週末ゲーム

“究極の選択”型フリーシナリオRPG「ARTIFACT ADVENTURE」

開始5分で飛行船ゲット!? プレイヤーの選択で変わる展開が魅力

(11/10/28)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、プレイヤーの選択によりクエストの展開が変わっていくフリーシナリオRPG「ARTIFACT ADVENTURE」を紹介しよう。

レトロ調のグラフィックとサウンドが特徴の自由度が高いRPG

グラフィックやサウンドはファミコン時代のRPGを思わせるレトロ調 グラフィックやサウンドはファミコン時代のRPGを思わせるレトロ調

 「ARTIFACT ADVENTURE」は、世界各地でさまざまなクエストをこなしながらパーティを強化していき、世界を脅かす“沼地の王”の討伐を目指すフリーシナリオタイプの2D RPG。特徴は、ファミコン時代のRPGを思わせるドット絵によるグラフィックや8bitサウンド、ゲーム進行の自由度の高さ、そしてゲーム中に何度も訪れる“究極の選択”によるシナリオ展開だ。

 なお、本作は1,050円(税込み)でダウンロード販売されており、体験版が公開されている。体験版はゲーム全体の3分の1程度を遊ぶことが可能だが、セーブデータを製品版に引き継ぐことはできない。

プレイ開始時に究極の3択、クエストの展開も選択により変化

 本作は、プレイ開始直後から最後の戦いまで、常に“究極の選択”を迫られるのが一番の悩み所であり、醍醐味だ。4人の主人公の職業と名前を決めてゲームを始めると、まず最初に王様から、冒険に役立つ3つの贈り物が贈られる。ただし、冒険者達はこのうち1つしか手にすることしかできないのだ。

王様から贈られるアーティファクトは4種類。クリティカルヒットが出やすくなるものなど、いずれもMPを消費せず常時加護を受けられるものなので職業に関わらず利用できる 王様から贈られるアーティファクトは4種類。クリティカルヒットが出やすくなるものなど、いずれもMPを消費せず常時加護を受けられるものなので職業に関わらず利用できる

 贈り物のうち1つ目は、一般的なRPGにおける魔法に相当する“アーティファクト”。本作のタイトルにもなっているアーティファクトとは、この世界の各地に点在する精霊のような存在で、手にしたものに力を与えてくれる。アーティファクトはそれぞれ世界に1つずつしかない特別なものだが、王様から贈られるアーティファクトはそのなかでもとくに強力で、戦闘などを有利に進められるようになる。

 2つ目は、世界中に散らばり知識を伝える“八賢者”のほこらへ入るための鍵。八賢者から話を聞くことで、この世界や“沼地の王”の謎に迫ることができる。逆に言えば、一般的なRPGならゲームを進めることで徐々に明らかになっていくような謎も、この鍵を得なければ知ることはできない。

 そして最後が、RPGで手に入れるものとしては定番ながらも、最初に手に入るものとしては常識破りな“飛行船”。海や山を越えて世界中を移動できる。普通のRPGなら終盤で手に入るアイテムが、開始5分で入手できてしまうのだ。その気になれば、ゲーム開始直後にラスボスの待ち構える城へ突撃することもできる。もちろん、勝てるかどうかは別の話だが……。

八賢者のほこらでは、世界の成り立ちや沼地の王についての話を聞くことができるほか、貴重なアイテムも入手できる 八賢者のほこらでは、世界の成り立ちや沼地の王についての話を聞くことができるほか、貴重なアイテムも入手できる

飛行船を手に入れれば、ゲーム開始直後にラスボスの城へ突入することも可能 飛行船を手に入れれば、ゲーム開始直後にラスボスの城へ突入することも可能

 これら3つの贈り物のうち、最初に選ばなかったものは二度と入手する機会がなく、ゲーム開始から頭を悩ませることになるだろう。そして、世界の各地で遭遇するクエストやイベントにおいても、この“究極の選択”は常について回る。

村の産業を支えているアーティファクトを戦いのために持っていくか、そのままにしておくかの選択を迫られる 村の産業を支えているアーティファクトを戦いのために持っていくか、そのままにしておくかの選択を迫られる

 たとえば、冒険者達が最初に訪れることになる村は、特産品である“いやしのみず”というアイテムの販売で生計を立てているが、実はこれは村の井戸の中にある回復のアーティファクトが、水に癒やしの力を与えたもの。そして冒険者達は、村の宿屋で怪しい男達から、このアーティファクトを盗む手伝いを、序盤ではあり得ない高額の報酬で持ちかけられる。

 冒険者達は、怪しい男達の話に乗ってもいいし、沼地の王の討伐に必要だからとアーティファクトを譲り受けてもいい。また、村の産業を守るため、敢えてアーティファクトをそのままにすることもできるが、この場合は序盤での貴重な回復手段を失うことになる。

 これらの選択は、どれを選べば正解というものではなく、何を選んでもメリットとデメリットがある。また、重要なアイテムの入手と人助けを天秤にかけるはめに陥ったり、すべてを同時に救える選択肢は存在しないなど、クエストの展開はシビアなものも多い。思わず考え込んでしまうような選択の先には、さまざまなドラマが待ち受けている。

 さらに、1つのクエストの結果から、後になって別のクエストが派生することがある。しかし本作では1回のプレイでセーブできる箇所は1つなので、展開が気に入らないのでしばらく前まで巻き戻す、といった手は使いにくい。それだけに、ひとつひとつの選択の重要さがより際立ってくる。そして、あらゆるクエストにおける冒険者達の選択の結果が、本作のエンディングに影響を与えていく。

アーティファクトを使いこなし、ダンジョン探索と戦闘をこなしていこう

アーティファクトはフィールド上や戦闘中に利用できる アーティファクトはフィールド上や戦闘中に利用できる

 アーティファクトは前述の通り、主に魔法のように戦闘中やフィールドでMPを消費して利用するもの。それぞれ1つずつしか存在せず、街でお金を払って買ったり、クエストをこなして人から譲ってもらったり、ダンジョンの奥深くで冒険者達を待ち構えていたりなど入手方法はさまざまだ。

 1つ大きなポイントは、アーティファクトの力を手にできるのはパーティメンバーのうち誰か1人だけで、あとで受け渡したりすることもできないという点。そのため、パーティーメンバー4人のうち、誰がどんなアーティファクトを使うのか、攻撃や回復、補助など、役割分担をしっかり考えていく必要がある。

 パーティメンバーの職業は、全6種類。戦士、修道僧、呪術師というオーソドックスな3種類に加えて、野武士、探検家、夢想家というユニークな職業も用意されている。

 野武士はすばやさが高く弓を扱えるほか、回復アイテムの効果が倍増するのが大きな特徴。本作ではアイテムを持てる数が1人10個(装備品含む)に制限されているので、回復役としても重宝する。また探検家は、物理攻撃も魔法攻撃もこなし、威力の高い専用装備である銃を使える職業だ。

 また、とくにユニークなのが夢想家で、ステータスはHPがそこそこ高いがそれ以外は全般的に低い。しかし、“自分は何にでもなれる”という思い込みの力により、あらゆる職業の装備を使いこなすことができる。

 戦闘自体は、ファミコン時代のドラクエそのものと言える、シンプルなコマンド選択型。特徴的な要素としては、敵の弱点をつく属性攻撃は効果が高かったり、弓や銃は矢や弾がないと撃てず、特殊な効果をもつ矢や弾があるといった点が挙げられる。

 また、とくに重要なのは、戦闘ではパーティの並び順で前にいるキャラクターほど、敵から攻撃されやすい点。RPGの戦闘ではよくある要素だが、本作ではこの偏りがとくに大きく、先頭キャラクターはまさに“盾”と言える存在になる。パーティ編成はもちろん自由だが、HPがほかの職業の平均と比べて2倍程度あり、防御力も高い戦士はパーティの要として1人は入れておくのがお勧めだ。

パーティメンバーが選べる職業は戦士、探検家など6種類 パーティメンバーが選べる職業は戦士、探検家など6種類

戦闘はシンプルなコマンド選択型 戦闘はシンプルなコマンド選択型

 1回の戦闘はテンポよく進み、レベルも比較的早く上がるため、新しいダンジョンに挑む際は少し慎重に考えて戦い、レベルが上がったら決定キー連打でもOKという適度なバランスとなっている。また、経験値は戦闘だけでなく、クエストのクリアでも手に入るので、レベル上げのための戦闘はよっぽど行き詰まらない限り必要ない。

 エンカウント方式はランダムで、ダンジョン内でのエンカウント率はそこそこ高めだが、パーティより格下の敵ならほぼ確実に逃げられる。また、1つのダンジョンがそれほど長くなく、あまり意地悪な構造でもないため、それほどストレスを感じることはなく、サクサク探索を進めて行けるだろう。

 その代わり、セーブは街の宿屋でのみ可能となっている。また、全滅時は最後にセーブした街に戻る仕組みだが、この際に持ち金が半額になる上、さらに先頭キャラクター以外は戦闘不能状態のまま。戦闘不能を回復するには、序盤〜中盤ではかなり厳しい額のお金が必要なので、場合によってはロードしてやり直したほうがまし、ということになるだろう。ダンジョン探索時は、残りの回復アイテムやMPと相談しながら、引くか進むかの判断が重要となる。

たくさんの選択を積み重ねて、“自分だけの物語”を作り上げよう

 本作はここまで紹介してきたように、1回のプレイではすべての内容を堪能することはできないが、その代わりプレイ時間は10時間程度と、いまどきのRPGとしては短め。何度もプレイしてさまざまな展開を体験するのもいいし、1回のプレイでこれぞという選択をするのもありだろう。いずれにせよ、たくさんの選択の結果、“自分だけの物語”を作り上げられるのが本作の醍醐味だ。本作が気になったら、まずは体験版をプレイしてみてほしい。

【著作権者】
bluffman
【対応OS】
Windows XP/Vista/7
【ソフト種別】
ダウンロード販売 1,050円(税込み)
【バージョン】
1.1

(中村 友次郎)