杜のVR部

第9回

触って楽しいあの大人気スマホゲームのOculus Rift版が登場「白猫VRプロジェクト」

手のひらの中にしかなかった世界が眼前に広がる!スマホからVRへの見事な移植

 1月9日、スマホ向けゲーム「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」等を提供する(株)コロプラが、人気作「白猫プロジェクト」のOculus Rift版「白猫VRプロジェクト」を公開した。

 コロプラが正式なVRコンテンツを配信するのは2回目だ。1回目はスマホ向け射的ゲーム「the射的!」をOculus Rift対応で制作した「the射的! VR」だった。今回の「白猫プロジェクト」はスマホで遊べる本格3DアクションRPGということで、2014年7月の公開以来1月時点で2,500万ダウンロードを超えた大型タイトル。そのOculus Rift対応版ということで、どのようなプレイ感になっているのか非常に注目だ。

コロプラのVRソフト第1作「the射的! VR」(2014年8月公開)。視線で照準を合わせ、景品を撃ち落としていくゲームだ

 プレイした感想としては、『これは白猫プロジェクトそのものだ』ということ。視覚だけではなく操作性も含め、スマホからOculus Riftへの「白猫プロジェクト」の移植が見事に実現していると感じられる仕上がりだった。以下に詳しく紹介していこう。

 なお、筆者は本家「白猫プロジェクト」に関してはサービス開始当初に20時間ほどプレイして、10連ガチャを何度か回した程度だということを添えておきたい。

プレイ動画(記事末尾に掲載)で確認していただきたいが、音楽もスマホ版のあの曲が流れるぞ!

フリー版としては十分な内容

ゲーム起動直後の画面。“Select monitor”でOculusの方を選ぼう

 なお、このOculus Rift版は無料で公開されている。ゲームを起動する時に細かな設定を聞かれるのでまずは設定しよう。画面はOculusがある側を選ぶように注意だ。

 ボタンを押すとタイトル画面。そしてロビーへと遷移していく。ロビーではステージと、一緒に連れて行くキャラクターを選ぶことができる。ステージはクリアするごとに徐々に増えていき、最大で6つまで遊ぶことが可能。キャラクターもステージクリアごとに1人ずつ増えていくため計7人登場する。

ロビー。歩く練習などもここでできる。それぞれのオブジェクトに触れるとステージやキャラクターの選択画面に移動できる
キャラクター選択画面。初期キャラの主人公をはじめ、「白猫プロジェクト」のプレイヤーにはなじみのキャラばかりではないだろうか

360度視点により実現されるゲームへの没入感

 このロビーの時点で気付くと思うが、このゲームでプレイヤーは基本的に3人称視点だ。少し遠くからキャラクターたちを見下ろすような位置関係になる。画面はキャラクターの動きに合わせて動くには動くが激しい動きではないので、キャラの後ろから完全に追尾するようなカメラの配置に比べると酔いにくくなっている。

 ステージの内容は、敵を倒しながらマップを探索していき、最後にボス部屋があるというおなじみの展開。アクションは攻撃、高速移動(回避)、必殺技が2つというシンプルな構成で、各ステージとも一度クリアするまではお助けキャラが手伝ってくれる。

戦闘シーンは『そうそう、白猫ってこうだよな』と思わせるに足る、まさにそのものの再現度
SPを消費する必殺技はド派手
ボスはさすがに大きい

 プレイしていると気付くはずだ。スマホでプレイするのと違って、キャラに指示を出す自分がよりゲームの中に没頭していることに。俯瞰視点とはいえ、マップの中を360度見渡せるとなるとかなりの没入感を体験できる。

「colopad」が実現する“ぷにコン”の操作性

 「白猫VRプロジェクト」の再現度が高いことは伝わったと思うが、まだ非常に特徴的な再現箇所がある。それが「colopad」だ。このゲームをプレイするには3つの操作方法が用意されており、マウスかXbox 360コントローラーのようなゲームパッド、そして「colopad」から選択できる。

このようにタイトルが表示される。同じWi-Fi環境に置くだけなので接続も簡単だ

 「colopad」はコロプラがVRソフトのために開発した専用アプリで、スマホをそのままコントローラーとして使うことができる。アプリをダウンロードしてPCと同じWi-Fi環境へ接続し、PC側で「白猫VRプロジェクト」を起動するとスマホ画面にタイトルが表示されるので、タップすれば接続完了だ。

 この「colopad」を使うことでスマホ版「白猫プロジェクト」と同じ操作が可能になる。タップで攻撃、すばやくスワイプで回避、そしてタップ長押しで必殺技と、白猫プロジェクトのウリだった、画面のどこでも操作できる“ぷにコン”そのものだ。“ぷにコン”自体、非常にシンプルで操作性がよく触っていて楽しいが、それがそのままOculus Riftを装着して使えるというのは大きい。ぜひ一度試してみていただきたい。

 なお執筆時現在、「colopad」はAndroid版のみ公開されており、iOS版は1月中に公開予定という状況だ。

既存のゲームの延長というエンターテイメントの方向性

 さて、ここまで「白猫VRプロジェクト」の内容を紹介してきた。この「白猫VRプロジェクト」はこれまで本連載で紹介してきたコンテンツのように、VRでプレイすることを前提として設計されたコンテンツではない。あくまでも「白猫プロジェクト」というスマホゲームの舞台をスマートフォンからVRに変えて、まさにゲームの中に没入して遊べるというものだ。

 では、VRとしての面白さが低減しているかというと、そうは思えない。元々非常に完成度の高い「白猫プロジェクト」を操作性も含めてそのまま移植し、それを360度の体験にすることで、引き続き面白いゲームであり続けている。

 もちろんすべてが完璧というわけではない。壁の中にカメラがめり込む、キャラの回り込みをうまくカメラが追えずキャラが見えなくなるなど、改善の余地はまだまだあるのが現状だ。

 しかし、スマホ版も遊んでいる人はさらに実感できると思うが、スマホという手のひら大の画面で広がっていた世界が、Oculus版では目の前に広がって遊べるというのは、一気にゲームの中の世界に入っていく感覚に等しい。手のひらの中の冒険から、その世界の中へ入って楽しむ冒険へ。VRによって拡張された「白猫プロジェクト」の世界をぜひ体験してみよう。

 なお執筆時現在、公開されているソフトが一部のPCでは起動しない現象が起きているようだ。その際はファイル展開後、起動ファイル“wcatVR_DirectToRift.exe”のショートカットを任意の場所へ作成し、プロパティからリンク先の末尾に“ -force-d3d11”(最初に半角スペース)を加える事で起動可能になることがある。シーンを切り替える度にエラーメッセージが表示されるが、[OK]ボタンないしメッセージウィンドウを閉じることでゲーム自体は動くので安心して楽しんでいただきたい。

「白猫VRプロジェクト」プレイ動画
エラーの表示を消すため、シーン切り替えの度にやや暗転時間が長くなっていることはご容赦いただきたい

ソフトウェア情報

「白猫VRプロジェクト」
【著作権者】
(株)コロプラ
【対応OS】
Windows 7/8、Mac OS X 10.8/10.9/10.10
【対応ハードウェア】
Oculus Rift DK2
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.0(15/01/09)

評価PCスペック(参考)

マウスコンピューター G-Tune NEXTGEAR-NOTE i790SA1
【CPU】
Core i7-4700MQ 2.40GHz
【メモリ】
16GB(増設)
【グラフィックボード】
GeForce GTX870M
【fps】
75fps
【ヘッドホン】
Creative Sound Blaster EVO Zx

編集部より:『杜のOculus部』は月曜日掲載の連載ですが、今回は特別に本日掲載しています。次回掲載は1月19日(月曜日)の予定です。

(もぐらゲームス:すんくぼ)