週末ゲーム

スロットRPG「zero-answers」

勝つも負けるもスロット次第? 風変わりなやり込み系RPG

(09/11/13)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、ユニークなシステムが満載のRPG「zero-answers」を紹介しよう。

スロットを回してダンジョンを探索、パーティを育成しよう

個性豊かな学徒達を育てて、戦場で生き残らせてあげよう個性豊かな学徒達を育てて、戦場で生き残らせてあげよう

画面右の3人が現在のパーティメンバー。その下のマップ上の火の玉がパーティの位置で、7マス先にボスが。その奥の魔法陣が次のフロアへの入口だ画面右の3人が現在のパーティメンバー。その下のマップ上の火の玉がパーティの位置で、7マス先にボスが。その奥の魔法陣が次のフロアへの入口だ

 「zero-answers」は、学徒兵の教官“グリード”となって8人の学徒を鍛え、戦場へ送り出すという一風変わったファンタジーRPGだ。学徒の育成期間は15日間で、その間に8人の学徒をダンジョン探索でレベルアップさせ、育った学徒を指揮官の“レイン”が率いて敵の軍勢を倒すという2部構成のゲームとなっている。大きな特徴は、戦闘はオートバトルであること、そしてダンジョン探索の状況を“スロット”が左右することだ。

 学徒は体力がある“ペコペコ”、回復魔法が使える“オットリ”、睡眠魔法で支援する“ハカセ”、すばやく手数が多い“ムッツリ”、強力な攻撃魔法を使う“ツンツン”、物理攻撃特化の“キクチさん”、敵の強さを逆手にとる“マニア”、ダメージ量が安定している銃使い“ウェスタン”の8人。

 戦闘時は、このなかから3人でパーティを組むのだが、本作ではパーティメンバーがランダムで決定され、しかも1回の戦闘ごとにパーティメンバーは組み直しとなる。学徒達はそれぞれがもつスキルによって相性の良し悪しがあるのだが、悪い組み合わせでも戦わざるを得ないわけだ。

 ダンジョンは1フロアが8マスの双六になっていて、“グリード”のスキル“探索進行”によって1~3マスずつコマを進める仕組み。それ以外では戦闘終了時などにもコマは進まないので、任意のペースで育成と探索を進められる。8マス目にはボスがいて、これを倒すことで次のフロアに進むことができる。ボスの能力は7マス目に止まることで事前に見ることが可能なので、8人の学徒のうち相性がいいスキルをもつメンバーで挑むと勝ちやすい。

ダンジョン探索の結果はスロットで決まる。同じ絵柄を揃えるといいことがあるダンジョン探索の結果はスロットで決まる。同じ絵柄を揃えるといいことがある

 そして、本作一番の特徴とも言える“スロット”だが、これはスロットマシンのような回転するリールを目押しで止めることで、ダンジョン探索の状況を決定する仕掛けだ。まずはダンジョンでの探索結果を決めるスロットで、3つのリールが回転する。リールの絵柄には“黒い影”“魔法陣”“金貨袋”の3種類があり、“黒い影”は敵と遭遇、“魔法陣”はMP回復、“金貨袋”はゴールド獲得となっていて、止めた数が多いほど効果は大きくなる。

 “黒い影”は数が多いほど出現する敵が強くなり、さらに3つ揃えた場合は、戦闘後に絵柄が“骸骨”へと変わる。“骸骨”ではもっと強い敵が出現し、倒すと“トレジャースロット”が発動。お宝を入手できるという仕組みだ。“黒い影”“魔法陣”“金貨袋”はいずれも3つ揃えたほうが大きな見返りがあるので、がんばって目押しをしよう。ただし、1日の探索時間は限られており、スロットの回転中も探索時間が経過する仕組みなので、狙いすぎは学徒の育成を遅くすることにもなるので注意。

 プレイの流れは、スロットを回して資金と経験値を稼ぎつつ、“探索進行”スキルでコマを進め、ボスを倒して次のフロアへ進んでいくというもの。下のフロアに進むほど敵は強くなり資金と経験値も多く稼げるので、1日に1フロアずつクリアしていくペースが理想だ。反面、フロアが進むとスロットのリール回転が速くなり、絵柄を3つ揃えるのが難しくなる。また、同じフロアでもスロットを実行した回数に応じてリールは速くなるので、なるべく回転が遅いうちにゴールドを稼いでおくことも大事だ。

戦闘はオートバトル、事前のスキル設定が重要

戦闘はオートバトル。セットしたスキルを各自が自動で使って戦う。MP消費に注意戦闘はオートバトル。セットしたスキルを各自が自動で使って戦う。MP消費に注意

1日が終わるとゴールドが徴収される。買い物は早めに済ませておこう1日が終わるとゴールドが徴収される。買い物は早めに済ませておこう

 戦闘はターン制のオートバトルで、学徒達は1ターンに1回、各自の攻撃用スキルで敵を攻撃する。さらに、あらかじめ“スキル設定”で“LSスキル”と呼ばれる特殊なスキルをセットしておくと、ターン終了時に自動で発動する仕組み。HP回復や全体攻撃など、LSスキルはどれも強力だが、スキルは通常スキル、LSスキルともにMPを1消費する。MPの回復手段は少なく、とくに戦闘中は回復手段が皆無に等しいので、どのスキルを使い、どれを外すかはパーティの戦力を左右する。メンバー構成に応じてこまめに設定を変えよう。

 戦闘は通常は5ターン、ボス戦は10ターンまでという制限があり、制限ターン以内に勝てないとマスを戻されてしまう。このことにも注意し、MP不足の状況などでは戦闘をしないように注意しよう。どうしても勝てそうにない状況なら“グリード”のスキル“パーティ変更”を使って戦闘メンバーを入れ替えるか、1日を終了して休息しよう。

 戦闘では学徒の“スキル”だけでなく“士気”という要素も重要となる。士気は攻撃におけるダメージの倍率となっていて、士気が1から2になるだけで与えるダメージは倍になる。士気を上げるには特定のアイテムを使うか、学徒のスキル、もしくは3ターンごとに発生する“戦術スロット”で士気アップを引くなどの方法がある。士気は敵にもあり、士気が高いと攻撃が強くなるので、アイテムなどを使って敵の士気を下げていくことも必要だ。

 学徒は戦闘で得られる経験値によってレベルアップし、HPとMPが増加する。さらに一定レベルごとに各学徒は“レベルアイテム”という戦闘を有利にするアイテムを入手するので、8人を全体的に強化していこう。また、入手できるゴールドも重要だ。ゴールドで購入できるアイテムにはMPの最大値を増やす“精神力増強薬”があり、これが学徒の戦力アップに大きな役割を果たす。ただしゴールドは1日の終了時に全額回収され、第2部の軍資金としてプールされてしまう。なるべく学徒を強化して戦闘を楽にするため、“精神力増強薬”をできるだけ買えるように1日でゴールドを稼ぎたいところだ。

 ボス戦や第2部の戦場では、学徒にグリードまたはレインが加わった4人パーティで戦うことになる。グリードは学徒のMPを回復するスキル、レインは強力な攻撃スキルがあり、戦闘では重要な役割を果たす。とはいえ、主力は学徒達なので学徒の育成が不十分だとボスを倒すことはできない。育成に力を入れていこう。

ボス戦ではグリードも参加。グリードはプレイヤーがコマンドを選択して自由に行動可能だボス戦ではグリードも参加。グリードはプレイヤーがコマンドを選択して自由に行動可能だ

第2部ではグリードは支援担当に。レインが学徒を率いて戦うことになる第2部ではグリードは支援担当に。レインが学徒を率いて戦うことになる

 スロットの目押しが苦手な人は少々苦労することになるが、3つ絵柄を揃えるのがほぼ運任せの筆者でもちゃんとエンディングを見ることができた。それでも難しい場合はイージーモードが用意されているので、こちらでプレイする手もある。8人の学徒達は個性派揃いで、プレイ開始後すぐに愛着が湧く。『こいつらを無事に生き残らせてやりたい』と思ったら、もう頑張るしかない。クセのあるゲームだがやり込み要素もかなりディープなので、気に入ったら末永く付き合える一作だ。

【著作権者】
もにゅもにゅ(MonyuMonyu) 氏
【対応OS】
Windows XP
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.003(09/10/27)
【ファイルサイズ】
43.1MB(本体)、25.7MB(最新版へのアップデートプログラム)

(藤井 宏幸)