杜のAndroid研究室

第211回

セキュリティ機能を備えた高速Webブラウザー「CM Browser」

フィッシングサイト対策やダウンロードしたファイルのウイルススキャンが可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、セキュリティ機能を備えたWebブラウザー「CM Browser」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

安全かつ快適に閲覧できるWebブラウザー

「CM Browser」

 「CM Browser」は、キングソフト(株)が提供するセキュリティ機能を備えた軽量かつ高速なタブ切り替え型Webブラウザー。フィッシングサイトを警告する“詐欺防止”機能のほか、ダウンロードしたファイルをウイルススキャンする機能を備え、Webページを安全に閲覧することが可能。また、Webページを先読みするプリロード機能を備え、よりスピーディーに閲覧を行えるほか、独自インターフェイスのタブ管理画面でタブ操作も快適に行うことができる。

 ブラウザー画面では、画面下部にツールバーが表示され、ツールバー左側の[<][>]ボタンをタップして、戻る・進むの操作が可能。また、ツールバー中央の[ホーム]ボタンをタップすると、検索窓のほか、“Yahoo! JAPAN”“Amazon.co.jp”などへのショートカットを備えた“ホームページ”をすばやく表示できる。

 Webページの閲覧時にスクロールを行うと、画面上部のアドレスバーと下部のツールバーが自動で非表示になり、画面全体にWebページを表示可能。反対方向へのスクロールなどを行うことで、アドレスバーとツールバーを再び表示することができる。

 ツールバーで右から2番目にある[メニュー]ボタンをタップすると、画面下半分にメニューを表示可能。メニューの[履歴]ボタンからは“履歴”画面を、[ブックマーク]ボタンからは“ブックマーク”画面を表示できる。“ブックマーク”画面では、フォルダの作成やブックマークの移動・削除などの管理ができるほか、Androidの標準ブラウザーやAndroid版「Chrome」からブックマークをインポートすることも可能。

スクロールするとアドレスバーとツールバーが非表示になり、画面全体にWebページを表示可能
ツールバーの[メニュー]ボタンからメニューを表示し、閲覧履歴やブックマークを閲覧できる

 表示中のWebページをブックマークしたいときは、アドレスバー右側の[…]ボタンをタップして表示されるメニューで[このページをブックマーク]項目を選択すればよい。また、メニューの[ホーム画面に追加]項目を選択すれば、WebページへのショートカットをAndroidのホーム画面に配置できるほか、[共有]項目からはSNSアプリなどを使ったWebページの共有が可能だ。

 また、画面上部のアドレスバーは検索バーと一体化しており、キーワードを直接入力してGoogle検索を行える。なお、検索エンジンは切り替え可能で、アドレスバー左側の[g]ボタンをタップして表示されるメニューから[Amazon][Rakuten]などの項目を選択し、ショッピングサイトなどのサイト内検索を行う検索エンジンに切り替えられる。

アドレスバー右側の[…]ボタンのメニューからWebページのブックマークや共有を行える
アドレスバーにキーワードを直接入力してGoogle検索が可能

フィッシング対策やウイルススキャンなどのセキュリティ機能

 セキュリティ機能を備えているのが本アプリの特長で、フィッシング詐欺が疑われるサイトにアクセスしたときには警告が表示され、アクセスをブロックすることが可能。また、信頼できると判定されたサイトにアクセスしているときには、アドレスバー左側に黄緑色の盾アイコンが表示されて確認できる。加えて、Webページからファイルをダウンロードした際には、自動でウイルススキャンが行われ、マルウェアなどのインストールを防ぐことが可能。

 画面下部のツールバーの[メニュー]ボタンから表示されるメニューで[セキュリティ]ボタンをタップすると、セキュリティとプライバシーの設定画面を表示可能。“詐欺防止”“ダウンロード保護”機能をON/OFFできるほか、Webサイトによる閲覧行動の追跡を拒否する“追跡防止”機能をONにすることもできる。

 さらに、画面下半分に表示されるメニューで[設定]ボタンをタップすると、本アプリの設定画面を表示可能。設定画面の[高度な設定]項目を選択して表示される画面では、Webページを先読みするプリロード機能をOFFにできるほか、Webページ上の画像を読み込まずに非表示にすることができ、LTE/3G接続時の通信量を節約したいときなどに役立つ。

セキュリティとプライバシーの設定画面で“詐欺防止”“ダウンロード保護”機能などをON/OFFできる
“高度な設定”画面で画像の読み込みやプリロード機能をOFFにして、通信量を節約できる

直感的にタブを操作できるトランプ風のタブ管理画面

 ブラウザー画面下部のツールバーの右端にある[タブ]ボタンには、現在開いているタブ数が表示されて確認できるほか、[タブ]ボタンをタップすればタブ管理画面を表示可能。タブ管理画面では、各タブのサムネイルがトランプのように扇状に表示され、フリックとタップでタブを選択して、表示するタブを切り替えることができる。

 また、不要なタブを上へスワイプすれば、タブを閉じることが可能。さらに、任意のタブを長押しすると、開いているすべてのタブを選択することができ、上へスワイプして全タブを一気に閉じることができる。また、画面下部の[+]ボタンをタップすれば、新規タブを開くことが可能だ。

開いているタブがトランプのように表示され、上へスワイプすることで閉じられる
タブを長押ししてすべてのタブをまとめて選択し、一気に閉じることも可能

 閲覧履歴やログイン情報が残らない“シークレットタブ”も利用可能。現在表示しているWebページをシークレットタブに切り替えたいときは、ブラウザー画面右上の[…]ボタンのメニューから[シークレットモードに切替]項目を選択すればよい。また、Webページのリンクを長押して表示されるメニューで[シークレットタブで開く]項目を選択すれば、リンク先のWebページをシークレットタブで開くことができる。なお、タブ管理画面の上部に表示されるタブを選択することで、通常のタブとシークレットタブの管理画面を切り替えることが可能。

閲覧履歴やログイン情報が残らないシークレットタブに切り替え可能
リンクを長押しし、リンク先のWebページをシークレットタブで開くこともできる

ステータスバーも表示しない全画面閲覧が可能

 そのほか、ブラウザー画面右上の[…]ボタンのメニューからは、ページ内検索や“Google翻訳”を利用したWebページの翻訳、スマートフォン用サイトからパソコン用サイトへの切り替えなどが行える。また、メニューの[全画面表示]項目を選択すれば、ステータスバーも非表示にして、Webページを全画面表示することが可能。全画面表示に切り替えると、画面右下などに半透明のボタンが表示され、ボタンをタップすることでアドレスバーやツールバーを一時的に表示できる仕組み。

 また、本アプリでYouTubeなどの動画を再生し、動画右下のボタンをタップすると、全画面で再生画面を表示可能。再生画面はジェスチャー操作に対応しており、画面右側を上下にスワイプして音量、画面左側を上下にスワイプして画面の明るさを調整することができる。

画面右上の[…]ボタンのメニューからページ内検索や翻訳も行える
パソコン用サイトに切り替えたり、ステータスバーも非表示になる全画面表示も可能
「CM Browser」
【著作権者】
キングソフト(株)
【対応OS】
Android 4.0以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
5.0.56(14/09/16)

(ライターズハイ:鈴木 友博)