杜のAndroid研究室

管理からレタッチまで写真のことならおまかせ「Photoshop.com Mobile」

Webアルバムへのアップロードや“Twitter”への写真投稿にも対応

(10/06/16)

 スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”用アプリのライブラリサービス“Androidマーケット”(以下、“マーケット”)には、日々すばらしいアプリが次々と登場している。しかし現在のマーケットは人気アプリや定番アプリにたどり着くための仕組みが弱く、大量のアプリを前に途方にくれてしまう場面も多い。そこで『杜のAndroid研究室』では、さまざまなテーマに沿って窓の杜スタッフが厳選したアプリを紹介していく。今回は、写真の管理からフォトレタッチまでこなせる多機能アプリ「Photoshop.com Mobile」を紹介する。

写真のことなら全部おまかせのオールインワンアプリ

「Photoshop.com Mobile」「Photoshop.com Mobile」

 「Photoshop.com Mobile」は、フォトレタッチユーザーにおなじみのアドビ製の無償アプリで、大きく分けて3つの機能が用意されている。1つ目は画像の管理機能で、内蔵カメラの撮影画像やWebアルバムサービス“Photoshop.com”上の画像をまとめて管理できる。2つ目は、画像のトリミングや露出補正、コントラストの調整といったフォトレタッチ機能だ。最後の3つ目は、“Photoshop.com”をはじめとするWebアルバムへの画像のアップロード機能となっている。早速、それぞれの機能について詳しくみていこう。

サムネイル表示やスライドショーに対応した画像管理機能

 まず画像管理機能では、内蔵カメラで撮影した画像と“Photoshop.com”に保存された画像を、サムネイルにより一覧表示することが可能だ。画面上部の[オフライン]と[オンライン]の2つのボタンを切り替えることで、ローカルに保存された画像と“Photoshop.com”上の画像を簡単に切り替えられる。サムネイル画像をタップすれば全画面表示も可能だ。全画面表示では、画面上の矢印ボタンや画面の左右フリックで前後の画像への切り替えが行える。さらに、画面タップで操作ボタンを非表示にできるほか、メニューを利用して、画像の削除や壁紙への設定、スライドショー表示も可能となっている。

 なお、オフライン画面については、標準の状態では内蔵カメラの撮影画像のみが表示対象だが、設定を変更することで、SDメモリカード内のすべての画像を表示できる。もう一方のオンライン画面では、アルバム単位で画像を管理する仕組みになっているので、大量の画像を保存していても目的の画像をすばやく探すことが可能だ。また、各Webアルバムの共有設定を行ったり、アルバムや画像のURLを知人にメールで知らせる機能が用意されているのもうれしい。

オンライン画面。“Photoshop.com”上のWebアルバムの公開設定変更や閲覧が可能オンライン画面。“Photoshop.com”上のWebアルバムの公開設定変更や閲覧が可能

全画面表示。画面の左右フリックで前後の写真へとスクロールが可能全画面表示。画面の左右フリックで前後の写真へとスクロールが可能

全13種類のツールを利用できる本格的なフォトレタッチ機能

編集画面。機能アイコンをタップすることで、対応する機能の一覧が表示される編集画面。機能アイコンをタップすることで、対応する機能の一覧が表示される

 オフライン画面では、編集したい画像を選んでフォトレタッチ機能を利用できる。編集画面では、画面上部に4つの機能アイコン、画面下部に終了、アンドゥ、リドゥ、保存の4つのボタンが並ぶ。機能アイコンをタップすることで、各機能の一覧がリスト表示される。なお、アンドゥとリドゥは複数回対応で、保存前であれば1ステップずつ元の画像にまでさかのぼることが可能だ。

 各フォトレタッチ機能では機能を選択したのち、画像の上を上下左右にドラッグ操作するだけで簡単に編集できる仕組みになっており、たとえば“露光量”など数値を変更する機能の場合でも、画面上を左右にドラッグするだけで数値の変更が行える。

 搭載機能のうちわけは、トリミング関連が“切り抜き”“角度補正”“回転”“反転”。色調補正関連が“露光量”“彩度”“着色”“白黒”“コントラスト”“明るさ”。フィルター関連が“ソフトフォーカス”。特殊効果関連が“エフェクト”“フレーム”となっている。

 名称だけではわかりにくい機能について簡単にみていこう。“角度補正”と“回転”は一見すると同じ機能に感じられるが、傾いた写真を細かく手動回転させて正しい角度に修正できる“角度補正”に対し、“回転”は90度単位での回転となる。“着色”は画像にカラーフィルターをかける機能で、これを利用してセピア調の写真を作ることもできる。

“露光量”編集中。数値を変更する場合でも、画面の左右ドラッグで操作を行う仕組み“露光量”編集中。数値を変更する場合でも、画面の左右ドラッグで操作を行う仕組み

“角度補正”編集中。補助線を参考に画面の左側や右側を上下にドラッグすることで、画像を少しずつ回転できる“角度補正”編集中。補助線を参考に画面の左側や右側を上下にドラッグすることで、画像を少しずつ回転できる

 “エフェクト”は、サンプル画像を参考にプリセットを選択するだけで、複数のレタッチ効果を組み合わせた写真を簡単に作成できる機能だ。プリセットは“鮮やか”“ポップ”“周辺をぼかす”“ウォームビンテージ”“レインボー”“ホワイトグロー”“ソフトモノクロ”の全7種が用意されている。

 “フレーム”はいわゆる“プリクラ”などのフレーム機能とは違い、写真に紙焼き風の白いフチをつけるための機能。トイカメラや古いフィルムを使って撮影したような、周辺が露光落ちしたような画像やフチのはっきりしない画像を作成することも可能だ。

“エフェクト”編集中。画面上部に並んだサンプルをタップして効果をリアルタイムに確認できる“エフェクト”編集中。画面上部に並んだサンプルをタップして効果をリアルタイムに確認できる

“フレーム”をつけることで、紙焼きした写真風の画像を作成できる。角丸の四角や楕円といった特殊なフレームも用意“フレーム”をつけることで、紙焼きした写真風の画像を作成できる。角丸の四角や楕円といった特殊なフレームも用意

Twitterへの写真つき投稿も可能なアップロード機能

 オフライン画面で画面下部中央の[アップロード]ボタン、または全画面表示中のメニューに用意された[アップロード]から、選択画像を各種Webサービスにアップロードできる。対応サービスは“Photoshop.com”“Facebook”“Twitpic”の3種類だ。

 このうち“Photoshop.com”が最も高機能で、アップロード先のアルバムを選択できるほか、アルバム選択時に新規アルバムを作成することも可能。それに対し“Facebook”では、アルバムの選択はできず単純なアップロード機能のみの提供となる。また、いずれのサービスでもアップロード画面上での画像のコメント(キャプション)編集に対応する。とくに“Twitpic”では、編集したコメントの内容と画像URLが“Twitter”にも同時投稿される仕組みなので、気軽に写真入りツイートが投稿できるのはうれしいところだ。

複数選択による一括アップロードに対応。なお、白いチェックマークがついた画像はすでにアップロード済みのものだ複数選択による一括アップロードに対応。なお、白いチェックマークがついた画像はすでにアップロード済みのものだ

“Twitpic”に画像をアップロードする場合、Twitterにコメントを同時投稿できる“Twitpic”に画像をアップロードする場合、Twitterにコメントを同時投稿できる

自分好みの写真を作って公開しよう

 「Photoshop.com Mobile」の魅力はやはり、画像管理からレタッチ、アップロードまで、写真に関する作業をこれ1本ですべて完結できることだろう。モバイル端末向けとしては強力なフォトレタッチ機能を搭載している点もポイントだ。その一方で、たとえば『トイカメラ風の画像を作りたい』といった特定の用途の場合、誰でも簡単に利用できる専用アプリに対して、本アプリでは複数の機能を組み合わせる必用があり、フォトレタッチ初心者にはハードルが高い面もある。

 露出補正やトリミングといったちょっとしたレタッチができれば十分という人、あるいは反対に、機能を自由に組み合わせて自分好みの出力結果を得たいというこだわり派にオススメしたいアプリと言えそうだ。

【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.2.0

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(霧島 煌一)