#モリトーク

第56話

TwitterとIEの新旧交代

 最長10連休というゴールデンウィークが明けた直後の5月7日、比較的大きな出来事が2件あった。どちらもゴールデンウィーク前にあらかじめ告知されており、当日はとくに話題になることもなかったので、ここで改めてまとめておこう。

黄色アイコン時代の「TweetDeck」

 1件目は、Twitter公式クライアント「TweetDeck」のサポートが縮小され、Adobe AIR版、Android版、iOS版が5月7日をもって終了したことだ。この3つのバージョンは、Twitter社が「TweetDeck」を買収する前に開発されていたもので、買収後はリニューアル版と置き換わる形で開発が休止されていたため、今回の終了による実質的な影響はそれほど大きくないだろう。

 しかしAdobe AIR版の「TweetDeck」は、その黄色いアイコンから“黄色Deck”などと呼ばれ、現在の青い「TweetDeck」よりも支持の声が大きいときもあった。そういう意味での影響は、Twitter文化を語る上で大きいかもしれない。

"Twitter API v1.1"に対応した「Saezuri」

 買収後の「TweetDeck」は、Twitter公式のクライアントなのか、そうではないのか、その位置付けが曖昧だった。AndroidやiOS、Mac OSには、“Twitter”の名をもつ公式クライアントがそれ以前から提供されており、Windows 8向けのアプリも今年3月から追加された。Twitter社の発表によれば、現在はWebアプリ版の「TweetDeck」に注力しているとのことなので、主要OS向けのTwitter純正アプリが揃った今、ローカルで動く「TweetDeck」が消えていくのは自然のことなのだろう。

 “黄色Deck”の終了が5月7日だったのには理由があり、旧仕様の“Twitter API v1.0”が同日に完全終了する予定だったからだ。ちなみに、新仕様APIへの対応が遅れていた「Saezuri」が5月6日にバージョンアップし、このデッドラインにギリギリで間に合った。ただしTwitter社は後日、“Twitter API v1.0”の引退日を6月11日まで延期している。

 2件目の出来事に移ろう。Windows 7版「Internet Explorer 10(以下、IE10)」の自動アップデートが5月7日から始まっている。このIE10には厄介な問題があり、IE10とともにインストールされるパッチ“KB2670838”が環境に合わない場合、最悪のケースではブルースクリーンが表示されるのだ。この問題は、本コラムの第49話でも取り上げており、そのときは原因が公表されていなかった。

 その後、マイクロソフト社はサポートページを更新し、原因の詳細を明らかにしている。問題が発生する環境は、Intel社製オンボードグラフィックとAMD社製ビデオカードをハイブリッドで搭載するノートPCであり、IE10をインストールするには“KB2670838”と互換性のあるAMD社製ドライバーが必要になるとのこと。ドライバーの提供がない場合は、IE10のインストールを諦めるしかないようだ。マイクロソフト社のサポートページでは、ノートPCの型番とドライバーの有無がリスト化されているので、これからIE10をインストールする人はとくに確認してほしい。

(中井 浩晶)