週末ゲーム

大商人を目指すRPG「行商!」

商売が世界を発展させる!? 要素満載の行商RPG

(11/11/25)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、町を渡り歩き、さまざまな品物を売買しながら大商人を目指すRPG「行商!」を紹介しよう。

どんどん世界が広がっていく楽しみを味わえる行商RPG

安く買って、高く売れる場所に持っていくのが基本の行商RPG

安く買って、高く売れる場所に持っていくのが基本の行商RPG安く買って、高く売れる場所に持っていくのが基本の行商RPG

 「行商!」は、2D見下ろし画面のフィールド探索型RPG。プレイヤーは駆け出しの商人となり、相棒の精霊“レーニャ”と共に、とある島国で大商人を目指す。基本的には、各町の特産品を安く仕入れ、ほかの町で高く売ってお金を稼ぐという流れで、自分の店を持つなどして大商人となるのが大きな目的だ。

 しかしそれだけでなく、行商をしていくうちにさまざまな人と出会い、困っている人を助けるなど多彩なイベントに巡り会えるのが面白いところ。商売が大きくなるにつれて、自分が町、そして国全体を盛り上げているような気分まで味わえるなど、スケールがどんどん大きくなっていくのも楽しい。ほかにも傭兵を雇って珍しいお宝を探しに行くのもよしと、商売だけではなく冒険気分も味わえる。

 ゲームは港町“コープス”からスタートする。町にあるギルドで商売の基本を学んで最初の資金を得られるので、まずはコープスの名産で価格も安い“塩”を仕入れて、砂漠の町“ララ”や草原の町“ステイク”に出向くのが手っ取り早い稼ぎ方だ。なお、仕入れ時には価格交渉で値切ることも可能。どこまで値切れるかは、相手の性格や自分の交渉力によって大きく変化する。最初は1回しか価格交渉ができないので、少しだけ値切って商人としての経験を積むのが得策だ。

 ちなみに、町には気前よく値引きに応じてくれる店も存在している。町の住人たちと会話して、お得な店を探すのも楽しみのひとつだ。また、売るときにも交渉で買い取り価格をつり上げられる。

 なお、売買を成立させると商人としての経験値を得られ、レベルがアップしていく。キャラクターの能力には、“算術”“交渉術”“統率力”“魅力”があり、基本的に算術と交渉術の数値が高いほど安く購入でき、高く売ることが可能となる仕組みだ。統率力と魅力は、将来的に自分の店を持ったときの経営に大きく関わる。

 このほか、各町には行商仲間を求める商人たちが居て、パーティに入れられる。品物の値切りや売値をつり上げる交渉は仲間に任せることも可能なので、能力の高い商人を探して、商売を有利にするという手もある。ただし、交渉は自分で行ったほうが得られる経験値は多い。

 また、売買を繰り返せば主人公と同じく、仲間の商人もレベルが上がっていく。自分の店を持つ場合、仲間を店長にして店を任せられるが、商人としての能力が店の売り上げを大きく左右するので、長く一緒に行商をして育てておくのもアリだ。なお、商人は何度でも仲間にしたり別れたりできる。

売買の価格は自分で交渉して、よりお得にすることも可能だ売買の価格は自分で交渉して、よりお得にすることも可能だ

商人を仲間に入れて、価格の交渉役にしたり店長にすることもできる商人を仲間に入れて、価格の交渉役にしたり店長にすることもできる

 町から町への移動にはいくつか方法があるが、基本となるのは徒歩。道沿いに歩いていれば、敵に襲われることもなく安全にそれぞれの町へ移動できる。少しでも道を外れると敵と遭遇しコマンド選択式の戦闘となるが、町で雇える傭兵がいない状況ではまず勝ち目はない。商人だけのパーティで敵と遭遇した場合はすぐに逃げるのが一番だが、品物を持っている場合、逃走時に一部落としてしまうペナルティが発生するのを覚えておこう。

 戦闘ですべての仲間の体力がゼロになるとゲームオーバー。タイトル画面に戻ってしまうので気をつけてほしい。ちなみに仲間にできるのは、傭兵と商人を合わせて4人まで。商人を仲間にするのにお金は必要ないが、傭兵はゲーム内の時間における月単位でお金を払い雇うことになる。お金に余裕ができるまでは、戦闘は避けたほうがいいだろう。

道以外には敵が出現。戦うには傭兵を雇うことが必須だ道以外には敵が出現。戦うには傭兵を雇うことが必須だ

戦闘はコマンド選択式のターン制。傭兵以外で敵を倒すのは至難の業だ戦闘はコマンド選択式のターン制。傭兵以外で敵を倒すのは至難の業だ

 徒歩以外の移動方法としては“乗り合い馬車”と“キャラバン”もある。どちらも一瞬で指定した町に行けるので便利だが、お金が必要。また、歩いて行くよりも日数が経過してしまうので、傭兵を雇っている場合お金がムダになる可能性もある。ワールドマップはそれほど広くはないので、町の位置を覚えて徒歩で移動するのがお勧めだ。

人との出会いが商売を大きくしていく

人々との出会いによって扱える品物が増えていくのも面白い人々との出会いによって扱える品物が増えていくのも面白い

自分の店を持つのが大きな目標。町を発展させて、店を盛り上げよう自分の店を持つのが大きな目標。町を発展させて、店を盛り上げよう

 序盤こそ、ちょっと買って、ちょっと売るという地味な展開にはなるが、各町にはさまざまなイベントが散りばめられている。町の住人に話しかけると“荷袋”や“ロバ”を買って持てる品物の量を増やせたり、町の人が求めている品物を渡すとその町に高額で取引できる品物が入荷されたり、町の人が探しているアイテムを渡して情報を入手したりと、じわじわと大きな商売が可能になっていくのが実感できる。

 お金が貯まってきたら、次にするべきは自分の店を持つことだ。店を持つには空き屋と、首都“アルバーン”で購入できる許可証が必要となる。自分の店を持てば、毎月の売り上げが入ってくるのがうれしいところ。売り上げをアップするには、店長に優秀な商人を配置するのはもちろん、その町の発展が重要となる。

 町には人口のほか“治安”“文化”“産業”“活気”“健康”“幸福”のパラメーターがあり、それぞれの数値は町の神父に話しかければ確認することが可能。これらのパラメーターは、品物の売買で大きく変化する。たとえば回復薬を大量に仕入れて売れば、その町の“健康”がグッとアップするといった具合で、どの品物がどのパラメーターをアップさせるのかを探すのも面白い。

 すべてのパラメーターが高くなれば人口が劇的に増え、自分の店の売り上げも伸び、町も活気づく。商売を通じて、よりよい町づくりに貢献できるのが醍醐味だ。商売が大きくなると、町の住人から“有名になったね”といった言葉をかけてもらえるようになるのもうれしい。

 このほかにも、ワールドマップには洞窟などもあり、さらなるイベントの発生に繋がるアイテムも眠っている。お金に余裕ができたら、傭兵を雇って世界の隅々まで歩いてみるのも面白い。さらには、商人の育成所で新人の商人を育ててみたり、債権者を追ってみたり、戦いで廃れてしまった町を復興させたりと、お金が増えてくるとやれることがどんどん増えていく。プレイするほど自分ができることが広がっていくのが一番の魅力。派手さはないものの、文句なしにオススメの1本だ。

傭兵がいれば行動範囲は一気に広がる。隠れた洞窟などを探すのも楽しい傭兵がいれば行動範囲は一気に広がる。隠れた洞窟などを探すのも楽しい

町を復興させる大がかりなイベントも。旅する楽しみが詰まっている町を復興させる大がかりなイベントも。旅する楽しみが詰まっている

【著作権者】
たかみつあきら 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.24(11/11/07)

(芹澤 正芳)