『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、自機、仲間、母艦、僚艦、そして敵が入り交じって大混戦バトルを繰り広げる異色のシューティングゲーム「フライングナイスガイ」を紹介しよう。

敵と味方の両方で画面を埋め尽くす大混戦が見どころ

　「フライングナイスガイ」は、非常に小さい自機を操作して、敵の全滅、または敵基地の破壊を目指す横視点固定画面のステージクリア型シューティングゲーム。敵の数、攻撃ともに凄まじく、画面を埋め尽くす勢いだが、自機側も僚艦より数十もの仲間が出撃して迎撃していく。自機を見失うほどの大混戦バトルになるのが最大の見どころ。仲間はプレイヤーの判断で前方に突撃させることが可能で、いつ突撃させるのが一番効果的なのか状況を見ながら判断が必要と、リアルタイムストラテジーのような戦略性もあるのが面白い。

　ステージクリアの条件は、画面右上に表示される敵の数がゼロになるまで敵を倒すか、画面右下に表示される敵基地の耐久力ゲージをゼロにするか、このどちらかの達成となっている。敵基地は基本的に画面の右下にある巨大な建物だ。敵の数は非常に多く、ショットを当てにくいほど小さいこともあるため、基本的には基地の破壊を狙うとよいだろう。

　また、左上には自軍の残機数が表示され、自機または仲間が敵や敵弾によって破壊されると1つずつ減っていく。残機がゼロのときに自機が破壊されるとゲームオーバーだ。このほか、画面左下にある母艦の耐久力ゲージが敵の攻撃によってゼロになり、破壊されたあとに自機がやられた場合もゲームオーバー。なお、ゲームの進行状況は自動的にセーブされるので、ゲームオーバーになったステージから再開が可能となっている。また、残機は敵と敵弾の破壊によって獲得できる得点が一定値上昇するごと、およびステージクリアによって増えていく。

　基本的な操作は、カーソルキーが自機の移動、［X］キーまたは［W］キーがショットで前方へ弾を発射すると同時に下方向へ爆弾も投下する。［A］または［D］キーが仲間を前方に突撃させる“GO”ボタンだ。

仲間を大事にするか、突撃させるか選べるプレイスタイル

　ゲームのキーとなるのが“仲間”の存在だ。自機がショットを撃つと仲間も同じように攻撃を展開してくれ、敵や基地の破壊にとても役立つ。なお、自機は敵の攻撃を受けると一撃でミスとなり残機が減ってしまうが、味方は攻撃を受けると回転しながら飛んでいき、このときに続けて攻撃を受けると残機が減る仕組み。回転中に自機が近付くと復活するので、残機を減らしたくない場合は積極的に近付いて助けていきたい。

　また、仲間に色によって7つの属性があり、それぞれ行動が異なる。“緑”はゆっくり自機を追いかけ、“青”はすばやく自機を追いかけ、“赤”は自由にうろうろし、“橙”はちょっと前進したあとに待機する。“桃”は下方向に爆弾を射出し、“水”は母艦の耐久力を回復すると実に多彩だ。一番注意が必要なのは“紫”の仲間で、強力な貫通レーザーを発射してくれるが、これは仲間も巻き込んでしまう。発射する前に光るので、すばやく射線から離れよう。

　10ステージごとにボスが登場し、それを倒すとショップに行けるのも大きなポイントだ。ショップでは残機と引き替えに、自機をパワーアップさせるアイテムを購入できる。その内容は、移動速度が上昇する“ターボ”、斜め上と下にもショットを発射するようになる“カクサン、”攻撃範囲の広い爆弾を射出できるようになる“デカバク”、GOボタンを押すと突撃せずに自機から散らばり、この動作中に再度GOボタンを押すと突撃するようになる“ブンサン”など実に多彩だ。強力なものほど多くの残機が必要になる。なお、アイテムは自機がミスをするたびに1つずつ減っていくので、パワーアップを維持したい場合は、自機をしっかり守ることが重要だ。

　自機だけでは敵を倒すことも敵の攻撃を防ぐことも難しいため、仲間をどう扱うかがゲームを進める上で重要になる。敵の攻撃が激しいときは仲間を盾にしてしのぎ、敵基地を攻撃するときは仲間をその方向に誘導していくことが大切。GOボタンによる突撃は、敵を一掃し敵基地に大ダメージを与えられる強力な攻撃ではあるが、多くの仲間が犠牲になるため、残機が大きく減ってしまうデメリットもある。

　アイテムで地道にパワーアップしていきたい場合は、GOボタンを使わずに敵基地の後方から地道に攻撃していくのが一番だが、それでは爽快感がないのがちょっと悲しいところ。画面を埋め尽くす敵と敵弾を一掃できる突撃は非常に気持ちよく、とくに仲間を溜めて溜めての突撃は、指揮官というか戦国大名のような気分が味わえる。

　ステージ数は300以上とボリュームもバツグンで、ゲームパッドなどを用意することにより4人までの同時協力プレイも可能。敵のバリエーションも戦闘機からロボットまで実に多彩で、次のステージではどのような敵が待ち構えているか楽しみになる。固定画面型であるため、ステージクリアまでの流れがワンパターンになりがちな部分もあるが、仲間を大切にしたり、突撃させたりと、プレイヤー自身でメリハリをつけることも可能。ちょっと変わったシューティングゲームをプレイしてみたければ、一度試してみては？