杜のVR部

第62回

気になる謎のVRヘッドセット“GALAX VISION”をがっつり体験レポート

Oculus Riftなど主要なVRヘッドセットとの違いはいかに!?

 2016年前半に出揃うとされているハイエンドのVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)。PC向けのOculus Riftはすでに予約を開始、3月末には出荷が始まる。また、同じくPC向けのVRHMD、HTC Viveは2月末に予約を開始し、4月には出荷される。PS4向けのPlayStation VRについては詳細は未定だ。

 そんな中、PC向けに香港のGALAXY MicrosystemsがVRHMD“GALAX VISION DEVELOPER EDITION”を発売した。国内での販売価格は5万円台中盤から6万円前後。すでに価格が発表されているOculus Riftの9万4,600円と比べると安くなっている。

 筆者はさっそくGALAX VISIONの実機を体験することができたので、その性能についてがっつりとレポートしていきたい。

着け心地は普通に快適

 黒くシックな箱を開けると、入っているのはVRHMD本体と交換用レンズ、そして中国語の説明書だ。VRHMDの顔に接する部分は柔らかい革のような材質で着け心地は良い。ヘッドバンドの部分も革の部分があり柔らかい。非常にソフトな着け心地だ。本体重量は380g、Oculus Rift製品版のまるで被っていないかとも思えるような装着感に比べるとVRHMD自体の存在を感じるが、十分に軽く、重みを感じるような感覚ではない。HTC Viveの開発者版Vive Preと比べると軽い。

黒くシックな箱
開けるとVRHMDが収まっている
ヘッドバンドと顔への接着面は革製でやわらかい

 ただし、幅が狭いため眼鏡を着けている人は外さなければならないだろう。近視の場合、スペアのレンズに付け替えた方がよく見える可能性が高い。

 なお、VRHMDからはUSB 2.0ケーブルとHDMI 1.4ケーブルが延びており、PCに接続する。また、左には再接続を行えるリセットボタンと接続状況を示すランプ、そしてヘッドホンジャックがある。

サイドにはリセットボタンとヘッドホンジャック

性能はいかに

 体験レポートの前にカタログ的な性能を紹介しておこう。最も注目したいのはディスプレイの性能だ。フルHD(1,920×1,080)で、描画の滑らかさを示すフレームレートは60Hzとされている。解像度はOculus Rift開発者版第二弾であるDK2と同程度だが、液晶パネルである点が違いとなる。Oculus RiftなどハイエンドのVRHMDでは頭を振った時の残像防止のため有機ELが使われている。またフレームレートは60Hzと、Oculus Rift開発者版第一弾のDK1やスマホ向けのGear VRと同程度だ。

 視野角は100度とOculus Rift製品版の110度を若干下回るが気になるほどではない。PlayStation VRも100度、Gear VRは96度だ。また、描画の遅延(レイテンシー)は25msと、Ocuus Riftの20ms、PlayStation VRの18msよりやや上振れしている。

 また、ジャイロセンサー、加速度センサー、磁力センサーを搭載しているためヘッドトラッキングが可能だが、外部カメラ等による位置トラッキングは搭載されていない。

 こうしたスペックを総合すると、Oculus Rift DK1以上、DK2・Gear VR未満のデバイスではないかということが推測される。

体験してみた

 スペックばかり眺めていても百見は一体験にしかず、いよいよ実際に体験してみることに。普段、Oculus Rift DK2を繋いでいるデスクトップPC(GPUはAMD Radeon R9 Fury X)にGALAX VISIONを接続した。推奨スペックはNVIDIA GTX750以上と、Oculus Rift製品版などに比べると格段に低い。

 プラグ&プレイ対応でドライバーインストール不要を謳っている通り、ランタイムなどをインストールする必要がなく、すぐにVRが体験できるようにしている点は非常に手軽。拡張デスクトップとして認識されるが、PCによっては横と縦の向きを変更しなければいけないことには注意が必要だ。

 そしてGALAX VISIONを体験する上で最も気になるのがコンテンツ。Oculus Rift DK1向けのソフトであれば動くとの話もあるようだが、実際に試してみたところ動かないものは多い。Oculus Rift向けのソフトを作成する際に使用する開発者用SDKのバージョンによるのかもしれないが、たとえばOculus ShareなどでDK1にも対応とされていても、いざGALAX VISIONでは動かないということも多いので注意が必要だ。地道に探すしかないというのが筆者の結論である。

 そんな中で体験できたのが、スキーで斜面を滑っていくモーグルのような体験ができる「SnowDrift」。

 スクリーンショットを撮ることができなかったので文字での説明のみになるが、感想としてはやはりフレームレートとヘッドトラッキングの正確さがもう少し欲しいということになる。頭を振ったときの反応や、速度を上げたときの描画の曖昧さはやはり気になってしまう。

 液晶パネルを使用し、フレームレートが低いだけでなく、Oculus Riftなどでも採用されている、ヘッドトラッキングの動きを事前予測するタイムワープなどのソフトウェア側の仕組みも入っていないため、ヘッドトラッキングには課題が感じられる。

 しかし課題はあるものの、この製品はあくまでも“DEVELOPER EDITION”。低スペックなPCでも動作する開発者向けのデバイスだ。Unity向けのSDKなども配布されているとのことで、GALAX VISIONで快適に動作するようなコンテンツはこれから登場するかもしれない。製品版発売の見通しなどは不明だが、今後のコンテンツの充実等に期待したいところだ。

あくまでも開発機のGALAX VISION DEVELOPER EDITION

Oculus Rift DK2版評価PCスペック(参考)

マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-MICRO im550PA6-SP2
【CPU】
インテル Core i7-4790K プロセッサー(4コア/4.00GHz/TB時最大4.40GHz/8MB スマートキャッシュ/HT対応)
【メモリ】
16GB PC3-12800 (8GB×2/デュアルチャネル)
【グラフィックボード】
AMD Radeon R9 Fury X(4GB)
【fps】
60fps
【ヘッドホン】
BOSE Quietcomfort 25