週末ゲーム

同人ゲーム体験版特集 2012夏

“夏コミ”出展サークルの作品から体験版を7本紹介

(12/08/09)

 インターネット上で公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介している『週末ゲーム』。今回は、8月10日から12日にかけて開催が予定されている国内最大規模の同人誌即売会“コミックマーケット(コミケ)”を目前に控え、“同人ゲーム”をテーマとした特集をお届けする。

 同人ゲームは、フリーゲームなどと同様に個人や趣味のサークルによって制作されているが、発表の場は全国各地で開催される即売会や、専門ショップでの委託販売が中心となっている。また最近では、ダウンロード販売される例も増えつつある。

 今回は、通称“夏コミ”と呼ばれる次回のコミケに出展するサークルの作品のなかから、Webで体験版や動作確認版が公開されている7作品を紹介する。夏コミでの出展内容は完成版やより新しい制作途上版など、サークルによって異なる。また、価格や委託の有無などもサークルによって異なるので、詳細はサークルのWebサイトで確認してほしい。

 なお、昨今は同人ゲームでもグラフィックが充実した作品が多く、その分動作環境に一定のスペックを必要とする場合もままある。体験版で動作確認するとともに、正常に動作しない場合はPCのスペックなどを見直してみるとよいだろう。

アクション・シューティングゲーム編

ロケットブースターで空を飛べ! 爽快3Dアクション「LAST HARVEST 〜エーテルの戦乙女〜」

「LAST HARVEST 〜エーテルの戦乙女〜」 「LAST HARVEST 〜エーテルの戦乙女〜」

多彩な攻撃で敵を倒していく爽快アクション 多彩な攻撃で敵を倒していく爽快アクション

 「LAST HARVEST 〜エーテルの戦乙女〜」は、女子高生“戸比良茜(とびらあかね)”を操作して多彩な攻撃で敵を倒し、ステージクリアを目指す3Dアクションゲーム。夏コミで完成版を頒布予定で、同人ショップでの委託販売も予定されている。動作確認版では複数用意されているシナリオのうち、1つ目のステージ2まで遊ぶことが可能となっている。

 本作は、“燃輝(エーテル)”と呼ばれる新しいエネルギー源が発見され、それを利用した戦争が終わって数年後の日本が舞台。戦争中に戦乙女と恐れられた、今は亡き女性兵を母に持つ茜は、ある日エーテルに関する製品を開発、販売している“ヴァルハラ社”に大事な弟の“啓(ひらく)”を誘拐されてしまう。その啓を助け出すため、母の形見である武器を身にまとって茜は旅立つ……というのが主なストーリーだ。

 多彩なアクションが用意されているのが大きな魅力。パンチやキックをはじめ、ジャンプとの組み合わせでサマーソルトキックや回し蹴りなどアクロバティックな打撃技のほか、ガードや緊急回避も可能。さらに、画面左下にある“エーテルゲージ”を消費することで、足についたロケットブースターで自由自在に空を飛べる“ブースト”を発動したり、離れた敵を倒すのに便利な“射撃”を行える。敵からの攻撃を受けやすくなるがエーテルを消費しない打撃技を中心に戦うか、安全に敵を倒しやすい射撃中心で挑むか、いろいろなプレイスタイルが選べるのが楽しいところだ。

エーテルの力で空を飛んだり遠距離射撃も可能 エーテルの力で空を飛んだり遠距離射撃も可能 エーテルの力で空を飛んだり遠距離射撃も可能

 なお、打撃、射撃、カメラ位置の変更、ブーストの発動など使用するボタンの数が多いため、アナログスティックが2本搭載されているゲームパッドの利用が推奨されている。

ボス戦前にはイベントシーンも。弟はなぜ誘拐されたのか……? ボス戦前にはイベントシーンも。弟はなぜ誘拐されたのか……?

 このほか、床が落ちる仕掛けがある場所ではブーストを使わないと回避できないなどアクションパズル的な要素があったり、ステージ内には体力回復などのアイテムが点在しており探索する楽しみもある。経験値によるレベルアップや武器・ブースターの変更などアクションRPG的な要素もあり、動作確認版でもいくつかの装備を入手可能。ステージはダンジョンのように入り組んでいるが、移動した場所が画面右下のミニマップに自動でマッピングされるため、迷いにくいのもうれしいところ。3Dアクションの楽しさを存分に味わえる1本だ。

【著作権者】
Broken Desk
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.00(12/08/06)

AIと共に戦うマウス操作の戦車シューティング「バトルタンク・ソードW」

「バトルタンク・ソードW」 「バトルタンク・ソードW」

“Direct Fire”と描かれた圏内は連射のできるショットの射程となる “Direct Fire”と描かれた圏内は連射のできるショットの射程となる

“High-Angle Fire”と描かれた圏内は威力は高いが連射はできないブラスターの射程 “High-Angle Fire”と描かれた圏内は威力は高いが連射はできないブラスターの射程

 「バトルタンク・ソードW」は、マウスを使って移動、砲撃し、迫り来る敵機を倒す2D戦車シューティングゲーム。夏コミで完成版を頒布予定となっており、体験版ではステージ10まで遊ぶことが可能だ。

 本作は、プレイヤーが操作する戦車とAIが操作する戦車の2台で、ステージ内に進入してくる敵機が画面一番下のディフェンスラインへと到達しないように撃破していく、固定画面・全方位型のシューティングゲーム。移動も砲撃もマウスだけで行えるため、手軽に遊べるのが魅力となっている。完成版では、性能が異なる3種類の自機とAIを選択できる予定となっているが、体験版では自機に攻守のバランスが優れる“ソード”、AIに効率的かつ確実な戦法を優先する万能型の“AI No.30”のみ使用できる。

 近くの敵を攻撃するための“ショット”、障害物を飛び越えて攻撃が可能な“ブラスター”と、射程に応じて2種類の攻撃方法が用意されているのがポイント。射程は自機を中心に円で描かれ、近距離がショット、遠距離がブラスターとなっている。攻撃はマウスの左クリックで、射程によって攻撃方法が自動で切り替わる。

 ショットはマウスのボタンを押しっぱなしで連射できる一方で、威力が弱く、ステージ内にあるブロックなどの障害物を越えられないのが難点。ブラスターは威力が高く障害物を越えられる一方で、マウスを長押ししないと発射できず連射できないのが難点と、それぞれ一長一短だ。

 しかも、射程がそれぞれ決められているため、威力の高いブラスターで敵機を一掃しようとしても敵に近付きすぎるとショットの射程となってしまうなど、自機の位置取りが攻略の大きなポイントになる。敵機は画面上部だけではなく左右からも登場するため、早めに敵機を倒そうと前に出すぎると、左右から来る敵機への対処が難しくなってしまう。逆にディフェンスラインのギリギリに居すぎても、敵機が数多く出現したときに対処しきれない。敵機の数、ショットとブラスターの射程を意識しながら移動して、局面を切り抜けていく。これが難しいところであり、一番の醍醐味だ。

 また、戦闘を重ねるとAIが学習し、より効率的に戦うようになるのも面白い。AIが操縦する戦車は破壊されても次のステージで復活するが、破壊された場合はそのステージでAIが学習できないため、敵機が多く登場する後半のステージほど苦戦することになる。AI機を守りつつクリアを目指すことも大切だ。

 1画面で完結するシンプルなゲームだが、武器の使い分け、敵機の出現位置の把握、AI機との連携などにより高い戦略性を生み出している。取得すると自機をパワーアップしたり敵を一掃するアイテムもあり、体験版でも充分に楽しめる。完成版が楽しみなタイトルだ。

ディフェンスラインを守るだけではなく、縦スクロールシューティングになるステージも ディフェンスラインを守るだけではなく、縦スクロールシューティングになるステージも

AIの的確なアドバイスがあるので、スムーズにゲームを進められる AIの的確なアドバイスがあるので、スムーズにゲームを進められる

【著作権者】
JUNO SOFT
【対応OS】
Windows XP以降
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.03(12/08/08)

空間回転式シューティング「REVOLVER360」

「REVOLVER360」 「REVOLVER360」

美しいエフェクトが魅力のシューティングゲーム 美しいエフェクトが魅力のシューティングゲーム

 「REVOLVER360」は、空間を回転させて敵弾を避けるという斬新なアイディアの横スクロール型シューティングゲーム。夏コミで完成版を頒布予定で、同人ショップでの委託販売も予定されている。動作確認版では一部のモードを途中まで遊ぶことが可能だ。

 本作は、家庭用ゲーム機であるXbox 360向けに個人でもゲームを発表できる“Xbox 360インディーズゲーム”で販売されていたタイトルのPC移植版。Xbox 360版は高い人気を獲得しており、移植を楽しみにしていた人も多いのではないだろうか。Xbox 360からの移植となるため、PCでも利用できるXbox 360有線コントローラーの使用が推奨されているが、ほかのコントローラーやキーボードでも操作可能だ。

 画面構成は2D横スクロール型だがグラフィック描画は3Dで、空間をなめらかに回転できるのが非常にユニーク。具体的には横に倒した筒を回すようなイメージで、たとえば画面いっぱいに敵弾が飛んでいる状態でも、空間を回転させれば視点が変わり、横一列の直線状に変化させられるという仕組みだ。画面中が弾幕だらけの状態から空間を回転させて、避けるスキを見つけるといったプレイが楽しめる。このほかステージのことをWAVEと呼び、1WAVEは数秒〜数十秒程度でWAVE間はシームレスに連続しているため、テンポよく遊べるのも特徴だ。

縦に広がり、非常に避けにくい数多くの敵弾も…… 縦に広がり、非常に避けにくい数多くの敵弾も……

空間を回転させれば避けやすくなる 空間を回転させれば避けやすくなる

 ゲームモードとして、ゲームオーバーがなく、短いプレイ時間でいかにスコアを稼ぐかの勝負となるスコアアタック型の“SHORT RANGE MODE”と、ライフがゼロになるまでエンドレスにWAVEが続く“INFINITE RANGE MODE”の2種類があり、体験版では後者をWAVE 20までプレイできる。

レーザーは敵機と敵弾を一気に消せるので爽快感バツグン レーザーは敵機と敵弾を一気に消せるので爽快感バツグン

 攻撃方法は通常ショットのほか、時間経過などで溜まるゲージを消費する“レーザー”と“オーバードライブ”が用意されている。レーザーは自機の周囲にある緑色の“レーザーゲージ”が半分以上溜まると発射可能で、貫通力があり、黄色の敵弾を消してスコア倍率を上げるアイテムに変えられる強力な攻撃。オーバードライブは自機の周囲にある赤い“オーバードライブゲージ”が満タンになると発動可能で、画面全体への攻撃となり、すべての敵弾を消せる。さらにオーバードライブ発動中はレーザーが撃ち放題となるため、スコアを大量に稼ぐ絶好のチャンスだ。

 さらにINFINITE RANGE MODEでは、多彩なパワーアップアイテムも登場する。ショットの数と連射速度がアップする“SHOT”、オーバードライブゲージが満タンになる“OVERDRIVE”、敵弾を跳ね返すシールドを張る“REFLECT”、時間の流れを遅くする“SLOW”、レーザーが2本になる“LASER”、ショットの撃ち始めは4方向へ撃ち、その後は前後へのショットとなる“DOUBLE”、ライフが10回復する“LIFE”が出現。LIFE以外のアイテムの効果は一時的で、残り時間は画面の左下に表示される。

 自機、敵機、背景までふんだんに3Dグラフィックが使われており、ショットや爆発のエフェクトも美しく、爽快感はバツグン。画面を回転させて敵弾を横一列にまとめてレーザーで一掃したりと、このゲームならではの戦略を楽しめるのも大きな魅力だ。

【著作権者】
クロスイーグレット
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.001

殲滅&斬撃シューティング「Another Apocalypse U Dual Pagan」

「Another Apocalypse U Dual Pagan」 「Another Apocalypse U Dual Pagan」

キャラクターに加え使用する武器も選べ、攻撃方法はバラエティ豊か キャラクターに加え使用する武器も選べ、攻撃方法はバラエティ豊か

 「Another Apocalypse U Dual Pagan」は、ゲージを溜めての殲滅攻撃が得意な“アポカリさん”と、斬って斬って斬りまくる“ミコト”の2人が活躍する縦スクロール型2Dシューティングゲーム。夏コミで完成版を頒布予定で、同人ショップでの委託販売も予定されている。現在公開されている体験版ではステージ3まで遊ぶことが可能だ。

 本作では、謎の超高位存在・第六天調整者である“アポカリプス・ラグナロク・ハルマゲドン”通称“アポカリさん”と、月の寵愛を受けた最強の咎人“ミコト”から操作するキャラを選べるほか、それぞれゲーム開始時に通常ショット以外の攻撃手段を複数から選択できる。同じステージでも、キャラクターや選択した攻撃手段により多彩な攻略を楽しめるのが大きな特徴だ。アポカリさん、ミコト、敵のボスともよくしゃべり、ツッコミが入りまくる会話の掛け合いも見どころ。

 アポカリさんは、時間経過で画面左下の“チャージゲージ”が上昇し、溜まると“チャージショット”を発動できる。チャージショットは、周囲にバリアを張る“Shield”と前方に貫通レーザーを発射する“Laser”の2種類。そのほかアポカリさんは回数限定のボムも発動できる。ボムは、画面全域に攻撃できる上、発動中は敵弾が消え、自機も無敵になるというピンチ回避の切り札だ。

 ミコトは、攻撃範囲は非常に狭いが高い威力をもち、敵弾を消せる刀での斬撃“スラッシュ”を使えるのが特徴。また、ミコトはゲーム開始時にパートナーを選び、これによって自機につくオプションが変化。貫通レーザーやホーミングなど異なるショットでミコトを支援してくれる。パートナーは格好つけたがりで『中二病くん』と呼ばれる“ガルム”、穏和で理知的な“エル”、ミコトのおじいちゃん的な存在である“コンゴウ”の3人から選べる。

アポカリさんのShieldは敵弾を防ぎ、攻撃判定もアリと攻守に優れている アポカリさんのShieldは敵弾を防ぎ、攻撃判定もアリと攻守に優れている

ミコトのスラッシュは攻撃範囲は狭いが、威力が高く敵弾も消せるのが強み ミコトのスラッシュは攻撃範囲は狭いが、威力が高く敵弾も消せるのが強み

 さらに、スラッシュで敵弾を消すか敵機を破壊すると画面左下の“リミットスラッシュゲージ”が増加し、ゲージが満タンになると“リミットスラッシュ”が発動できる。リミットスラッシュはアポカリさんのボムと同じく発動中は無敵で、パートナーによって性能が変化するのが面白い。

 選択する攻撃方法によって攻略方法が大きく変わるのがポイント。たとえば、アポカリさんのチャージショットのひとつであるShieldは、バリアを展開する範囲こそ自機の周囲だけと狭いが、ボタンを押してからすぐに発生するため敵弾の防御に優れる。またバリア自体にも攻撃判定があるので、敵機が多い場所でそのまま移動すれば、防御しつつ敵機まで倒せるメリットがある。やや地味だが、やられにくいのが特徴だ。その一方でLaserは、攻撃の範囲が前方だけでボタンを押してからの発生も遅いが、貫通レーザーで敵機を一掃できる爽快感がある。

各ステージのボス戦で挿入される、いい意味で危機感のない会話も見どころ 各ステージのボス戦で挿入される、いい意味で危機感のない会話も見どころ

 ミコトは、スラッシュで敵機を敵弾ごとバッサバッサと斬っていけるのが気持ちいい一方で、攻撃範囲が狭いため敵機に近付く必要があるため、スリリングな攻防を楽しめる。また、選ぶパートナーによってショットとリミットスラッシュが変化するのに加え、会話の内容も異なってくる。攻撃や会話がどう変化するのか気になり、それぞれのパートナーで遊びたくなってしまうのがうまいところだ。本作は難易度を3段階から選択できるため、シューティングゲームに慣れていない人でも楽しめるのもうれしい。

【著作権者】
Mercenary
【対応OS】
(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
1.0(12/07/24)

アドベンチャー・ノベルゲーム編

憧れの女性の死を回避するため4日間を繰り返す「Four Revolve For Relief」

「Four Revolve For Relief」 「Four Revolve For Relief」

憧れの女性の死を目にした主人公の沖臣は、過去に遡れる手帳を使って彼女を救うことを決意する 憧れの女性の死を目にした主人公の沖臣は、過去に遡れる手帳を使って彼女を救うことを決意する

ページ数に限りのある手帳に書く内容は厳選する必要がある。場合によっては行数を余計に使い詳しく記述するかどうかの選択も ページ数に限りのある手帳に書く内容は厳選する必要がある。場合によっては行数を余計に使い詳しく記述するかどうかの選択も

 「Four Revolve For Relief」は、書いた内容を過去の自分へ伝えることができる手帳を使って、ヒロインの死の運命を変えていくアドベンチャーゲーム。夏コミでの完成版頒布を目指して開発が進められており、体験版では序盤をプレイすることができる。

 主人公の学生“昭堂沖臣(しょうどうおきおみ)”は、半年ほど前から“麻生朱美(あそうあけみ)”に一目惚れしているが、なかなか声をかけられずにいる。沖臣はある日、『6月7日正午ちょうどに駅前で麻生朱美は交通事故で死亡する』と書かれた手帳を手にするが、オカルトと取り合わずに放置してしまう。しかし4日後の6月7日、手帳の通り朱美が車に跳ねられて亡くなってしまうのを目撃した沖臣は、過去に遡ろうとしている“手帳”へ、その内容が本当であることを証明する文章を書き加え、“次の自分”に託すのであった……。

 本作は、ヒロインが事故死してしまう6月7日までの4日間を繰り返しながら、事故を回避するのが目的。いわゆる“ループもの”の作品だが、ポイントは過去に戻れるのは“手帳”のみで、主人公の記憶は引き継がれないことだ。ゲームの基本的な流れは、1日ごとにどこかへ行ったり、友人と話をしたりといった行動を決め、それによって新たな情報や考察を得ていくというもの。手に入れた情報を“手帳”に書き留めることで、次のループではその情報を利用して、さらに別の情報を得たり、トラブルを回避するといった新しい展開を導ける。

 ただし、手帳へ書き込める文章の量には限界があり、さらに一度書いたことは消せないため、手に入れた情報に“次の自分”へ託すだけの価値があるかの見極めが重要となる。また、手帳が過去に遡れるのは10回まで。この回数の中でヒロインを救わなければならないわけだ。

 ループによりプレイヤーが知ったこと、気付いたことも、手帳に書かなければキャラクターにとっては“知らないこと”であり、行動を変化させることはできない。制限のなかで、この溝をどう効率よく埋めていくかが攻略の鍵となるだろう。体験版でも情報による展開の変化は十分感じることができるが、完成版では、より高度で複雑なシステムとなる予定とのこと。なかなか歯ごたえのある攻略を楽しめそうな予感だ。

【著作権者】
RABBIT-GARDEN
【対応OS】
(編集部にてWindows XP/7 x64で動作確認)
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
-(12/07/08)

“超能力”と“推理”が交差するSFミステリーノベルゲーム「LOOT」

「LOOT」 「LOOT」

主人公の市松明人は九条ミリアと協力し、能力者を殺して力を奪い取る“盗賊”が誰かを探すことに 主人公の市松明人は九条ミリアと協力し、能力者を殺して力を奪い取る“盗賊”が誰かを探すことに

主人公の能力“盗聴”が発動中の画面。通常の文章とは別に、画面右上へ盗聴された内容が同時進行で流れるのが面白い 主人公の能力“盗聴”が発動中の画面。通常の文章とは別に、画面右上へ盗聴された内容が同時進行で流れるのが面白い

すべての能力の効果や制限は、ゲーム中いつでも確認できる すべての能力の効果や制限は、ゲーム中いつでも確認できる

 「LOOT」は、超能力というファンタジー要素と、推理というミステリー要素が融合したノベルゲーム。夏コミでは完成版を頒布予定で、体験版では序盤をプレイできる。

 R大学文学部所属の主人公“市松明人”は、他人が聴いている内容を離れた場所からでも盗み聞きできる能力“盗聴”の持ち主。周囲の能力者の存在がわかる“察知”能力をもつ“九条ミリア”に協力を呼びかけられ、能力者を殺して力を奪い取る“盗賊”能力の持ち主を探し、その凶行を止めさせるため捜査を開始する。

 通常、“何でもあり”の超常現象を起こせてしまう超能力は、論理を積み重ねて真実を導き出すミステリーの題材として扱うのは難しいものだが、そこに敢えて踏み込んだ意欲作。本作では、全12の能力の効果および制限があらかじめプレイヤーに開示されており、各登場人物の行動から、『これはこの能力を使ったのではないか』とアタリをつけ、どの人物がどの能力を持っているのか、ひいては誰が“盗賊”かを推理していくという趣向だ。

 登場する能力の内容は、5m以内の対象の考えていることがわかる“読心”、触れた対象の記憶を1日分消す“忘却”、物体や場所の過去を知ることができる“幻視”などさまざまだが、他人を欺いたり、それを見破ったりするためのものが多い印象。体験版の収録範囲では本格的な捜査はこれからというところだが、手に汗握る情報戦が期待できる。

 一方、公式サイトでは本作のウリとして“能力バトル”も挙げられており、五感のうち1つを永久に失う代わりに1日不死となる“圧縮”など戦闘向けの能力も。直接戦闘向けの能力者とは言い難い明人やミリアが、どのように知略を尽くして“盗賊”と相対していくかも楽しみだ。

【著作権者】
CREO
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
3(12/08/07)

重量級のロボットバトルが展開!「鎧装重機アルシオーネ」

「鎧装重機アルシオーネ」 「鎧装重機アルシオーネ」

画面を埋め尽くす迫力でロボットによる戦闘が描かれる。“重機殺し”の猛攻に、軽量重機“レックス”1台では歯が立たない 画面を埋め尽くす迫力でロボットによる戦闘が描かれる。“重機殺し”の猛攻に、軽量重機“レックス”1台では歯が立たない

颯爽と登場し、ガトリング砲で敵を退ける“アルシオーネ” 颯爽と登場し、ガトリング砲で敵を退ける“アルシオーネ”

 「鎧装重機アルシオーネ」は、近未来の日本を舞台としたロボットバトルもののノベルゲーム。イベントごとに随時シナリオ追加などを行いながら発表されており、夏コミではシステムを微調整した新バージョンを頒布予定とのこと。体験版は20分程度の内容で、序盤の見せ場となるシーンをプレイできる。

 人類に反乱を起こした無人兵器と、“重機”と呼ばれる戦闘用ロボットが戦いを繰り広げている時代の物語。本作は、複数の登場人物の日記という形でシナリオが綴られており、本体験版は埼玉県飯盛峠で戦う部隊に所属する“漢気錬造”の視点で進行する。

 戦力的に劣るなか、軽量重機“レックス”で果敢に敵の侵攻を凌いでいた錬造達だが、ついにベースキャンプへ敵の侵入を許してしまう。“重機殺し”の異名をもつ超重量級無人兵器に最後のレックスが倒されようとするそのとき、颯爽と登場したのは兵器としては非常識なソニックブルーに塗装された鎧装重機。これこそが、“最強の重機”と謳われ、圧倒的な力で無人兵器を倒し続ける“アルシオーネ”だった!

 金属の重厚な質感を感じさせる3DCGによって表現されたロボットが、画面いっぱいに描かれるのがまず目を惹く作品。大胆なカット割りやSEを駆使して、アルシオーネによる規格外のバトルが畳みかけるように展開する。

 癖のあるキャラクター達も本作の見どころ。アルシオーネのパイロットである神農原宗男少尉は、凄腕だがセクハラ発言ばかり、でも憎めないチョイ悪オヤジといった風体だ。その妹の姫子は、アルシオーネのコ・パイロット(副操縦士)だがどこか抜けていてマイペース。また、硬派で朴訥な印象の錬造だが、実は女性が苦手なだけなのがモノローグからわかるのも面白い。

 体験版はある事情により、錬造がアルシオーネのパイロットとなる決意をする所で終了。状況に流されるなかでも、今一番大事なことは何かを見極め覚悟を決めていく錬造の、今後の活躍に期待が高まる作品だ。

常識外れの豪快な戦いぶりが鮮やかに映えるアルシオーネ 常識外れの豪快な戦いぶりが鮮やかに映えるアルシオーネ

錬造にアルシオーネに乗るよう促す神農原兄妹。その真意は……? 錬造にアルシオーネに乗るよう促す神農原兄妹。その真意は……?

【著作権者】
黒柴亭
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/Server 2003/Server 2008など
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
08.01_trial(12/07/28)

(アクション・シューティングゲーム編 芹澤 正芳、アドベンチャー・ノベルゲーム編 中村 友次郎)