杜のAndroid研究室

第168回

Microsoft純正のリモートデスクトップアプリ「Microsoft Remote Desktop」

Android端末からWindowsパソコンを遠隔操作

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Microsoft純正のリモートデスクトップアプリ「Microsoft Remote Desktop」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

Windowsに標準搭載されている「リモートデスクトップ接続」のAndroid版

「Microsoft Remote Desktop」

 「Microsoft Remote Desktop」は、Windowsに標準搭載されている「リモートデスクトップ接続」のAndroid版。LANなどのネットワークで接続されたWindowsパソコンのデスクトップをAndroidの画面に表示し、マウス操作やキーボード操作を行うことが可能。また、Windowsで鳴っている音をAndroid端末で鳴らすこともできる。Microsoft純正のため特別なソフトをWindowsにインストールする必要がなく手軽であるとともに、[Alt]+[Ctrl]+[Delete]キーの送信など、特殊なキー操作も行えるのがうれしい。

 なお、リモートデスクトップはWindows 7の“Home Premium”エディションなど、一部のエディションでは利用できないので注意。

 利用するには、あらかじめ操作されるWindows側でリモートデスクトップの接続を許可する必要がある。リモートデスクトップの接続を許可するには、まず“コントロール パネル”-“システムとセキュリティ”画面で“リモート アクセスの許可”をクリックするなどして、“システムのプロパティ”ダイアログの[リモート]タブを表示する。

 次に、“リモート デスクトップ”領域のラジオボタンで“このコンピューターへの接続を許可しない”以外の選択肢を指定する。セキュリティの都合上、可能な限り一番下の選択肢を選択するようにしよう。あとは、[OK]または[適用]ボタンを押せばWindows側の準備は完了。

“コントロール パネル”-“システムとセキュリティ”画面で“リモート アクセスの許可”をクリック
“システムのプロパティ”ダイアログの[リモート]タブ

 Android上のアプリ側では、まず起動時の画面で右上にある[+]ボタンをタップし、任意の接続名と接続するパソコンのIPアドレスまたはマシン名、デフォルトゲートウェイのIPアドレス、ユーザー名とパスワードを入力して[DONE]ボタンをタップする。パソコンのIPアドレスやデフォルトゲートウェイのIPアドレスは、Windowsのコマンド プロンプトで“ipconfig”と入力するなどして調べるとよいだろう。

起動時の画面で右上にある[+]ボタンをタップ
パソコンのIPアドレスなどを入力
接続名のタップでポップアップする確認画面

 あとは、メイン画面上に作成された接続名をタップすると確認画面がポップアップし、[Trust Once]または[Trust Always]ボタンを押せば接続可能。確認画面で、[Trust Once]ボタンを押した場合は次回の接続も確認画面が現れ、[Trust Always]ボタンを押した場合は次回接続時から確認画面は表示されなくなる。

Androidの日本語入力システムと独自の仮想キーボードであらゆる操作が可能

 接続すると、Windowsのデスクトップが画面全体に表示される。画面上をタップするとクリック、なぞればドラッグ、長押しで右クリックメニューを表示可能。また、デスクトップ上部にあるバー上のキーボード型ボタンを押すと、Androidの日本語入力システムが起動し、文字入力を行える。

クリック・ドラッグ・タップなどが可能
Androidの日本語入力システムを起動

 デスクトップ上部のバー自体をタップすると半透明のバーが日本語入力システムの上部に現れる。このバー上のボタンをオンにして日本語入力システムでアルファベットを入力することで、[Shift][Ctrl][Alt][Windows]といったキーと組み合わせたショートカットキーなどのキーボード操作を行うことが可能。また、このバーから[Tab]キーも入力できる。

 さらに、右から2番目のボタンを押すと、マウスカーソルモードに切り替え可能。マウスカーソルモードでは、デスクトップに表示されたマウスカーソルの下にクリックなどの操作が行われる。マウスカーソルは画面上のスライドで位置を移動し、タップでクリック、ダブルタップしてそのままスライドすることでドラッグ、二本指でのタップで右クリックが可能。

半透明のバー
マウスカーソルモード
本アプリ独自の仮想キーボード

 加えて、半透明のバー右端のボタンを押すと本アプリ独自の仮想キーボードを表示できる。このキーボードにはカーソルキーやファンクションキー、[Esc]キーなど、Androidの日本語入力システムにはないキーが並んでいる。この仮想キーボードと半透明のバーの組み合わせで[Alt]+[Ctrl]+[Delete]キーを送信することも可能だ。

 デスクトップ上部にあるバーの左側にあるボタンを押すとデスクトップを拡大表示できる。拡大表示や日本語入力システムを表示した状態では画面中央よりやや上にアイコンが表示され、アイコンをスライドすることで画面をスクロールさせることが可能。

 そのほか、Androidの[戻る]ボタンを2回連続で押すと接続を切断できる。

「Microsoft Remote Desktop」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Android 2.2以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
8.0.1.24115(13/10/20)

(長谷川 正太郎)