杜のVR部

第63回

デバイスも体験も多種多様!“OcuFes Final 〜次回からJapan VR Festになります〜”レポート

回を重ねるごとに盛り上がるイベントが秋葉原で2日間開催!

 2月20日(土)、21日(日)の2日間、東京・秋葉原にあるベルサール秋葉原の地下1階で開催されたVRコンテンツの体験会“OcuFes Final 〜次回からJapan VR Festになります〜”。OcuFesは第39回でも取り上げたが、年に数回開催されるVRの体験イベントだ。2015年夏と同様、ベルサール秋葉原で大々的に行われた“アキバ大好き祭り”と同時開催された。アキバ大好き祭りについては別途AKIBA PC Hotline!にてレポートしているので合わせてご覧いただきたい。

 当初はOculus Riftのコンテンツを展示していたため“OcuFes”という名称だったが、今やさまざまなデバイスが登場しているため、次回から名称が変更になる。OcuFesとしては最終回ということでOcuFes Finalと銘打って開催された。最終的には2日間で4,500人以上が来場したという。

地下1階ということもあり熱気が篭もっていた会場

デバイスと出展者の多様性が感じられるイベントに

AMDブースでは、VRの中を歩くことのできるHTC Viveが展示。目を引いていた

 毎回のようにOcuFesを取材してきた筆者が気付いたポイントは2点。1点目はまさにデバイスの多様性。2016年上半期にはOculus Riftを始め、PlayStation VR、HTC Viveなど主要なVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)が出揃う。また、昨年12月から一般発売されているGear VR、スマートフォンを挿すだけで使えるスマホVRのデバイスなど、実にさまざまなデバイスを使った展示が増えた。

スマホを使ったボードゲーム「アニュビスの仮面」(下嶋健司氏)。ボードゲームのプレイにスマホVRを取り入れた注目作。4人プレイだ
VRアニメーション「博士と万有引力のりんご」(CHAORU)は現在クラウドファンディング中。絵本の中に入ったような独特な世界観が体験者を魅了する

 2点目は、出展者の多様性。OcuFesは当初、個人開発者の制作した実験的なコンテンツが展示されることが多かったが、チームでの作品や企業の出展も増えるようになってきた。また、個人でもクラウドファンディング中のものもあるなど、まさに出展者も多様になり、VRコンテンツの作り手が増えてきたという印象だ。

 では、今回のOcuFesで注目のブースを4つほど紹介していこう。

レゴと回路で作られた“爆弾”を解除する「けのじばくだん」

 けのじ氏とれお氏の2名が制作したのは「けのじばくだん」。単純なVRではなく、外が見えるOculus Rift用ARカメラを使い、手元にある爆弾を実際に解除していくというゲーム。2人プレイ用で一人はOculus Riftを装着し爆弾を解除、もう一人はオペレーターとして情報を聞きながら遠隔からサポートを行う。

 重要なのはコミュニケーションで、爆弾を解除している側が目の前に表示されるヒントをきちんとオペレーター役に伝え、オペレーター役は爆弾の様子を想像しながら正しい爆弾の解除方法を伝えてあげなければならない。

 制限時間150秒の間に解除しなければいけない仕掛けは多い。コードを順番に抜いたり、スイッチを押したりといった解除動作を手際よくこなし、果たして爆弾を解除できるのか。目の前で減っていく時間と爆発直前の音で緊張感は最高潮だ。

爆弾はレゴと回路を組み合わせた本格的なもの
実際に機械を触りながら遊べるのが楽しい

見ているものが周りにはわからないVRの性質を逆手にとった「インチキ霊能者を探せ」

 個人開発者のtakusou氏が展示していたのが「インチキ霊能者を探せ」。ブースにはただ椅子が置いてあり、ブース名を書いた紙が貼ってあるだけ。一体なんだろうと思ったら何と3人一組で遊ぶのだという。前に体験していた人たちの様子を見ていると、3人が代わる代わるOculus Riftをかぶっていく。

 このゲームは3人の中からインチキ霊能者を見つけるゲームだ。実際にVRで見える夜の廊下では、ホラーな出来事が起きる……はずなのだが1人の見るコンテンツだけ、ホラーなことは一切起きず、びっくりしたリアクションをするように指示の書かれたものが見えるという仕掛け。

反応をじっくり見なければいけないが……元々ホラーに強い人は無反応なのでわからない

 VRの“体験している内容が周りの人からは見えない”性質をうまく使った作品だ。人によってリアクションはまちまちなため、誰が演技をしているのかわかるようなわからないような……そんなこれまでにないVRの楽しみ方に気付かされる体験だった。

ジオラマの新しい楽しみ方「ジオラマを中から見る。」

 個人開発者の池内啓人氏が展示していたのは「ジオラマを中から見る。」というコンテンツ。とてもシンプルで、机の上に置かれた複雑なジオラマの中に実は360度カメラ“THETA S”が置かれている。

 そのジオラマの中の視点で撮影した写真をGear VRで見ることができるというもの。まるで工場のジオラマの中にいるかのような感覚に陥る。これまでにない視点からジオラマを楽しむことができる、非常にアイデアの光る体験だった。怪獣のジオラマなどもこの応用で試してみると面白いかもしれない。

ジオラマ
THETA Sが中に突き刺さっている

ほんわかする「ちびミクさんとあそぼ!」

「ちびミクさんとあそぼ!」

 VRコンテンツというと、かっこいいもの、ゲームとしての面白さのあるものなどが多いが、体験してみて“ほんわかする”ものは珍しい。女性の個人開発者おおもり氏の制作した「ちびミクさんとあそぼ!」は、とてもほんわかとした気持ちになるコンテンツだ。

 主役は目の前にいる初音ミク。手に持った割り箸をVR内では飴玉に見立て、ステージにいるミクさんに飴玉を差し出して戯れる、という紹介しているだけでもとてもあたたかい気持ちになれるコンテンツだ。

 飴玉の動きに反応するミクさんを見ていると、ついついいたずら心でたくさん突っつきたくなってしまい、気付くとすっかり“一緒に遊んでいる”自分がいることに気付かされる。無邪気な気持ちにさせてくれる体験だった。