#モリトーク

第117話

Windows 10と7z圧縮

「Windows 10 Technical Preview」

 次世代OS“Windows 10”の実験版とも言える「Windows 10 Technical Preview」は頻繁なアップデートが予定されており、Windows 8での反省を活かすべく、ユーザーの声も取り入れながら開発中だ。実際、初版の公開から1カ月以内に実施された最初のアップデートでもその方針が垣間見える。

 マイクロソフト社は次世代OSへ搭載する新機能や期待することを投票形式で募集しているので、少し覗いてみよう。言語関連の要望を除くと、エクスプローラのタブ切り替え化、Windows 8からの無償アップデートなどが多くの支持を集めている。上位リクエストの中で筆者が気になったのは、圧縮ファイルの対応形式を増やすこと、7z形式への対応だ。

「PeaZip」

 日本ではあまり見かけない7z形式は、Me以降のWindowsが標準で圧縮・展開に対応するZIP形式よりも高い圧縮率を誇り、圧縮対象のファイル形式によっては大きな威力を発揮する。たとえば、7z形式はフォントファイルとの相性がよいようで、大規模な日本語フォント群である「源真ゴシック」などがそれを採用している。

 「源真ゴシック」のファイルサイズは未圧縮だと約100MB、ZIP形式の配布ファイルが61.3MBだ。一方、7z形式で圧縮された同フォントは16.3MBまで小さくなる。ストレージが大容量化し、インターネット回線も高速化したため、ファイルサイズを気にしなくなった時期もあったが、オンラインストレージなどを利用する場合には7z形式の高圧縮が活きてくるだろう。

 最新版が先日公開された「PeaZip」など、いくつかのフリーソフトが7z形式の圧縮・展開に対応しているので、OSがあえてサポートする必要はないかもしれない。しかし、日本語版のWindowsが特別にLZH形式の展開をサポートした例もある。また、そのLZH形式は現在ほとんど使われておらず、ZIP形式以外の圧縮ファイルに目を向けるという意味でも、7z形式とそれに対応するフリーソフトに注目してみてはどうだろうか。

(中井 浩晶)