週末ゲーム

凝った戦闘と時間経過が特徴のダンジョンRPG「地底血花洞」

どう戦う? 制限時間&クセ者モンスターと勝負!

(11/09/16)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした良作を毎週紹介していく。今回は、凝った戦闘と時間制限が特徴のRPG「地底血花洞」を紹介しよう。

時間制限のなかで“怪人”を倒していくダンジョンRPG

マップ上には宝物や固定出現の敵などが配置されているほか、ランダムエンカウントが発生するマップ上には宝物や固定出現の敵などが配置されているほか、ランダムエンカウントが発生する

中ボスとなる怪人とは、戦いに至るまでのやりとりがある。そして強い中ボスとなる怪人とは、戦いに至るまでのやりとりがある。そして強い

 「地底血花洞」は、神々より使命を受けた主人公が、“貪欲の巨人”と4人の“怪人”を倒すために地底世界を潜っていくダンジョン探索RPG。主人公は1人で探索を開始するが、物語が進むにつれて仲間が増えていき、最大で4人パーティを組むことができる。操作はマウス、キーボードどちらでも可能だ。

 ダンジョンの表示はクォータービューで、マップを移動したり、見る、話す、戦闘などの各種行動をとるとゲーム内の時間が経過。一定時間が経過すると中ボスの怪人が強くなってしまう。さらに、あまりにも時間を経過させすぎるとゲームオーバーだ。その代わり、戦闘で全滅してもペナルティで多くの時間が経過してしまうだけで、ゲームオーバーにはならない。

 また、セーブは移動中に随時可能だが原則として1カ所にしかできず、中ボス戦などいくつかのタイミングでオートセーブされてしまうので、セーブしたところからやり直し、という手段は使いにくい。ただしゲーム内時間で3日に1回、地上にある町で別のセーブファイルを作成できる。

 なお、本作は二部構成で、今回紹介する第一部はフリーソフトとして公開されている。第一部は体験版という位置付けではあるが、第一部だけでも物語は一区切りがついており、プレイ時間も8時間程度と十分なボリュームだ。第二部までを含むバージョンは同人ソフトとしてリリースされており、執筆時現在はダウンロード販売や同人ショップでの委託販売が行われている。

あらかじめセットしたスキルがランダムでコマンドになる戦闘システム

コマンド選択式のバトルだが、コマンドはスキル設定により戦略性とランダム性があるコマンド選択式のバトルだが、コマンドはスキル設定により戦略性とランダム性がある

スキルは20個までセット可能。ここから7つがランダムでコマンドとして出現するスキルは20個までセット可能。ここから7つがランダムでコマンドとして出現する

消費アイテムの“書”は強力な効果をもつ消費アイテムの“書”は強力な効果をもつ

 戦闘はランダムエンカウント。戦闘システムはコマンド選択型だがかなり個性的。キャラクターごとに20個のスロットにスキルをセットしておき、戦闘時はそのなかから7つがランダムに選ばれコマンドになるという、デッキ構築型のカードバトルに近い仕組みだ。コマンドを実行すると再びランダムにコマンドが1つ補充される。スキルは同じものを複数セットできるので、使いたいスキルがよく出るようにバランスを考えてセットしよう。

 スキルには武器による通常攻撃のほか、魔法攻撃や特殊攻撃、回復、ガード、必殺技などがあり、スキルによってはMPやSPというポイントを消費する。魔法はMPを、物理系の必殺技などはSPを消費することが多く、両方を消費するスキルもある。

 スキルは同じ系統のものを使えば使うほどレベルが上昇していき、より強力なスキルが使用可能となっていく。それとは別に敵を倒すと入手できる経験値があり、レベルアップでHPや攻撃力などのステータスも向上していく。

 また、スキルによるコマンドとは別に常時使える共通コマンドとして、MPとSPを7ポイント程度回復する“パス”、コマンドとして表示されているスキルをランダムに一新する“シャッフル”、スキルをセットし直す“スキル変更”、戦闘を離脱する“逃走”がある。また“書”という特殊アイテムを使うことも可能。これらを駆使して戦闘をこなし、地底世界を深く潜っていこう。

 また、この世界には“呪泥”と“金”という2種類の通貨があり、それぞれ購入できるものが異なる。装備品や“書”は戦闘で勝利したりマップ探索でも入手できるが、呪泥や金と交換する装備品は序盤~中盤は主力となる性能のものが多いので、活用していこう。ただし所持品は売却できないので、必要なものを厳選して手に入れたほうがいい。ある程度装備が整わないと中ボスの怪人戦は厳しいので、序盤は地上にある町でモンスター退治の仕事をこなして金を入手し、装備を調えるのが手堅いだろう。また、呪泥は仕事では入手できないため、金より希少価値が高い。無駄遣いしないように注意が必要だ。

 消耗したHPやMP、SPはあるフロアに存在する休憩所で全回復できるが、12時間も経過してしまうので多用できない。HPは移動中にMPとSP、および若干の時間を消費する“全回復”というコマンドで回復可能だ。MPとSPは戦闘中に“パス”で回復するほか、MP、SPを消費しない行動をすることでも最低1ポイントは回復するので、うまく節約して戦っていけば休憩所に戻る頻度は少なくなる。また、MP、SPを回復するスキルもあるほか、マップ上には一度使うとHP、MP、SPを回復して消える魔法陣もあるので、これらを利用して時間をなるべくかけずに探索を続けていくこともクリアの秘訣だ。

地上の町ではモンスター退治の仕事を受けて“金”を獲得できる。装備を調えよう地上の町ではモンスター退治の仕事を受けて“金”を獲得できる。装備を調えよう

全回復のコマンドを実行すると、MP・SPおよび若干の時間と引き替えにHPを回復できる全回復のコマンドを実行すると、MP・SPおよび若干の時間と引き替えにHPを回復できる

個性的なキャラクターや独特の世界観も魅力

 ゲームの中心となる戦闘はかなり手強い。実行可能なコマンドがある程度ランダムであることもだが、敵の能力や使う特殊スキルも厄介なものが多く、毒や麻痺といったよくあるものから、物理攻撃をほとんど無効化する障壁、全体攻撃、特定の属性の能力を強化していく地脈強化、MP・SP吸収、アイテム使用不可など、多彩な手段でプレイヤーのパーティに対抗してくる。武器、防具を充実させ、うまくコマンドを配分して戦おう。なお、スキルのセット時に一番上へセットしたスキルは戦闘開始時、必ずコマンドの1番目に出現するので、これをうまく利用すると戦略が組み立てやすくなる。回復系や特殊ガードなど、重要なスキルを配置しておくと生き延びやすくなるだろう。

序盤で遭遇する女性キャラクター2人。彼女達が戦う目的とは?序盤で遭遇する女性キャラクター2人。彼女達が戦う目的とは?

 とにかく歯ごたえのある戦闘が醍醐味なので、RPGの戦闘が好きという人は存分に楽しんでもらいたい。反面、じっくりレベルを上げて探索やクエストを楽しみたいという人には時間に制限がある点が厳しいかもしれないが、難易度はNORMALとEASYがあり、EASYなら問題はないだろう。敵となる怪人や仲間となるキャラクター達の少し濃いめのエピソードやイベント、独特の世界観など見るべき部分も多く、なかなかの力作と言える。挑戦してみてはいかがだろうか?

「地底血花洞」第一部

【著作権者】
あさた屋
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-

(藤井 宏幸)