切だ。これは近付くと自動的に回収され、HPがわずかに回復し、MP(マテリアルポイント)という値がアップする。MPは、FREETIMEで行ける“謎の購買”で仲間に渡せるプレゼントやステータスを強化するアイテムなどの購入に使用可能。なるべくHPを温存してボスまで到達するためにも、マテリアルは確実に回収しておきたい。

 硬い敵やボス戦では、威力の非常に高いブレイドによる攻撃が役に立つ。ブレイドは連続でキーを押すことで3連続で敵に攻撃できるが、その分スキが大きく、タイミングを誤ると敵弾によって大ダメージを受けてしまう。敵の攻撃パターンをしっかりと覚えて使うことが重要だ。

 やり込み要素もたっぷりと用意されている。ひとつはプレイヤーのランクがあることだ。ランクはMISSIONやTRAININGのクリア、さらにMISSIONごとに用意されている“ボムを使用しない”といった厳しい条件の“EXミッション”をクリアすると得られる“RP(ランクポイント)”を増やすことでアップ。イベントの発生などはランクのアップが条件になっていることもある。TRAININGではクリアまでの内容によってC~Sまで4段階の評価があり、何度でもチャレンジ可能。獲得できるRPも大きく異なるため、ついつい最高評価を取ろうと熱くなってしまうのも面白いところだ。

親密度やランクのアップにより戦闘で使用できるキャラクターが増えていく
APやRPを稼ぐにはTRAININGで高い評価を得るのが手っ取り早い

 なお、“ありふれたホシの終末期”はシリーズとなっており、なぜ一部の人間だけがメシアになれたのか、なぜメナスは人間を襲うのか、その背後にいるのは何者なのか……といった秘密が少しずつ見えてくるのも大きな魅力。本作ではストーリーが完結していないので、完全版の登場が楽しみだ。

ソフトウェア情報

「ありふれたホシの終末期NextPhase」
【著作権者】
Crazy I Scream
【対応OS】
(編集部にてWindows 7/8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.6(13/12/02)

(芹澤 正芳)