#モリトーク

第93話

iTunesトラブル体験記

 先々週、「iTunes」のトラブルとその対処方法が公表された。最新版のv11.1.4へアップデートするときに失敗、その後に起動できなくなるというものであり、公表以前からインターネット上では話題になっていた。既報のニュース記事で取り上げた対処方法では不十分な場合もあるので、筆者の経験を例に改めてまとめておきたい。なお、筆者の環境はWindows 7だ。

 「iTunes」v11.1.4が先月22日に公開されると、Apple社製品を一元更新する「Apple Software Update」が筆者の環境でもそれを通知した。しかし、いつものようにアップデートを試みても、正常にアップデート処理が完了しない。筆者はもともと「iTunes」をそれほど使っていなかったので、『またあとでやればいいだろう』という気持ちでその場は終了。

 ところが、その後にWindowsを再起動すると、“APSDaemon.exe”と“MSVCR80.dll”に関するエラーが表示された。ピンとこなかったので調べたところ、「iTunes」関連のファイルであることが判明。アップデートの失敗に関係していると気付き、2度目のアップデートを試みるも再び失敗、「iTunes」の起動すら不可能になっていた。

 さらに詳しく調べてみると、その解決方法がわかった。「iTunes」でトラブルが発生した場合、完全削除した上での再インストールがベストな方法であり、Apple社も以前からその方法を公開していた。そして、これは今回のトラブルを解決する手段とまったく同じなので、Apple社は汎用的な対処方法を示していたというわけだ。

「プログラムのインストールとアンインストールのトラブルシューティング ツール」

 その指示に従い、「iTunes」関連のコンポーネントを順に削除していったが、壁にぶち当たる。何度試しても「Apple Mobile Device Support」がアンインストールできないのだ。Apple社製アプリケーションが削除できないトラブルもまた、よく発生するらしく、その解決策が症状は異なるものの公開されていた。

 それは、マイクロソフト社が公開している問題解決プログラム“Fix it”のひとつ、「プログラムのインストールとアンインストールのトラブルシューティング ツール」を実行するというもの。同プログラムは、トラブル時限定のアンインストーラーであり、「Apple Mobile Device Support」もスムーズに削除することができた。

 これら一連の解決策は、Apple社製アプリケーションを利用する上で汎用的に使えるため、今後も覚えておくとよいだろう。また、「iTunes」はスタートアップ起動・常駐するコンポーネントが多く、筆者のようにあまり使っていなかった人はそのまま削除してしまうのもひとつの手だ。ただし、「iTunes」以外のApple社製アプリケーションが、アンインストールした各種コンポーネントを共有している場合もあるので、必要に応じて再インストールしよう。

(中井 浩晶)