杜のAndroid研究室

第183回

見切って防いで反撃せよ!カウンターが熱いアクションRPG「姫騎士と最後の百竜戦争」

豊富な武器を使い分けてステージを制覇、やり込みも楽しめる快作アクション

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、アクションRPG「姫騎士と最後の百竜戦争」を紹介しよう。

シンプルな操作で奥深いバトルが楽しめるアクションRPG

タイミングよくボタンを押して攻防を繰り広げていく

 「姫騎士と最後の百竜戦争」は、ステージ攻略型の横スクロールアクションRPG。ボタンタップのみのシンプルな操作ながら、タイミング重視の奥深いバトルを楽しめるのが特徴となっている。豊富に用意された武器の収集・強化も醍醐味のひとつだ。

 本作は基本プレイ無料のアイテム課金制だが、執筆時現在は有料アイテムが必須の要素は存在せず、課金要素は武器の召喚などに必要なアイテム“聖石”の購入に集約されている。聖石は購入する以外にも特定ステージのクリアなどで入手することが可能。また、本作のバトルはプレイヤースキルに大きく依存しているため、強い武器が手に入らなくても実力でカバーすることが可能だ。

攻撃・防御のタイミングが鍵を握る“カウンターバトル”

竜と魔女を倒すために旅立った主人公の姫騎士“ミナ”

 ゲームの舞台は、百匹の竜を従えた魔女と人類が存亡をかけて戦争を繰り広げている大陸。百竜によって大陸の国々が制圧されていく中、残された国の騎士達は精霊の力を借りて百竜との戦いに臨んだ。プレイヤーはその中の一人であるエリニア王国の姫騎士“ミナ”となり、竜と魔女を倒し大陸に平和を取り戻すため旅立つ。

 ゲームの進行は、ステージをクリアしてシナリオを進め、ミナ自身や武器をレベルアップさせつつ、新たなステージへ挑んでいくというもの。各ステージでは次々に現れる敵を1体ずつ倒し、すべての敵を倒すとステージクリアという流れになっている。

マップからエリアを選び、さらにステージを選んで出撃。各エリアの最後は強力なボスが待ち構えるボスステージとなる

 1対1で行われるバトルの基本は、敵の動きに合わせて[ATTACK]と[DEFENCE]のボタンをタップして攻撃と防御を行い、HPを削り合うというシンプルなもの。しかしこのタイミング、とくに防御の使いこなしが非常に重要で、バトルの根幹を担っている。敵の攻撃を防御することでダメージを大きく減らせるのはもちろん、攻撃を受ける瞬間にタイミングよく防御することで“パリィ”の効果が発生。完全にノーダメージとなる上に敵がひるんで隙ができるため、すかさず攻撃することで大ダメージを与えられるのだ。

ガードによりダメージを減少。防御力次第ではノーダメージとなることも
パリィが成功すれば必ずノーダメージとなる上、敵がひるんで隙ができる。反撃のチャンスだ

 敵の攻撃パターンはさまざまで、フェイントをかけて攻撃タイミングをずらしてきたり、攻撃が終わったように見せかけて即座に追撃を仕掛けてきたりなど、なかなかいやらしい。タイミングを間違えると防御が間に合わず、あるいは早すぎてダメージを受けてしまう。敵によって異なる攻撃動作を見切って、防御からカウンター攻撃に繋げるのがポイントだ。

 また、[ATTACK]ボタンはゲージを兼ねており、ゲージフルでボタンをタップすると強力な大攻撃、ゲージが溜まってない状態では小攻撃となる。ゲージの回復時間は短いので基本的には大攻撃を狙っていくことになるが、あと少しで敵を倒せるときは即座に小攻撃で攻めるのもテクニックのひとつ。また、敵の攻撃を食らわずに攻撃を続けるとコンボとなり、コンボ数に応じてダメージにボーナスがつくので積極的に狙っていくのもよい。

 ステージが進むと敵も防御をしてくるほか、防御と攻撃の準備動作が紛らわしい敵など、あの手この手でこちらの隙を突いてくるのが面白い。パリィを狙って後の先を取るか、攻撃される前に先の先をとるか、読み合いの駆け引きを存分に楽しめるバトルとなっている。

連続攻撃によるコンボでダメージにボーナスがつく
ゆっくりと剣を引き、不意に突きを繰り出してくるスケルトン。防御のタイミングが取りにくい
ステージのプレイ動画。ボタンをタップする指にも注目してほしい

4種類の系統と6つの属性が武器選択のポイント

 バトルにおけるもうひとつ重要な要素が、武器の使い分けだ。武器は剣、メイス、弓、杖(魔法)の4系統があり、飛行する敵には弓、硬い鎧を纏った敵にはメイスなど、敵によって効果的な武器系統が異なる。さらに、剣や弓はATTACKゲージが溜まりやすく連続攻撃に有利といった武器系統ごとの特性もあり、場面に応じた武器選びが重要となってくる。

 武器はあらかじめセットした3つに加えて、ステージ開始前にランダムに一覧表示される他のプレイヤーの武器を1つ選んで借りることができ、計4つをボタンで切り替えながら戦う仕組みだ。

武器は3つを選んでセットする。武器のセットは5つまで用意し、ステージ開始前に切り替えることが可能
ステージ開始前にはランダムにリストアップされた他のプレイヤーの武器を選び、4つ目の武器とすることができる
ステージプレイ中に一時停止すると属性対応表が見られる。相関関係が若干ややこしいが、プレイしながら少しずつ覚えていこう

 さらに、武器と敵には火・水・風・土・聖・闇という6つの属性があり、この相性でもダメージが増減。敵に与えるダメージだけではなく、こちらが受けるダメージにも影響する。相性が悪い武器ではダメージがなかなか通らない上、逆にこちらは大ダメージを受けてしまい、一気にピンチに陥ることも。

 敵が現れたときは効果的な系統の武器のボタンが光るほか、画面上部には敵の属性が名前やHPと共に表示されるので、敵に遭遇したらすかさず有利な武器を選ぶ判断も必要。この武器系統と属性の組み合わせによって武器に個性が生まれており、さまざまな武器をステージに合わせて使い分ける楽しさに繋がっている。

 さらに、1つ1つの武器に個別のスキルが備わっているのも特徴。バトルを進めることで武器毎に用意されたゲージが溜まっていき、フルになったところで武器ボタンを長押しから上にフリックすることでスキルが発動する。スキルの種類は強力な必殺技やステータスアップ、HP回復などがあり、その威力も武器によってさまざまだ。

強力な必殺技やステータスアップ、HP回復などのスキルが用意されている

精霊のイラストがあしらわれた武器の収集、強化も醍醐味

精霊の力を宿した武器を召喚。幻想的な精霊のイラストも見所

 武器はステージクリア時のドロップや、“召喚”によってランダムに入手する方式。召喚は、ステージをクリアしたり、他のプレイヤーに自分の武器を使われると溜まる“友情pt”を消費する“友情召喚”と、聖石を消費する“聖石召喚”があり、基本的に前者は普通の武器(レアリティN)が、後者は精霊の力を宿した強力な武器(レアリティR~SR)が召喚される。

 幻想的で美麗なイラストがあしらわれた精霊武器を収集するのも本作の楽しみのひとつ。武器の一覧画面から武器と精霊のイラストや紹介文をじっくり堪能できるのはもちろん、装備した武器がバトル時のグラフィックに反映されるのも芸の細かいところだ。武器の見た目が変わるのに加え、特別な武器ではミナの衣装も専用のものに変化する。

武器の系統に応じてミナの衣装も4タイプにチェンジ。さらに、一部の特別な武器では衣装も専用のものに変化する

 武器は他の武器を合成素材として“強化”を行うことで、経験値を溜めてレベルアップし、ステータスが向上する。強化にはお金が必要で、これはステージクリアや不要な武器の売却などで入手可能。

 また、武器のレベルを最高まで上げて特定の進化素材と合成することで“進化”が可能。ステータスの伸び代が上がるのはもちろん、精霊武器には“竜殺の騎行”“痛みの刃”“月翼弓”などの二つ名がつくのも愛着が沸くポイントだ。

レベルアップにより武器のステータスが向上
特定の進化素材を集めて武器を進化させる

無料でも十分楽しめる、ほどほどのソーシャルゲーム要素

メイン画面ではスタミナの現在値や回復までの時間、次のレベルアップまでの経験値などをまとめて確認できる。放置しているとミナがさまざまな仕草を見せてくれるのも楽しい

 ここまではアクションRPGとしての「姫騎士と最後の百竜戦争」を紹介したが、本作はいわゆるソーシャルゲームの形式に則った作りとなっている。それが一番顕著に表れているのは、ステージ出撃に“スタミナ”を消費する点。スタミナは時間経過で回復する仕組みで、スタミナの最大値はミナのレベルアップで増加する。

 スタミナは聖石でも回復できるためアイテム購入を促す要素と捉えることもできるが、本作はアクションゲームなので、あまり一度に根を詰めすぎず、適度に休憩を入れるのに一役買っている面もある。また、本作はステージの途中でHPが0になって撤退すると、途中までの敵を倒していても経験値などは一切手に入らず、出撃が無駄になってしまう。出撃にコストがかかることが、ほどほどの緊張感に繋がっているとも言えるだろう。

 また、他のプレイヤーとフレンドになる要素もソーシャルゲームらしいもの。フレンド以外のプレイヤーから借りた武器ではスキルを使用できないが、フレンドの武器なら使用可能だ。さらに、フレンドに武器を使ってもらうことで友情ptが多く溜まるというメリットもある。ステージのクリア後には武器を借りたプレイヤーにフレンド申請ができるので、ここからフレンドを増やしていくのもよいだろう。

 とはいえ少なくとも執筆時現在は、フレンドとの共闘が必須の要素はない。メインシナリオとは別に、一人では倒しきれない“レイドボス”を複数のプレイヤーで協力して倒す討伐クエストもあるが、これもフレンド同士でなくても通りすがりで参加可能。討伐が成功すれば参加者全員、トドメを刺した人、ダメージMVPに報酬があるので、積極的に参加するといい。

通常の100倍~1,000倍ものHPをもつ強大な竜を相手にする討伐クエスト
限定ステージは曜日ごとのほか、突発的に配信されることも

 そのほか、進化素材を稼げるステージやお金が大量に手に入るステージなど曜日ごとの限定ステージが用意されていたり、レア武器の召喚率向上など期間限定のイベントが開催されるなど、日々楽しめる要素が随時提供されている。

クリアランクにエクストラステージとやり込み要素も抜群、アクションRPGファンにお勧め

ステージクリア時はクリア時間、パリィ・コンボ回数などによりスコアがつけられ、それに応じたランクが表示。最高ランクの“SS”到達で報酬アイテムがゲットできる

 このようにバラエティに富んだ内容が詰まっている本作だが、各種メニューなどのインターフェイスはすっきりとまとまっており煩雑な印象はない。また、ステージクリア時のランク評価や、通常より強化されたボスと戦えるエクストラステージなどのやり込み要素も用意されており、コンシューマーゲームのようなしっかりとした作り込みを感じるタイトルだ。

 ゲームの要所に挟まれるシナリオも、アクションゲームとしてのテンポを阻害しない程々のボリュームでありつつ、真っ直ぐな性格のミナや、彼女を導く精霊カラドボルグの旅路を生き生きと描いており、彼女達と共に頑張ろう、という気にさせてくれる。なお、メインシナリオは執筆時現在第Ⅱ章まで配信中で、次章は近日配信予定となっている。

 ちなみに、“片手で爽快なアクションを楽しめる”ことをウリにしている本作だが、ガチでやり込むなら両手の指を[ATTACK][DEFENCE]それぞれのボタンに置いてプレイするのがお勧め。そのくらいアクションのタイミングが重要なゲームだが、強い武器を揃えて強敵をどんどん倒せるようになるのも気持ちいい。アクションRPGが好きならぜひプレイしてほしい一作だ。

さまざまな出逢いを経ながら、ミナとカラドボルグの旅は続いていく

ソフトウェア情報

「姫騎士と最後の百竜戦争」
【著作権者】
(株)カヤック
【対応OS】
Android 4.0.3以降(iOS版も配信中)
【ソフト種別】
フリーソフト(アイテム課金あり)
【バージョン】
1.0.4(14/02/27)

(中村 友次郎)