ニコニコ自作ゲームPick Up

第12回

知力・体力・時の運が試される塔を攻略せよ!「15階の姫と魔王とラルフィさん」

ほどよい歯ごたえの謎解きが待つコメディタッチアドベンチャー

 『ニコニコ自作ゲームPick Up』では、“ニコニコ動画”で開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス2”の参加作品の中から、ゲームフェス運営がピックアップしたゲームを毎週紹介していく。今回はフロアクリア型アドベンチャー「15階の姫と魔王とラルフィさん」を紹介する。

王女をさらった魔王なのに町の評判は悪くない!?

フロアには階段の隠れた“もや雲”のほか、お邪魔アイテムのタケノコや棚なども置かれている。なぜか人や動物がいることも

 「15階の姫と魔王とラルフィさん」は、タイトルがそのままゲームの内容を表している探索アドベンチャーゲーム。突如、魔王にさらわれてしまった姫を取り返すべく、主人公・ラルフィは魔王がいるという“天運の塔”を攻略することになる。

 ところがこの魔王、噂を聞くとそんなにワルイ奴ではなさそうなのだ。“魔界の扉”からモンスターを呼び出し勢力を拡大しているというが、人に被害はなく、せいぜい畑の作物を盗むくらい。ラルフィが攻略していく“天運の塔”もモンスターが襲ってくることはなく、挑戦者を阻むトラップが仕込まれているだけ。ちょっと不思議な印象で、塔の攻略はスタートする。

1階ごとに正解が減る階段を上っていくと……

塔の中にはさまざまなヒントが散りばめられている。このセリフも、先のフロアで役に立つはず

 “天運の塔”はフロアごとに16個の“もや雲”があり、その中に階段と落とし穴が隠されている。最初、落とし穴は16分の1という確率だが、1フロア上がるごとに落とし穴が増えていく。当然、15階へ到達するには、繰り返しチャレンジする根気に加え、とんでもない運が必要になるというわけだ。

 もちろん、それだけでは単なる運ゲー。フロアによっては“もや雲”を出現させるために謎解きが必要となっており、用意されている謎は歯ごたえしっかりの秀作ぞろいだ。筆者がうなった謎解きは、10階と14階。とくに14階は3日考え続けて、ようやくの正解だった。

 一度クリアした階をスキップできる仕組みも、複数用意されている。みごと“もや雲”の選択に正解すると、階ごとに“フロアエナジー”と呼ばれる魔力が手に入る。このエナジーを塔の住人と取引し、攻略を楽にするアイテムを手に入れたり、任意のフロアへ移動したりといったことが可能になるのだ。

 また、エナジーと大きく関わってくるのが、ある条件を満たすともらえるようになる“リトライチケット”というアイテム。どんどん上へ登っていくと、当然“もや雲”の選択で失敗が増えてくる。その際、未クリアのフロアで失敗すると、“リトライチケット”が手に入る。このチケットを使うと、所持エナジーが半分になる代わりに、そのフロアから攻略し直せるのだ。後半、フロアのやり直しが面倒になってきた頃に重宝するアイテムだ。

画面右上がそのフロアにある“フロアエナジー”。フロアを無事クリアすると、その分のエナジーが手に入る
初到達のフロアで攻略に失敗すると、“リトライチケット”が手に入る。使うとエナジーが半減するのが欠点

 なお、ゲームのセーブは塔の1階外周にいるシスターさんに話しかけると行える。ゲームの基本説明も聞けるので、早めに話しかけておこう。

ヒントを使っても難しい謎解きが待つ!

“もや雲”が一斉に消え、落とし穴の位置が明らかになる一瞬。落とし穴に落ちてしまうと、1階からやり直しになる

 謎解きのヒントは必ず塔の中に用意されているので、ヒントを見た上でも謎が解けなければ、プレイヤーの“知力”が足りないということ。このゲームで試されるのは、実はプレイヤーの知力・体力・時の運というわけだ。

 ちなみに、謎解きに詰まったときは一度1階からやり直したり、いったんスルーして敢えて先の階に進んでみると解決することも。ひらめきが重要な局面は、とにかく考えるしかない。

 小学生から大人まであらゆる世代で楽しめるわかりやすいルール、解くと思わず膝を打つ気持ちのよい謎解き、明るくかわいらしい世界観と、一人でも、家族でわいわい遊ぶのにも向くゲーム。人のよさそうな魔王にも、ぜひ対面してほしい。

「15階の姫と魔王とラルフィさん」
【著作権者】
寿かは 氏
【対応環境】
Windows 2000/XP/Vista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)

ニコニコ自作ゲームフェス2とは

 “ニコニコ自作ゲームフェス”は、ゲームを作る人、遊ぶ人、二次創作をする人をつなぎ、個人で作ったゲームがもっと多くのひとにプレイされるようになることを目指す祭典。2回目の開催となる“ニコニコ自作ゲームフェス2”は、2013年6月13日(木)から10月6日(日)の間で作品募集を行った。11月4日(月)には“ゲームマーケット2013秋”の会場にて授賞式を実施する。

ニコニコ自作ゲームフェス 今後のイベント出展予定

(市川 美穂)