週末ゲーム

第520回

コンボ・必殺技もカンタン!2D対戦格闘ゲーム「ヤタガラス4.3」

本格派だけどシンプルで気持ちよく遊べて、ネット対戦にも対応

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、技の数もグラフィックも本格派の内容ながら、手軽に連続技を出せて初心者でも楽しさを味わえる2D対戦格闘ゲーム「ヤタガラス4.3」を紹介しよう。

美しいグラフィックと多彩なキャラクター

手軽に連続技が決められるなど初心者でも格闘ゲームの面白さを味わえる

 「ヤタガラス4.3」は、真横から見た2Dのフィールドで、1対1の闘いを繰り広げる対戦格闘ゲーム。美しい2Dドットグラフィックや、忍者にフリーライター、大男など個性豊かなキャラクター、簡単に連続技が出せる操作性の良さもあって、対戦格闘ゲームの初心者から上級者まで幅広い人が楽しめるのが大きな魅力だ。さらに、ネット対戦まで可能という充実ぶりとなっている。

 なお、本作は同人ソフトで、委託販売店や通販などで購入できるほか、ダウンロード販売も行われている。詳細はサークルの公式サイトで確認してほしい。ゲーム配信サイト“PLAYISM”では体験版も公開されているので、内容や問題なく動作するのか気になる人は試してみるといいだろう。

 プレイヤーが選べるキャラクターは全部で8人。火遁の術を操り、半妖とも言われている“火抜慣 行(ひぬかん こう)”、13代目服部半蔵を襲名した女性“服部 半蔵 鮎香(はっとり はんぞう うるか)”、侠を重んじるアイヌの武人“数珠丸 恒次(じゅずまる つねつぐ)”、巨躯を活かした殺人術を駆使する“チャダ”など、それぞれ特徴的。キャラクターの特性を見ても、行は飛び道具と対空技がメインとオーソドックス、チャダは投げ技が中心でテクニカルと、多彩な内容で格闘ゲームの楽しさを広げている。

“BL”ボタンが駆け引きを生み出す

 操作はキーボードのほかゲームパッドにも対応しており、それぞれ割り当てを自由にカスタマイズ可能だ。アクションは、左右移動とジャンプ・しゃがみ、小・大のパンチ・キック、相手と逆方向へ移動ボタンを入れてガード、移動ボタンの連続押しで前後へのダッシュ移動となっている。

 また同時押しによる特殊攻撃として、小パンチと小キックで投げ、大パンチと大キックでガード不能技、小パンチと大パンチで中段攻撃、相手方向の斜め下に移動ボタンと大キック(キャラクターによっては大パンチ)で足払い攻撃がある。そのほかダウン直前にパンチを押すことでダメージを軽減する受け身を取ったり、ダウン直前にキックを押すことで起き上がりのタイミングをずらすことが可能だ。

相手の攻撃を受け流して硬直させるBL。決まると自分の体が青く光る
SPゲージを半分消費して繰り出せるEX必殺技。使用時は体が黄色く光る

 そして、相手との駆け引きで重要となるのが、“BL(Button Locking)”。相手の攻撃が自分に当たる瞬間にBLボタンを押すことで、相手の攻撃を受け流し、さらに少し硬直させられるため反撃のチャンスを作り出せる。BLボタンは上限攻撃用と下段攻撃用の2つがあり、相手がどのような攻撃を出してくるのか見極める必要があるので、確実に決めるのはなかなか難しい。ちなみに、BLはジャンプ中にも行える。自分がジャンプして、それを迎撃しようとする相手をBLで硬直させ、連続技を決めるといったテクニックも可能というワケだ。

 格闘ゲームとして当然のことながら、各キャラクターごとに必殺技が用意されており、特定の操作で繰り出せる。技の出し方は公式サイトで確認が可能だ。飛び道具、対空技、連続攻撃に繋げられるもの、投げ技など、多彩な必殺技が用意されている。また、攻撃を当てるなどで増加する“SPゲージ”を消費することで、威力の高い“超必殺技”や通常の必殺技を強化した“EX必殺技”を繰り出すことが可能だ。

SPゲージの消費で発動できる超必殺技は派手で威力も高い

ネットワーク対戦も楽しめる

ARCADEモードでは、各キャラクターのストーリーも楽しめる

 主なゲームモードは、2ラウンド先取で勝ち進みながら各キャラクターのストーリーを楽しめる“ARCADE”、2人対戦を楽しめる“VERSUS”、技などの練習が行える“TRAINING”、ネットワークを通じての2人対戦がプレイできる“NETWORK VS”の4種類。

 面白いのは、コンボの回数、コンボによるダメージ数、戦いの内容によって獲得できる“EJS(Emotion Judge System)”というポイントの数やクリア回数など、さまざまな数値が記録されること。さらに、これらはインターネットを通じて集計されており、自分と世界トップの数値を比べることもできる。トッププレイヤーの凄さがわかるのが面白い。

 NETWORK VSでは、不特定の相手を探して対戦するランクマッチがあり、勝敗によって自分の強さの指標となる“R”値が変動する。勝つほどR値は上がっていき、上位者はトップ画面からアクセスできる“ONLINE RECORD”に掲載される。腕を磨いてランキング上位を目指すのも楽しみ方のひとつだ。ONLINE RECORDではキャラクターの使用率などもわかり、世界的な傾向が確かめられるのも見どころ。このほか、R値が変動しないロビーマッチも用意されている。

RECORDやONLINE RECORDでは各キャラの使用率などさまざな情報を見られる

手軽に連続技が出せる気持ちよさ

 本作の大きな魅力は、ハイクオリティなグラフィックやエフェクトに加えて、通常技から必殺技に繋げられるなど、連続技が決まりやすいところにある。ジャンプして相手に飛び込み、大パンチしている最中に必殺技のコマンドを入力といった流れが非常に決まりやすい。ボタンを適当なタイミングで連打するような感覚で入力するだけでも連続技になりやすいので、格闘ゲームの初心者でも、技が決まっていく気持ちよさを簡単に味わえるのは大きなポイントだ。

 とはいえ、攻撃に対するカウンターと言えるBLがあることで、ひたすら技を出していくごり押し一辺倒なプレイでは勝てないところが面白い。BLは連続技の途中にも割り込んで発動可能と高性能なようでいて、中段攻撃には使えないという弱点もある。上級者になればBLを使った高度な駆け引きを楽しめるだろう。

 また、好みは分かれるかもしれないが、“実況システム”というユニークな要素もある。これは、有名格闘ゲームプレイヤーがプレイ内容に合わせてボイスで煽ったり、応援してくれるというもの。ゲームを開始する際にはキャラクターのほか実況プレイヤーを選択することができ、台詞は『開幕でジャンプ』『画面端に追い込んで〜』『パーフェクトッ!!』などかなりの数が収録されている。もちろん、オフにしてプレイも可能だ。

 TRAININGも充実しており、特定の動作を記録して再生し、それを相手に戦うことができる。苦手な技への対処法を研究したり、上段と下段の攻撃を織り交ぜてBLの特訓をするなど、ピンポイントな練習が可能なのが便利だ。

有名格闘ゲーマーが煽りや応援をしてくれる実況システムも用意
さまざまな設定で相手を動かせるTRAININGモードは練習にうってつけだ

 本作は、派手なシステムをてんこ盛りにするのではなく、格闘ゲームがもつ気持ちよさや駆け引きを、手軽に楽しめる丁寧な作りをしているのが一番の特徴。格闘ゲームの初心者やしばらく格闘ゲームから離れていた人へ、とくにイチオシしたい作品だ。

ソフトウェア情報

「ヤタガラス4.3」
【著作権者】
PDW:HOTAPEN
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
ダウンロード販売 980円(税込み)ほか(体験版あり)
【バージョン】
2013/03/25(13/03/25)

(芹澤 正芳)