杜のAndroid研究室

第239回

片手操作で実現した本格アクションゲーム「Bluest -ブルーエスト-」

“入力待ち”で連続攻撃!スマホの弱点を克服した抜群の爽快感

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、アクションゲーム「Bluest -ブルーエスト-」を紹介しよう。

左手のみで多彩なアクションを実現

ステージクリア型の横スクロールアクション

 「Bluest -ブルーエスト-」は、横スクロールタイプのアクションゲーム。主人公の青年が格闘アクションで敵を倒しながら進んでいく。基本操作は左右移動とジャンプ、特殊技のフォースという4つ。いずれも左下にアイコンがあり、左手親指だけで操作できるのが特徴だ。

 単純な攻撃ボタンはなく、アイコンの間を滑らせる操作によって複数のアクションを使い分ける。たとえば右移動からフォースへ指をスワイプすると右へのスライディング攻撃、右移動からジャンプへスワイプすると右へ小さく跳びつつ攻撃するロールアタックを行う。ジャンプ中に再度ジャンプをタップすると、前方の敵へ突進するホーミング攻撃も使える。

 フォースのアイコンをタップすると、ゲームが一時停止して操作入力待ち状態になる。この時、4つのアイコンは矢印マークに変化しているので、いずれかをタップするとフォース技が発動する。いわゆる必殺技的な存在で、多くの敵に大ダメージを与える技が揃っている。

 フォース技を含む大部分の攻撃を敵にヒットさせると、攻撃終了後に自動的にフォースアイコンをタッチしたのと同じような入力待ち状態になる。この時、他の攻撃やフォース技を入力すると、敵に更なる追撃が可能だ。敵に攻撃を当て続けることで一方的にダメージを与える状況も作り出せる。

 格闘ゲームにおけるコンボのようなものだが、次の技をどれにするか考える時間が与えられるので、アクションが苦手な人でも華麗な連続攻撃を仕掛けられる。強烈なフォース技を多数の敵を巻き込んで叩き込めた時の爽快感は抜群だ。慣れないうちは入力待ちのタイミングを認識できず慌ててしまうが、最初はスライディングやホーミング、単発のフォース技連打でも何とかなる。遊びながら慣れていけば大丈夫だ。

操作アイコンは4つ。タップとスワイプの組み合わせで多彩なアクションが出せる
フォースのアイコンをタップすると画面が一時停止し入力待ちに。落ち着いて次のアクションを考えられる

3系統のフォースを組み合わせてコンボを開発

敵を倒すなどして3つの鍵を集め、ゴール地点にたどり着くのがゲームの目的

 ゲームの進行はステージ制で、クリアすると次のステージが開放される。各ステージでは基本的に左から右へと進み、途中にいる敵を倒して3つの鍵を入手。その後ゴール地点に達すると次のエリアに進める。同様の展開で、計3つのエリアを突破すればステージクリアだ。各ステージではクリアタイムが記録されており、より早くクリアするのも目的の1つとなる。

 ステージ攻略中に敵の攻撃を受けるとライフゲージが減少し、0になるとその場に倒れる。最初のエリアで倒れた場合はステージ選択からやり直しだ。2つ目以降のエリアで倒された場合は、敵を倒した際などに得られるチップを消費してエリアの最初からコンティニューできる。コンティニューは支払うチップが続く限り可能だ。

 ある程度ステージが進んでくると、どうしても攻略できず何度も倒されてしまうことがある。そういう時は無理にコンティニューせず、クリア済みのステージをもう一度プレイするといい。

 敵を倒すことでチップが得られる他に、経験値も獲得でき、ステージクリア時に装備している“スタイル”が成長する。スタイルのレベルアップにより、若干の能力アップなど特典が得られるほか、新たなフォース技を覚えられる。

 フォース技は3つの系統に分かれており、装備しているスタイルの系統に応じたフォース技が覚えられる。新たに覚えたフォース技は、各系統ごとに1種類のみ装備可能。フォース技はそれぞれ攻撃範囲や威力など特性が違い、後で覚えたフォース技の方が強力というわけではない。

 3つのフォース技を選んで組み合わせることで、連続攻撃を繋げやすくなったり、空を飛ぶ敵や遠距離攻撃を仕掛けてくる敵などへの対策が取れたりする。どうしても攻略できないステージが出てきたら、覚えているフォース技の組み合わせを変えたり、攻略済みのステージを再プレイして新たなフォース技を覚えたりして、攻略方法を模索していく。また各ステージごとに1回だけ、広範囲・大威力の超必殺技も使える。

 なお本作はステージ選択の前に3つのルートを選択可能。各ルートは独立しているので、1つ目のルートで詰まったら2つ目、3つ目のルートを攻略していく方が、ゲームをスムーズに進行できる。

チップがあればコンティニューはできるが、強力な敵には何度やっても敵わないこともある
敵を倒して経験値を得て、スタイルのレベルを上げる。一定のレベルで新たなフォース技を得られる
フォース技は後から覚えるものが強いとは限らない。他のフォース技との連携を考えるのが大切だ

スマートフォンの弱点を“操作待ち”で解決

大型の敵は、弱い攻撃では隙を見せてくれない。フォース技で畳みかけるのが基本だ

 本作には新たなフォース技の獲得などの成長要素があるものの、何度も繰り返しプレイしていればキャラクターが強くなっていつかクリアできる……という類のゲームではない。各スタイルのレベルを最高まで上げて覚えられる最後のフォース技も、決して万能なものではない。あくまでアクションゲームとして、攻略方法を探らねばならない。

 最初に詰まるのが、通常よりやや大型の敵だ。小さい敵はこちらの攻撃がヒットすると、のけぞったり吹き飛んだりして隙ができるのだが、大型の敵はこちらの攻撃などお構いなしで強烈な反撃を仕掛けてくる。こういう敵には、連続ヒットするフォース技を当ててやることで、パリーンと割れるような効果音とともに体勢を崩すことができる。そこからうまく連続で攻撃を叩き込めれば、一方的に撃破することも可能だ。

 次に困るのが遠距離攻撃。接近しようとしても敵の攻撃で近付けない。こちらも遠距離攻撃ができるフォース技を使うのが手っ取り早いが、フォース技を使うとフォースゲージを消費する。フォースゲージは敵を攻撃することなどで回復できるが、使いすぎると枯渇してしまう。

 こんな時には無敵が発生する技を使う。たとえばホーミング攻撃は、空中から敵に突進している間が無敵なので、遠距離攻撃もすり抜けて敵に接近できる。またフォース技には無敵が発生するものや、大きく移動しながら攻撃できるものが多いので、敵に合わせて適切に選べば攻略がぐっと楽になる。

 そしてもっと困るのが、複数種類の敵が混じっていっぱい出てくる状況。遠距離攻撃を抜けるべくジャンプすると、空中でタックルしてくる敵が待っていたり、そもそも波状の遠距離攻撃で無敵だけでは抜けきれなかったりする。そして空中でダメージをもらった後、何もしないとそのまま空中でダメージを受け続ける状況にもなる。この時はジャンプアイコンをタップすることで、受け身を取りつつ周囲の敵を散らす攻撃が出せる。

 後半のステージでは、自分の技と敵の攻撃のエフェクトが入り混じって画面が埋め尽くされ、自分がダメージを与えているのか、ダメージを受けているのかもわからなくなる瞬間がある。敵の中にフォース技で突撃したら、大型の敵の攻撃で吹き飛ばされていて一瞬でダウンということも発生する。受け身などでのリカバリーや、その後すばやくフォース技を発動させて無敵時間を作るなどの操作を、即座に判断してやらねばならない。

遠距離攻撃をしてくる敵には、無敵時間があるホーミング攻撃が有効
空中でダメージを受けたら受け身を取る。放っておくと大ダメージに繋がる

 攻撃時には次の技を選ぶ余裕があるのでじっくりと操作できるが、防御時にぼーっと見ているとあっさりライフがなくなるので俊敏な操作が求められる。大味であることは否めないが、多数の敵をまとめて仕留めた時の達成感と爽快感は本当に素晴らしいと思う。

 アイコン4つで操作するゲームだが、決して簡単なゲームではない。アクションゲームが得意な筆者でも、新しいステージに進むと度々行き詰まり、レベル上げやフォース技の組み合わせ探しに勤しんだ。1ステージの時間は長くて10分程度だが、熱中しているとあっという間に数時間経過ということもある。

 タッチ操作で遊ぶスマートフォンは、家庭用ゲーム機やPCなどに比べてアクションゲームに不向きなのは間違いない。その解決策として、“入力時間を待つ”仕組みがうまく機能している。ちょっとした時間でプレイできるスマートフォンゲームのよさを残しつつ、本格的なゲームを遊んだという感覚もしっかり味わえるのが本作の魅力だ。無料の体験版も用意されているので、アクションゲーム好きの方はぜひ一度お試しいただきたい。

敵が増え、自分のフォース技も強力なものになると、画面がエフェクトで埋め尽くされる。うまく行けば爽快だが、失敗すると即死に繋がることもある
敵の攻撃パターンも増えていく。やみくもにフォース技を繋ぐだけでなく、敵の攻撃を避けるように発動するタイミングもポイントになる
先のステージでは超巨大な敵も登場。1ステージで1回しか使えない超必殺技もうまく活用して攻略したい

ソフトウェア情報

「Bluest -ブルーエスト-」
【著作権者】
TEAM DAMOMO
【対応OS】
Android 2.1以降
【ソフト種別】
ダウンロード販売 99円(税込み、体験版あり)
【バージョン】
2.2.1(14/09/27)

(石田 賀津男)