杜のAndroid研究室

Palm OSの文字入力方式が時を超えて復活!「Graffiti for Android」

一筆書き風アルファベット入力とローマ字変換で高速な文字入力が可能

(10/09/01)

 スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は、Android端末上で“Graffiti”と呼ばれる一筆書き風のアルファベット入力と、それを使ったローマ字変換による日本語入力を可能にする「Graffiti for Android」を紹介する。

そもそも“Graffiti”とは何か?

「Graffiti for Android」 「Graffiti for Android」

 「Graffiti for Android」は、Android端末上で“Graffiti(グラフィティ)”による文字入力を可能にするアプリ。Graffitiとは、スマートフォンの祖先であるPDA(Personal Digital Assistant)の代名詞的存在PalmシリーズのOSで利用されていた文字入力方式。一筆書き風にアレンジしたアルファベットを用いることで、手書きによるすばやい文字入力を実現しているのが特徴だ。

 Palmシリーズは、日本国内では1999年に日本IBMが販売することで正式に上陸を果たしたほか、2000年にはソニーがPalm OSを搭載したCLIE(クリエ)シリーズを発売、2005年にCLIE最終機種であるPEG-VZ90の生産が終了するまで、まさに一時代を築いた存在なだけに、実際に使ったことがなくともピンと来る読者も多いのではないだろうか。

 いまだ根強い人気をもつ入力方式だけに、ほかのOS上でGraffiti入力を可能にするアプリが過去何度も登場してきたが、今回は現在Graffitiに関する権利をもつ(株)ACCESSの手によるもので、いわばオフィシャルな存在だ。なお、Graffitiにはマイナーチェンジ版の“Graffiti 2”も存在するが、今回登場したのは元祖Graffitiをベースとしたものとなっている。

ヘルプ機能搭載のためGraffiti初心者でも安心

設定画面で“日本語入力”を有効にしていない場合、各種操作ボタンは表示されないシンプルな画面となる 設定画面で“日本語入力”を有効にしていない場合、各種操作ボタンは表示されないシンプルな画面となる

 Graffitiによる文字入力を利用するには、まず文字入力方式を「Graffiti for Android」に切り替える必要がある。アプリケーションのインストール後、Android端末の設定画面にある“地域/言語 & 文字入力”または“言語とキーボード”の設定で“Graffiti”にチェックを入れる。続けて、その下から開けるGraffitiの設定で“日本語入力”にチェックを入れたあと、適当なアプリの文字入力欄をタップ&ホールドし、ポップアップメニューが開いたら[入力方法]から[Graffiti]を選択すればよい。

 「Graffiti for Android」の入力パネルは、左側の大きなアルファベット入力欄と、右側の小さな数字入力欄に分かれており、入力したい文字種に合わせて入力欄を使い分ける仕組み。

 入力欄左の[?]ボタンのタップ、または入力欄の下から上まで直線を引くことで、ヘルプ画面を呼び出して文字のサンプルを参照できるので、慣れないうちはこれを活用しよう。それぞれの文字サンプル上に描かれた点の部分が書き始めとなる始点だ。たとえば“A”なら、左下に始点があるので左下から書き始めることになる。さらに、ヘルプ画面のサンプル部分をタップすると表示が切り替わり、記号や後述するジェスチャーの入力方法を表示させることも可能だ。

 なお、Xperiaなど一部の機種では、入力中に線が途切れて誤認識されてしまいがちなので、指先にある程度力を入れる感じで入力するとよい。

ヘルプ画面。サンプルの表示部分をタップすることで、表示内容を切り換えられる ヘルプ画面。サンプルの表示部分をタップすることで、表示内容を切り換えられる

記号入力時には、先に点(ドット)を打ってから続けて記号を入力する“Punctuation shift”と呼ばれる仕組みを採用 記号入力時には、先に点(ドット)を打ってから続けて記号を入力する“Punctuation shift”と呼ばれる仕組みを採用

特殊な記号の入力には、先に左上から右下に斜線を引いてから続けて記号を入力する“Extended shift”を採用 特殊な記号の入力には、先に左上から右下に斜線を引いてから続けて記号を入力する“Extended shift”を採用

アクセント符号の入力は、先にアルファベットを入力してから続けて記号を入力する アクセント符号の入力は、先にアルファベットを入力してから続けて記号を入力する

推測変換に対応した日本語入力機能

ローマ字による日本語入力が可能 ローマ字による日本語入力が可能

 アルファベット入力欄左の[A]ボタンをタップすることで、入力モードをひらがな、全角カタカナ、半角カタカナ、英語に順次切り替えられる。なお、Graffitiは日本語による手描き文字認識には対応していないため、日本語入力に関してはすべてのモードともローマ字入力が前提となる。

 オープンソースの「OpenWnn」ベースの日本語変換エンジンを搭載しており、お馴染みの推測変換にも対応。文字を入力していくに従って、入力パネルの上部に推測変換候補が表示されていくほか、英単語のサジェスト入力にも対応する。また、入力欄左の[変換]ボタンを押すことで、単漢字変換も可能だ。さらに、変換候補欄の右上に表示された上矢印をタップすることで、画面一杯に変換候補を表示させることもできる。ユーザー辞書を利用した単語登録にも対応しており、こちらは前述したGraffitiの設定画面から登録を行う。

ジェスチャーを利用した効率的な文字入力

ヘルプよりジェスチャーの一覧。なお、図中の“Short Cut”はAndroid版では無効のようだ ヘルプよりジェスチャーの一覧。なお、図中の“Short Cut”はAndroid版では無効のようだ

 Graffitiではアルファベットや数字、記号といった通常文字の入力に加え、特殊なジェスチャーを入力することで、改行やシフト、キャップスロック、バックスペースなどの操作が可能となっている。とくに右上から左下に斜線を引くジェスチャーで改行および文字入力の確定、右から左に向かって横線を引くバックスペースで1文字削除は利用頻度が高いので真っ先に覚えたい。

 なお、左から右に向かって横線を引くスペース入力でも変換操作が可能だが、残念ながら変換候補の選択には利用できないため、活躍の場面は少なそうだ。ちなみに、左下から右上に斜線を引く“Menu Cmd”ジェスチャーでは利用中のアプリのメニュー表示が行えるので、覚えておくと便利かもしれない。

習得難易度は意外と低め、フリック入力に馴染めなかった人にお勧め

 Graffiti入力は、特殊な文字を覚えなければならないため一見するとハードルが高いが、アルファベットと数字に関しては、元の文字を一筆書き風に崩したものなので意外と簡単に覚えられる。また、誤認識がほとんどなく、文字認識の完了を待たずに文字をどんどん先行入力していくことが可能なため、慣れればかなり高速な文字入力が可能だ。

 現在、スマートフォンの文字入力では、テンキー上を上下左右にフリック操作することですばやい文字入力を行える“フリック入力”が人気だが、どうしても馴染めないという人も居ることだろう。そんな人にはぜひこの『懐かしくて新しい』文字入力法を試してもらいたい。

【著作権者】
(株)ACCESS
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.2

「Graffiti for Android」インストール用のQRコード 「Graffiti for Android」インストール用のQRコード

(霧島 煌一)