レビュー

Windowsが作成する“隠れコピー”をエクスプローラー風に閲覧できる「ShadowExplorer」

特定日時のデータを取り出せる。ランサムウェアからデータを取り返すのに役立つことも

「ShadowExplorer」v0.9

 「ShadowExplorer」は、“ボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)”で作成された“シャドウコピー”を閲覧できるツール。Windows Vista/7/8に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

 “ボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)”とはWindows Server 2003/Vista以降に搭載されているストレージ向け機能で、特定のタイミングでボリューム(ディスクドライブ)の“隠れコピー(シャドウ コピー)”を作成する。“シャドウ コピー”は通常、システムのみがアクセスできる読み取り専用のデータで、稼働中のシステムを停止することなくバックアップしたり、誤って上書き・削除されたデータを復旧するのに利用される。

 この“シャドウ コピー”を「エクスプローラー」のようにツリーとリストビューでブラウズできるようにしたのが、「ShadowExplorer」だ。トレンドマイクロによると、昨今問題となっている”vvvウイルス”といったランサムウェア(データにアクセスできなくし、解除に身代金を要求するタイプのマルウェア)の被害にあったシステムで“シャドウ コピー”によるファイルの救出が可能になるケースがあるという。頻繁に利用するツールではないが、記憶の片隅に留めておけば役に立つこともありそうだ。インストール不要で利用できるポータブル版もあるので、USBメモリなどに入れておいてもよいだろう。

 利用するには、まず画面左上のプルダウンメニューでボリュームを選択しよう。もし選択したボリュームで“VSS”が有効化されていれば、ボリュームリストの右隣りにあるプルダウンメニューで、日付が選択できるようになるはずだ。あとそのプルダウンメニューで日付を選択すれば、その日に作成された“シャドウ コピー”の内容がメイン画面で閲覧できるようになる。ファイルやフォルダーの右クリックメニューから[Export]コマンドを選択すれば、当該データを“シャドウ コピー”から取り出し、指定したパスへ出力することも可能。

ソフトウェア情報

「ShadowExplorer」
【著作権者】
ShadowExplorer.com
【対応OS】
Windows Vista/7/8(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
0.9(13/01/02)

(樽井 秀人)