杜のAndroid研究室

第202回

“死んで覚える”ガチ難易度のリボルバー・バトルRPG「マジックガンナー」

知恵と勇気を弾に込め、殺戮AIに立ち向かえ!

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、リボルバーに弾丸を篭めて戦っていく戦略性の高いRPG「マジックガンナー」を紹介しよう。

 なお本作は、基本プレイ無料・アイテム課金制のオンラインゲームとして提供されており、ゲーム内でガチャなどに利用するアイテム“マナ”が有料販売されているが、マナは特定ミッションの初回クリア時などにも入手することが可能だ。

AI軍団に銃で立ち向かうサイバーパンクRPG

ダンガンをリボルバーに篭めて戦うRPG

 「マジックガンナー」は、さまざまな効果をもつ“ダンガン”をリボルバーに篭めて攻撃する、完全オリジナルの戦闘システムが特徴のRPG。さまざまな敵とバトルを繰り広げるミッションと、武器弾薬の収集、開発が楽しめる。

 舞台となるのはAIに支配され、人類が地上を追われた世界。プレイヤーは魔法の銃“マジガン”とその弾“ダンガン”を扱う“マジックガンナー”となり、AI政府から地上を取り戻すためさまざまなミッションをこなしていく。

 初回起動時には、まずアメコミ調のマンガでサイバーパンクと魔法が融合した世界観に引き込んで行くのがユニーク。一方で、ゲーム自体にはシナリオパートなどは一切なく、ひたすら戦闘を繰り返す非常にストイックな内容だ。

 しかしミッションの説明画面に表示されるちょっとしたテキストや、未来のガジェットをイメージしたような画面UI、そして“ムサシノ小型火力魔導炉”“ギンザ第一防衛線”などと旧東京が舞台と匂わせるミッション名などにより雰囲気作りは上々、想像をかき立てるものとなっている。テクノ調かつメロディアスな、これぞゲーム音楽というノリのBGMも大きな魅力だ。

本作のキービジュアルやゲーム初回起動時のマンガは漫画家の御船麻砥氏が担当
「マジックガンナー」公式のBGM紹介動画
BGMはチップチューンを中心とした楽曲制作のほか、TVアニメの主題歌プロデュースでも知られるヒゲドライバー氏が担当する

リボルバーにダンガンを篭めて攻撃。属性や弾種の使い分けがポイント

フリックでダンガンを篭める。リボルバー上のマークとダンガンの属性が合えば威力アップ

 ミッションは数回のザコ戦とミッションごとに固定のボス戦で構成されており、すべての敵を倒せばクリア。敵は数ターンごとに攻撃を仕掛けて来て、こちらのシールド(HP)が尽きるとミッション失敗となってしまう。

 攻撃は、あらかじめ4種類までセットしたダンガンを、画面のフリックで六連装のリボルバーに篭めることで行う。つまり1ターンに最大6発の連続攻撃ができるわけだ。各ダンガンにはそれぞれ保持可能な最大弾数とミッション開始時の初期弾数、補給レートが設定されており、一定ターンごとに弾が補給される。

 ダンガンには三すくみの相性がある火・水・木の属性に無属性を加えた計4つの属性と、威力は高いが弾数が少ない貫通弾や全体攻撃ができる散弾、平均的な性能の通常弾といった弾種の違いがある。また、リボルバーの2、4、6発目には4つの属性に対応するマークがランダムで付けられ、マークと同じ属性のダンガンを篭めることで威力が増加。虹色のマークの場合は全属性のダンガンで威力が増加する。

 複数の敵が居るときは、篭めたダンガンの属性が有効な敵を自動で狙う仕組みだが、敵をタップしてターゲットを絞ることも可能。敵の属性や残りシールド、残弾数、リボルバーマークとの相性……こうしたさまざまな要素により状況を判断し、リボルバーに篭めるダンガンと狙う敵を変えるのが本作における基本戦術だ。

マジガンとダンガンの収集も醍醐味。相性のよい組み合わせで効果アップ

さまざまな個性もをつダンガンを4つまでセットする

 新たなダンガンはミッションのクリアや“錬成陣”と呼ばれるガチャなどで手に入る。ダンガンには攻撃力や属性・弾種の違いに加えて一定ターンの経過で発動できる固有のスキルが備わっており、強力な攻撃スキルからシールドを回復するもの、敵の行動を遅らせるもの、ダンガンを補給するものなどさまざまだ。

 また、ダンガンを篭めるマジガンも数多く用意されており、特定のダンガンを素材にして開発可能。マジガンによってシールドの総量やダンガンに上乗せされる基本攻撃力、重量などに違いがある。重量は軽いほど敵が攻撃を仕掛けてくるまでのターン数が延びる仕組みで、スペックは低めだが軽いハンドガン、重いが攻撃力が高いライフルなど特徴が付けられている。

 マジガンはメーカー・モデルごとに分類され、各マジガンのグラフィックも凝ったもの。開発したマジガンの収集も本作の楽しみのひとつだ。さらに、開発総数や特定モデルのコンプリートなどで開発ボーナスが解放され、シールドや攻撃力に補正がかかるようになるため、多くのマジガンを開発することがゲーム進行上もメリットとなる。

 そのほかマジガンには、特定属性や特定弾種のダンガンの威力が上がったり、補給弾数が増えるといった固有のパッシブスキルも備わっており、これによりマジガンとダンガンの組み合せ方に戦略が出てくる。たとえば攻撃力が3倍になる代わりに1ターンに装填可能な弾数が3発に半減してしまう“スティンガースタイルⅢ”というスキルは、元々最大弾数が少ない貫通弾との相性が抜群といった形だ。

開発可能なマジガンはゲームの進行により増えていく
マジガンはステータスや固有のスキルなどにより個性が付けられている

中盤からは初見殺しミッション続出。低ターンクリアやオーバーキルのやり込み要素も

中盤からのボス戦では、ボスに特化した装備が重要となる

 このように、ミッションに持ち込む武器の組み合わせを選ぶ戦略と、敵に応じてそれを使い分ける戦術が肝となる作品だが、どの場面でも通用する万能な装備はなく、そのミッションの敵に応じた装備が重要になる。といっても、実際にどんな敵が出てくるのかは、戦ってみないとわからない。

 とくに中盤からは、まずは生存重視の装備で何とかボスまで到達して、その属性やタイプ(攻撃頻度が高い、攻撃は遅いが一撃が高威力、とにかく硬い……などなど)を把握し、あらためて特化装備を考えるという流れになる。イメージとしては決死の威力偵察といったところだが、本作はミッション出撃に実時間で回復するスタミナを消費することを考えると、“死んで覚えるのが前提”というのはなかなか挑戦的な仕様と言えそうだ。

 また、ミッションには目標ターン数が設定されており、目標以下のターン数でクリアすると、クリア後に貰えるダンガンの数が増える。これを狙うなら、ボスに有効なダンガンを用意することはもちろん、ザコ戦を長引かせないことが重要。そのためには、敵を撃ち漏らさず、かつ無駄撃ちにならないよう、丁度よくリボルバーへダンガンを篭める必要がある。敵を全部倒した後にリボルバーへダンガンが残っていてもそこで射撃は止まらず、篭めたダンガンは撃ち尽くされて無駄になってしまうのだ。

 また、弾を篭める順番も重要。攻撃時、最初のターゲットは選択できるがそれを倒したあとのターゲットは自動選択となっているので、何発目でどの敵を倒せるか、その場合次の弾はどの敵に飛んでいくのか……など、6回分の攻撃とその結果を先読みして弾を篭める形になる。これにリボルバーマークの相性まで加わって、最適解はその場その場で変化。パズル的な思考要素が非常に強いバトルが展開される。

 一方で、爽快感抜群なのが“フルバースト”。これはダンガンを撃つたびに溜まるバーストゲージがフルになると発動可能で、発動後は一定時間、任意のダンガンを押し続けることで残弾数に関係なくオート連射ができる。切り札として使えるほか、目標ターン数と同様に達成すると貰えるダンガンが増える“オーバーキル”の達成にも重要。オーバーキルはボスを倒すときに最後の一撃で一定以上の余剰ダメージを与えることで達成となるが、フルバーストの場合は連射中のすべてのダメージが“一撃”とカウントされるためだ。

 オーバーキル達成のためフルバーストを温存するのもありだが、そうすると今度は火力が足りず目標ターン数の達成が危うい……などなど、戦闘中はとにかく考えることが多い。その分、ザコをリボルバーに篭めた最後の弾でピッタリ殲滅したり、フルバーストでボスにトドメを刺してオーバーキルを達成したりなど、戦略がうまくはまったときの達成感は格別だ。

さまざまな属性の敵が入り交じるパズルのような局面も。最初に狙う敵と、弾を篭める順番がポイント
フルバーストは大ダメージを与える切り札。オーバーキルの達成にも必須だ

フリックによる弾篭めの手触り感も魅力。歯ごたえのあるバトルが好きな人にオススメ

硬派なデザインに機能が纏まったメイン画面

 ダウンロードページのトップに“ゲーマーのディストピア”などという不穏なキャッチが並ぶくらい、本作は本気でプレイヤーを殺しにくるガチ難易度を売りにしたゲームだ。とはいえ理不尽に難しいわけではなく、経験を積んで『この敵なら何発で倒せるか』など戦闘の勘所を掴んでいくことで、勝てなかったミッションでも徐々に勝てるようになっていくのが面白い。

 また、自分で装備するダンガンは4つだが、出撃時には別のプレイヤーのダンガンを1つ借りることが可能。とくに初心者はベテランの助けが大いに役立つことだろう。そのほか難易度の低い戦略指南のミッションが用意されるなど、最近は初心者支援にも力が入れられている。

 それでも行き詰まった場合は素材を集めて強いマジガンを作るとブレイクスルーとなり、しかしまたしばらく進むと壁が……というサイクルが次第に気持ちよくなっていく。新しいマジガンは威力が強すぎて無駄弾を撃ちまくってしまい逆に戸惑うなんてこともあり、使い込むことで武器が手に馴染んでいく、そんな感覚を疑似体験することが可能だ。

 ぱっと見ではまずBGMの格好良さや、一目で他にないとわかるリボルバー型の戦闘画面が目を惹く作品だが、実際にプレイしてみるとフリックによる弾篭めや長押しによるフルバーストなど手触り感のあるインターフェイスが心地よく、一発の重みが大きい緊張感のあるバトルがほどよく脳を刺激する。そうこうしているうちに、気が付けば地獄の最前線に立っている自分に気付くことだろう。スマホゲームでも歯ごたえのあるバトルがしたい!という人にはぜひ試してほしい一作だ。

プレイ動画
執筆時現在配信中のミッション中では中盤にあたる“トヨス第二防衛線”の“防衛線を死守せよ Ⅰ”ミッション。ボスのシールド削りは一部省略している

ソフトウェア情報

「マジックガンナー」
【著作権者】
MagicGunners Projects
【対応OS】
Android 4.0以降(iOS版も配信中)
【ソフト種別】
フリーソフト(アイテム課金あり)
【バージョン】
1.0.1(14/04/21)

(中村 友次郎)