週末ゲーム

時間制限つき・一筆書き風RPG「一本道迷宮」

シンプルな自動生成ダンジョンを気軽に楽しもう

(11/04/15)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、短かめの自動生成ダンジョンを周回しながら進めていくRPG「一本道迷宮」を紹介しよう。

時間制限と“一筆書き”風の移動が特徴のダンジョンRPG

×印のついている床は一度通った場所で、進入不可となってしまう×印のついている床は一度通った場所で、進入不可となってしまう

戦闘はコマンド選択式。ただし逃げることはできず、勝つしか生き残る方法はない戦闘はコマンド選択式。ただし逃げることはできず、勝つしか生き残る方法はない

 「一本道迷宮」は、4人の冒険者を1人ずつ選んで、見下ろし型2D画面のダンジョンを探索していくRPG。ダンジョンはランダム生成になっていて、マップの構造や宝箱などの配置が毎回変わる。大きな特徴が2つあり、ひとつはダンジョンの踏破に時間制限があること。移動中は画面上に表示される制限時間のバーが減少していき、このバーがゼロになるとゲームオーバーとなってしまう。

 もうひとつは、一度移動した床は再び踏むことができない点で、これにより後戻りや同じ場所の周回ができなくなっている。袋小路に入ってしまうとゲームオーバーになるので、よく考えて移動しなければならない。戦闘はランダムエンカウントのコマンド選択式で、冒険者が負けた場合もゲームオーバーとなるが、“逃げる”コマンドはない。さらにダンジョン内ではセーブできないので、なかなかシビアだ。しかしマップが小さく、1回のダンジョン探索のテンポが早いのでリトライはそれほど苦にならない。

 また、ゲームが少し進行すると冒険者の拠点となる“メモリールーム”という場所が現れ、ゲームーオーバーになっても経験値とアイテムを保持したままメモリールームから再開できるようになる。各ダンジョンの最深部には手強い中ボスが待ち構えているが、何度もダンジョンへ入り、レベルや装備を充実させていけば勝てるようになる仕組みだ。

 中ボスを倒すと“メモ”という不思議な文章が入手でき、いったんメモリールームへ戻る。そしてダンジョンのレベルが上がり、よりダンジョンが深く、敵が強くなっていく。またメモリールームでは、ゲームの進行によってアイテムや装備の合成など、できることが増えていく。

画面上の制限時間バーがゼロになるとゲームオーバー。マップ上の時計を取って残り時間を回復しよう画面上の制限時間バーがゼロになるとゲームオーバー。マップ上の時計を取って残り時間を回復しよう

最深部には中ボスが。倒すことでダンジョンのレベルが上がっていく最深部には中ボスが。倒すことでダンジョンのレベルが上がっていく

さまざまな装備や能力を得てダンジョンを攻略していこう

冒険者は全部で4人。どのキャラクターからでもスタートできる冒険者は全部で4人。どのキャラクターからでもスタートできる

パーティを組むと、探索はグッと楽になる。ただしダンジョンの属性との相性が大切だパーティを組むと、探索はグッと楽になる。ただしダンジョンの属性との相性が大切だ

 冒険者はすばやさに優れる“アッシュ”、防御力が高い“ネイビー”、攻撃力が高い“ブラッド”、魔法が得意な“ナナイロ”の4人。それぞれ装備できる武器が違い、能力はかなり極端に違う。ダンジョンに入る際はその都度4人のうち1人を選択できるが、残る3人もそれぞれダンジョン内を探索していて、遭遇すれば2人パーティを組むことが可能。中ボスを倒すためにも、うまくコンビを組む必要がある。

 また、各冒険者はそれぞれ異なる属性のダンジョンに入る。たとえばアッシュを操作する場合は木、ネイビーを操作する場合は水の属性のダンジョンに入る仕組みで、敵もダンジョンの属性により傾向が違う。アッシュは自身も木属性をもっているため、木属性と相性の悪い火属性のダンジョンでパーティに組み込んでも戦力にならない。このように相性を考えてパートナーを選ぶことが大切だ。

 冒険者によって装備できる武器が異なる一方、防具やアクセサリーは共通のものが多く、それらに付随している“スキル”はさまざまな組み合わせができる。たとえば“クルミの化石”を装備すればHP回復スキルを得ることができ、消費アイテムの“ミルクパイ”を使わずに回復が可能となる。スキルは戦闘中のみ使用可能だが回数は無制限。また、装備品はステータスアップの効果も大きいので、選択が冒険者の戦闘スタイルに大きな影響を与える。自由度が高いので色々試してみよう。

拠点となるメモリールーム。ここでアイテムの合成や、スコアによる素材の購入も可能となっている拠点となるメモリールーム。ここでアイテムの合成や、スコアによる素材の購入も可能となっている

アイテムの合成。素材を集めて強力な装備を作ろうアイテムの合成。素材を集めて強力な装備を作ろう

ダンジョン内で得たスコアによって、新たな合成レシピが追加される。スコアは重要だダンジョン内で得たスコアによって、新たな合成レシピが追加される。スコアは重要だ

 ダンジョン内には宝箱、残り時間が少し回復する“時計”、HPが回復する“回復アイテム”の3つが配置されており、これらを回収しながらダンジョンの次の階へ続く階段を目指していく。宝箱にはアイテムのほか“スコア”が入っていることがあり、これは文字通り得点のこと。スコアを多く稼いでゲームオーバーにならずにメモリールームへ戻ると、合成可能なアイテムのレシピが増える。宝箱やモンスターから入手するアイテムの多くは合成用の素材アイテムで、レシピを増やして素材を消費し、より強力な武器、防具、アクセサリーを作り出していくのが攻略のポイントだ。

 さらに、冒険者ごとに任意のものをセットできる“キャパシティ”という能力があり、これはダンジョン探索を繰り返して特定の条件を満たすと増えていく。キャパシティには獲得スコアが2倍になるものや合成素材の出現率が上昇するものなどがあり、うまく使えばスコアを稼いだり素材を集めるのに役立つ。ほかにもダンジョンのレベルが上がって階数が増えてきたら制限時間の減少を遅くするキャパシティをセットしたりと、用途に応じてチョイスする必要がある。戦闘も制限時間もシビアなので、活用していきたい。

 ゲームをクリアするには全員で探索を進める必要があるので、4人すべてをバランスよく成長させていこう。序盤は行動が速いアッシュと、最初から回復魔法が使えるネイビーがおすすめ。ブラッドとナナイロは運が悪いと何度もゲームオーバーになるのを覚悟しておかねばならない。ある程度の防具やアクセサリーが揃い、HPの回復手段に困らなくなってきたら、どの冒険者も安定した探索ができるようになる。

 ダンジョンは1フロアが狭く、厳しい制限時間もあるため、プレイは非常にスピーディに進む。半日もプレイすれば結構な数がある合成アイテムもほぼ揃い、最終ダンジョンまで到達できるはずだ。そういう意味ではコンパクトなRPGだが、4人の冒険者の使い方は意外とバリエーションがあり、難易度自体も結構高めなので密度の濃いダンジョン探索を楽しむことができるだろう。大作RPGに手を出すほどの時間はないが、RPGの面白さを堪能したいという忙しい人にはとくにオススメしたい良作だ。

【著作権者】
1bit
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.03(11/03/18)

(藤井 宏幸)