杜のAndroid研究室

第245回

Googleの新しいメールクライアントアプリ「Inbox by Gmail」

メールをカテゴリー別に自動分類し、スヌーズ機能でToDoのように管理可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Googleが提供する新しいメールクライアントアプリ「Inbox by Gmail」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

大量のメールをすばやく処理できる新機軸のメールクライアント

「Inbox by Gmail」

 「Inbox by Gmail」は、大量のメールをすばやく処理できるように工夫が凝らされた新機軸のメールクライアントアプリ。GoogleのWebメールサービス“Gmail”と同期する専用クライアントアプリとなり、本アプリで行った操作はGmailに反映される。複数のメールを一括で処理できるほか、スヌーズ機能などを利用してToDoリストのようにメールを管理できることが特徴。

 本アプリは昨年10月に招待制のテストとして提供が開始されたが、5月28日に一般公開され、招待状不要で利用できるようになった。なお、Android版とiOS版、Web版が提供されているが、Web版を利用するには、Android版またはiOS版を利用していることが条件となる。

 起動時に表示される[受信トレイ]画面では、受信したメールを確認可能。受信したメールはカテゴリー別に自動的に分類されており、“プロモーション”“ソーシャル”“新着”“ショッピング”“トラベル”といったカテゴリーをタップすることで各カテゴリー画面を表示し、スレッドを一覧可能。また、カテゴリーに分類されない重要なメールのみ、1つのスレッドとして[受信トレイ]画面に直接一覧表示される。

 各カテゴリー画面などの一覧からスレッドを選択すると、詳細画面を表示してスレッドを閲覧可能。詳細画面右下にある円形の[返信]ボタンをタップすれば、すばやく返信を行える。また、用件が済んだメールなどは、詳細画面右上のチェック型ボタンをタップして“完了”し、受信トレイや各カテゴリー画面からスレッドを消去することが可能。

 なお、“完了”はGmailにおける“アーカイブ”に相当し、“完了”したスレッドもメール検索などによって、あとから探すことができる。メール検索は、[受信トレイ]画面右上にある拡大鏡型ボタンをタップして表示される検索画面から行える。

[受信トレイ]画面で各カテゴリーをタップすると、スレッド一覧を表示可能
スレッドを選択すると詳細画面を表示して、返信や“完了”を行える

不要なメールを受信トレイから一括消去。あとから再表示するスヌーズも設定可能

 本アプリでは、[受信トレイ]画面や各カテゴリー画面から複数のスレッドを一括で“完了”し、不要なメールを受信トレイからすばやく消去できることが特徴となっている。これによって、重要な用件のメールのみ受信トレイに残しておき、用件が済んだら消去するといったToDoリストのような使い方ができる。各カテゴリー画面の右上にあるチェック型ボタンをタップすれば、カテゴリー内のスレッドを一括で“完了”することが可能。また、[受信トレイ]画面で各日付の右上にあるチェック型ボタンをタップすることで、複数のカテゴリーのスレッドを一括で“完了”することもできる。

 なお、受信トレイに残しておきたいスレッドは、詳細画面の上部中央にあるピン型ボタンをタップすることで、受信トレイに“固定”して常時表示することが可能。“固定”したスレッドは[受信トレイ]画面に直接表示されるほか、“完了”の一括処理からは除外される。また、[受信トレイ]画面の右上にあるピン型アイコンをスライドすれば、“固定”したスレッドのみを一覧することができる。

各カテゴリーのスレッド一覧で右上のチェック型ボタンをタップすると、スレッドを一括で“完了”できる
詳細画面上部にあるピン型ボタンをタップすると、スレッドを“固定”して受信トレイに常時表示可能

 “固定”したスレッドを受信トレイから消去したいときは、詳細画面右上のチェック型ボタンをタップするか、[受信トレイ]画面の一覧でスレッドを右へスワイプすることで、個別に“完了”することが可能だ。

 また、本アプリでは、特定のスレッドを受信トレイから一時的に非表示にして、指定時間後などに通知と共に受信トレイに再表示させる“スヌーズ”の設定も可能。詳細画面の右上にある時計型ボタンをタップすると表示されるポップアップで[今日の夕方][明日][来週]項目を選択するか、[日付と時間を選択]項目から日時を指定して、スレッドを再表示させるタイミングを設定できる。さらに、ポップアップの[場所を選択]項目を選択して、特定の場所に来たときにスレッドが再表示されるように設定することも可能。

 さらに、[受信トレイ]画面や各カテゴリー画面の一覧でスレッドを左へスワイプすることでも、同様に“スヌーズ”を設定するポップアップを表示することができる。このほか、[受信トレイ]画面の左上にある[メニュー]ボタンをタップして表示されるメニューで[スヌーズ]項目を選択すれば、“スヌーズ”を設定したスレッドを一覧することが可能だ。

詳細画面右上の時計型ボタンをタップして表示されるポップアップで“スヌーズ”を設定可能
スレッド一覧でスレッドを左へスワイプすることでも“スヌーズ”を設定できる

 なお、スレッド一覧で各スレッドの左側にあるアイコンをタップすれば、スレッドを複数選択でき、画面上部に表示されるメニューのボタンから“完了”“固定”“スヌーズ”などを複数スレッドに一括で設定することもできる。

友人などにすばやくメールを送信できるほか、リマインダーも登録可能

 新規メールを作成したいときは、[受信トレイ]画面右下にある[+]ボタンをタップすればよい。複数のボタンが縦1列に表示され、このうち最下部の[作成]ボタンをタップすると、通常のメール作成画面を表示可能。また、縦1列のボタンの上部には、メールをよくやりとりする相手のアイコンが表示される。アイコンをタップすれば、相手のメールアドレスが宛先に入力された状態でメール作成画面が表示され、すばやくメールを送信することができる。

メールをよくやりとりする相手のアイコンが上部に表示され、タップしてすばやくメールを作成できる
縦1列のボタンのうち[リマインダー]ボタンをタップすると、リマインダーの作成画面が表示される

 さらに、縦1列のボタンのうち[リマインダー]ボタンをタップすると、リマインダー作成画面を表示して、ToDoなどを登録できる。登録したリマインダーはスレッドと同様に扱うことができ、受信トレイに“固定”して常時表示したり、“スヌーズ”を設定して通知と共に受信トレイに表示することが可能。また、用件が済んだリマインダーを“完了”することもできる。

 なお、[受信トレイ]画面左上の[メニュー]ボタンのメニューで[リマインダー]項目を選択すれば、登録したリマインダーを一覧し、“完了”や“スヌーズ”などの状態を確認することが可能。ちなみに、Googleのオンラインメモサービス“Google Keep”でリマインダーを設定したメモも、この一覧に表示されて確認することができる。

メニューの[リマインダー]項目を選択すると、登録したリマインダーを一覧可能
“Inbox”のほか“Google Keep”から登録したリマインダーも確認できる

ショッピングの注文情報や旅行計画などを受信トレイで確認できる

 “ショッピング”“トラベル”カテゴリーに分類されるメールなどを受信した場合、ネットショッピングの注文情報や旅行の計画、飛行機のフライト情報などが一覧画面にハイライト表示され、タップすることで詳細を確認可能。また、画像が添付されたメールを受信すると、サムネイルが一覧画面に表示されるなど、メールを開く前に多くの情報を確認することができる。

 このほか、カテゴリーに自動分類されたメールを他のカテゴリーに移動したり、今後は同じ差出人からのメールが同様に分類されるように設定することもできる。さらに、独自のカテゴリーを作成し、差出人やキーワードなどの条件にもとづいて、メールが自動分類されるように設定するなどの細かいカスタマイズも可能となっている。

ネットショッピングの注文情報や旅行計画などの情報が一覧画面にハイライト表示される
インターネット上から自動的に取得された画像などと共にメールを確認できる
「Inbox by Gmail」
【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
Android 4.1以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.9(15/06/11)

(ライターズハイ:鈴木 友博)