週末ゲーム

機械で魔法を使える世界を舞台としたシミュレーションRPG「To Realize!」

カスタマイズが決め手の4人パーティバトル

(12/01/13)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、機械によって魔法が使える世界を舞台としたシミュレーションRPG「To Realize!」を紹介しよう。

勇者にあこがれる青年と3人の少女の冒険を描くシミュレーションRPG

主人公のアルシェスと3人のヒロインは最初から仲間で、仲もいい 主人公のアルシェスと3人のヒロインは最初から仲間で、仲もいい

バジルと名乗る傭兵の依頼から物語は動き出す バジルと名乗る傭兵の依頼から物語は動き出す

 「To Realize!」は機械で魔法が使える世界を舞台に、勇者にあこがれる青年“アルシェス”と3人の少女がパーティを組んで旅をするシミュレーションRPG。うだつの上がらない冒険者であるアルシェス達は、ある捜し物の依頼を受け、そこから思いも寄らぬ事件に巻き込まれていくというストーリーだ。3人のヒロインのうちひとりと関係を深めていく展開もあり、ややコミカル系のキャラ立ちも楽しい。

 ゲームの進行はほぼオーソドックスなRPGで移動画面は2Dトップビューだが、シンボルエンカウントで戦闘が発生するとフィールドがそのまま格子状に区切られた戦闘マップとなり、パーティの4人をユニットとして操作して戦うことになる。アルシェスは魔法を使えない物理攻撃メインの近接攻撃ユニットで、年齢200歳を越える自称美少女の“エーゼル”は攻撃魔法、インチキくさい新興宗教にハマっている“マリア”は回復魔法、怪力エルフの“ガブリエル”は物理系遠隔攻撃魔法を得意とする。これらの特性を活かすことが勝利の鍵だ。

街やダンジョン内の移動はトップビューのRPG形式 街やダンジョン内の移動はトップビューのRPG形式

戦闘画面。青い丸が移動可能な場所で、敵味方を飛び越しての移動はできない 戦闘画面。青い丸が移動可能な場所で、敵味方を飛び越しての移動はできない

魔法使いの能力や使う魔法を自由にカスタマイズ

魔法を使うための機械、デヴァイサーの部品。これらを組み合わせて性能アップを図る 魔法を使うための機械、デヴァイサーの部品。これらを組み合わせて性能アップを図る

 本作の特徴は装備品と魔法のカスタマイズだ。装備品はアルシェスのみ剣と鎧、盾などのオーソドックスなものだが、魔法を使う3人は“デヴァイサー”という魔法を使うための機械のみを装備する。デヴァイサーは基本部品の“コアフレーム”、性能がSP(一般的なRPGのMPに相当)の最大値を大きく左右する“動力中枢”、魔力や器用さなどステータスに影響する“発動体”と“排熱機構”という4種類のパーツで構成されており、組み合わせによって能力が大幅に変動する。また、アルシェスの剣も4種類のパーツで構成されていて、組み合わせで性能をカスタマイズすることが可能となっている。

 さらに、デヴァイサーを装備しているだけでは魔法を使うことはできない。魔法は、初期から所持しているもの以外は“合成”によって作成する必要がある。魔法にはSPを消費して使用する“発現魔法”、防具の代わりとなる“迎撃魔法”、さまざまなステータスをアップさせる“補助魔法”の3種類があり、これらの魔法をデヴァイサーに“装備”することで利用できる。

 ただし、デヴァイサーには魔法を装備するためのスロットがあり、スロット数以上の魔法を装備することはできない。スロット数はデヴァイサーの4つの部品に設定されているレベルの合計に応じて増えるが、魔法も強力なものほど必要スロット数が多いのでバランス感覚が必要だ。なお、発現魔法以外を装備するとSPの最大値が下がるので、これも考慮に入れてカスタマイズしよう。

エーゼルが初期から使える“ファイアブリッド”は効果範囲が4と広く、攻撃の主力となる エーゼルが初期から使える“ファイアブリッド”は効果範囲が4と広く、攻撃の主力となる

ガブリエルの“精霊パンチ”は射程1で威力も低いが即座に発動し、消費SPが0で使いやすい ガブリエルの“精霊パンチ”は射程1で威力も低いが即座に発動し、消費SPが0で使いやすい

 発現魔法の多くは射程距離が長く、攻撃範囲は単体のものから一定範囲を対象としたもの、画面全体が対象のものなどさまざま。さらに火や水などの属性があり、敵の属性耐性によって与えるダメージが大きく変動する。相性がいいとダメージが増大する反面、相性が悪いとまったくダメージを与えられないケースもあるので、魔法は各自複数の属性を備えておこう。

 さらにガブリエルの“精霊パンチ”など、魔法でありながら攻撃特性が物理タイプのものもあり、物理70%・魔法30%など両方の特性を併せ持つ場合も。なお、アルシェスも剣の部品によって特殊な技を使用可能。また物理・魔法攻撃共に、“ナイス”や“クリティカル”などの判定によるダメージアップも発生する。

 戦闘時の行動順は、すばやさなどを基準にキャラクターごとの行動順が順次決まるタイプ。すばやさに加えて、選択したコマンドの“追加待機時間”によっても次の行動順が変化する。強力な攻撃ほど次の行動までの間隔が長くなるので、あとわずかで倒せる場合は追加待機時間の少ない“軽い”攻撃を使うといい。また、魔法にはコマンド決定から発動までに詠唱時間がかかるものがあり、これも強力なほど時間がかかる仕組み。詠唱中に対象が魔法の効果範囲外に移動した場合はキャンセルとなってしまうので注意しよう。

プレイ内容によってダンジョンクリア時の評価が変化、魔法合成などのやり込み要素も

ダンジョンに持ち込めるアイテムは最初は5つ。SP回復アイテムを忘れないように ダンジョンに持ち込めるアイテムは最初は5つ。SP回復アイテムを忘れないように

魔法を合成。適当な組み合わせでも合成できるが、ショップでレシピを買うと確実だ 魔法を合成。適当な組み合わせでも合成できるが、ショップでレシピを買うと確実だ

 戦闘が発生するエリアは“ダンジョン”という扱いになっていて、ダンジョンはHP・SP回復などのアイテムを持ち込める数に制限がある。さらにダンジョン内で拾ったアイテムもその制限数内に収める必要がある。これはSPの回復手段が少ないということであり、むやみに強力な魔法を連発しているとダンジョンの最後に待ち受けるボス戦でSP切れになりかねない。消費SPの少ない魔法もうまく利用して戦いたいところだ。

 ダンジョンクリア時にはパーティのレベルや倒した敵の数、宝箱の入手数、エクストラボスの撃破などにより“冒険者ランク”が算出され、ランクが高いほどボーナスとして獲得できるお金や経験値、アイテムなどがよいものになるほか、レアアイテムと交換できる“ギルドポイント”も多く得られる。パーティのレベルは低いほど評価が高くなる仕組みだ。フルコンプを目指すならじっくり攻略してみよう。

 魔法を増やすための“合成”の方法は、ダンジョンやショップで入手した素材アイテムを3つ消費して、魔法に変換するというもの。合成のレシピはいくつかショップで販売されていて、これを買って魔法を作ってもいいが、適当な組み合わせでも何らかの魔法が完成するので自力で試行錯誤するのも面白い。作った魔法は前述の通り装備することで使用可能となるため、複数人で同じ魔法を使いたい場合は人数分合成する必要がある。各種回復魔法や強力な防御力アップ魔法“レイバリア”などは複数作るといい。

 魔法のレシピやレアアイテムを探す要素などもあるが、シナリオを進める分にはその時点で入手できるベストの装備を選んでいけばまず問題ない。進行はほぼオーソドックスなRPGだがダンジョン探索がシミュレーション風なので無駄なレベル上げが必要なく、戦闘が最小限で済むためテンポも良好。反面、レベルを上げてのパワープレイはできないため属性耐性が幅広いボス戦で苦戦したり、回復アイテム不足になるケースがあるものの、そこだけ注意しておけばRPGやシミュレーションに不慣れでも十分クリアを目指せる。また、合成できる魔法は100種類以上用意されており、戦闘の組み立ても豊富なバリエーションがあるため、やり込みプレイも楽しい作品だ。

【著作権者】
神鏡 学斗(みかがみ がくと)氏
【対応OS】
Windows XP/Vista(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.15(11/11/30)

(藤井 宏幸)