レビュー

“天空の城”として名高い竹田城のある朝来市をイメージした「あさご本丸ゴシックmini」

ロマン漂うクラシックな骨格をベースに、ところどころを丸く結んでいるのがポイント

「あさご本丸ゴシックmini」v1.00

 「あさご本丸ゴシックmini」は、“天空の城”として名高い竹田城のある朝来市をイメージした丸ゴシック体のフォント。教育用漢字1,006字を含むOpenType形式の日本語フォントで、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 本フォントは、全国のお城をイメージした丸ゴシック体のシリーズ“本丸ゴシック”の第三弾。雲海に包まれた幻想的な風景でよく知られ、“天空の城”“日本のマチュピチュ”と呼ばれることもある竹田城と、それを擁する朝来(あさご)市が今回のテーマだ。

 朝来市は、旧国名でいうと但馬国(兵庫県北部)と播磨国(兵庫県南部)にまたがる人口3万人ほどの街。そのシンボルでもある竹田城は、但馬・播磨の国境を守る城として、但馬守護・山名宗全の命により築かれたと言われる本格的な山城で、山全体が虎が伏せているように見えることから“虎臥城(とらふすじょう、こがじょう)と呼ばれることもある。

 標高約350メートルの高さに築かれたにもかかわらず、幾度かの拡張の末、曲輪のすべてを石垣で囲まれた“総石垣”の城郭となっており、今でもその石垣がほぼそのままの状態で残っているのが、竹田城跡の最大の見どころ。また、眼下を流れる円山川から、秋の良く晴れた朝にしばしば濃い霧が発生することがあり、その朝霧が竹田城跡を取り囲むと、まるで城が雲海に浮かぶように見えるのが美しい。

 本フォントは、その竹田城を取り巻く雲海の幻想的な美しさに注目し、それを曲線として表現しているという。また、当地が“恋人の聖地”として認定されていることにちなみ、ロマン漂うクラシックな骨格をベースに、ところどころを丸く結んだ温かみとかわいらしさがあふれる字体となっている。

 なお、無償で利用できる「あさご本丸ゴシックmini」は縦書きに対応していないほか、商用が許されていないので注意。商用の際は製品版「あさご本丸ゴシック」を購入する必要がある。製品版は、JIS第一水準の漢字2,965字とJIS第二水準のよく使う漢字460字、その他647字を含んだ4,072文字が収録されており、縦書きにも対応する。また、幅広い環境に対応するためにTrueType版が同梱されるほか、おまけとしてカールの形状が異なる6種類のフォントが付属する。

ソフトウェア情報

「あさご本丸ゴシックmini」
【著作権者】
フロップデザイン
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7/8/10など(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(非商用利用のみ)
【バージョン】
1.00(16/04/10)

(樽井 秀人)