#モリトーク

第116話

フォントライセンスを読む

「瀬戸フォント」

 本コラムで何度も取り上げているように、フォントのライセンス条項を読むことはとても重要である。実際、それをサボったユーザーの悪質な行動が原因で、「瀬戸フォント」の作者は無料フォント制作から身を引いてしまった。

 しかし、フォントのライセンスはわかりにくいというのも事実だ。たとえば、オープンソース用ライセンスを採用している場合、その条文は開発者の視点で書かれているため、それだけではよく理解できない人も多いだろう。そんなときは、条文そのものではなく、FAQのほうを読めばわかりやすい。

“SIL Open Font License”を採用するAdobe社製フォント「Source Code Pro」

 「瀬戸フォント」などが採用する“SIL Open Font License”の例を挙げてみよう。同ライセンス下のフォントはデザインとして、印刷物やロゴ、映像作品、グッズなど、あらゆる創作物で使用することができる。このとき、その創作物の販売は制限されず、フォントの名前やWebサイトを明示する必要もない。

 その逆に、フォントそのものの販売は禁止。ただし、フォント集やアプリケーションに同梱する場合はその限りではない。また、文書ファイルへの埋め込みも条件つきで認められる。

 ほかには、派生版を制作することも可能。この場合、オリジナルの著作権表示を必ず残し、同ライセンスを引き継がなければならない。つまり、派生版にも上述の条件が適用されるので、単体での販売は禁止事項だ。なお、そのフォント名は基本的に変更する必要がある。

 これらの具体例はごく一部なので、FAQを注意深く読めば、自分が想定する利用シーンを見つけられるはずだ。

(中井 浩晶)