#モリトーク

第105話

忘れていたReadyBoost

 前回の第104話、64bit版の「Google Chrome」は32bit版のそれよりもメモリ消費が増えることをお伝えした。マルチプロセスで動作速度を優先する「Google Chrome」はもともとメモリを多く消費し、筆者の8GBメモリ環境でも使い果たすことがときどきあるので、気になるところだ。

 メモリを大量に消費するソフトといえば、動画・画像編集などのプロ用ツールが思い浮かぶ。ところが最近、もっとも使用頻度の高いソフトであるWebブラウザーもハイビジョン動画や高解像度画像を扱うようになり、メモリ消費の傾向が変化している。

フラッシュドライブのプロパティから呼び出せる“ReadyBoost”

 そこでふと思い出した存在が、外付けフラッシュドライブをキャッシュメモリとして活用し、メインメモリ不足による動作速度の低下を抑制するWindows標準機能“ReadyBoost”だ。同機能は64bit環境がまだ一般的ではなく、メモリが不足しがちだったときに登場した。そのため、4GB以上のメモリが標準で搭載されるようになった今ではほとんど忘れ去られているが、状況が変わったので役に立つかもしれない。

 ReadyBoostを一度も試したことがない人のために、その使い方を簡単に説明しておこう。USBメモリやSDカードといった外付けフラッシュドライブのプロパティを表示すると、ランダムアクセス速度で一定条件を満たす場合に[ReadyBoost]タブが有効になる。ここでReadyBoostに割り当てる領域のサイズを指定すれば、即座に稼動し始める仕組みだ。

 なお、ReadyBoostで使用するフラッシュドライブは安全を考慮して、それ専用にしたほうがよい。また、システムドライブがハードディスクではなくSSDであるなら、ReadyBoostを利用する意味はなく、Windows 7以降の環境では自動的に無効化される。

(中井 浩晶)