#モリトーク

第125話

誤検出問題の再来

「Google Chrome」がダウンロードをブロックしたときに表示するレポート画面

 3月上旬以降、「Google Chrome」のユーザーがベクター社のライブラリページからオンラインソフトをダウンロードするときに、同Webブラウザーによってブロックされるという症状が続いている。これはGoogle社が提供している“セーフ ブラウジング”機能によるものだ。

 Google社は2月下旬、“セーフ ブラウジング”機能を強化しており、上述の症状が発生したタイミングともおおよそ一致する。「Google Chrome」に表示されるレポートによれば、108のWebページから不正なソフトウェアがユーザーの同意なしにダウンロード・インストールされ、7つのウイルスが見つかったという。

 しかし、ベクター社はウイルス感染やファイルの改ざんを否定しているので、誤ブロックの可能性が高い。というのは、現在は解消しているものの、窓の杜のライブラリもかつてブロックの対象に指定されてしまったことがあり、そのときも収録ソフトのウイルス感染は確認されなかった。

「Google Chrome」が不正なソフトウェアを警告する画面

 「Google Chrome」がファイルのダウンロードをブロックするときには、赤い警告画面をWeb描画エリアの全体に表示する。もし誤ブロックの可能性が高いなら、自己責任となるが、手動でダウンロードを再開させることもできる。

 赤い警告画面の下部にある[詳細]ボタンを押したあとに、“有害なプログラムが削除される前にこのサイトにアクセスする場合”と書かれたリンクをクリックすればよい。なお、窓の杜では昨年、オンラインソフトの安全な使い方を解説した特集記事を掲載しているので、それも併せて参考にしよう。

 マルウェアの誤検出・検知といえば、本コラムでも取り上げた、INASOFT製ソフトと「ウイルスバスター」のトラブルを真っ先に思い出す。今回の症状はそれよりも発生範囲が広いので、早めに解決することを願いたい。

(中井 浩晶)