レビュー

ウィンドウサイズ固定のゲームをリアルタイムに拡大表示できる「蜃気楼」

元のウィンドウのコピーを作成し低負荷、遅延なしで描画。大きな画面でプレイが可能

「蜃気楼」v1.00

 「蜃気楼」は、サイズ固定のウィンドウを、内容をリアルタイムに描画しつつ拡大表示できるソフト。Windows XP/Vista/7/8/8.1に対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。なお、Windows XPは動作環境に含まれるものの動作保証対象外となる。

 最近の高解像度モニターでは、ウィンドウサイズが640×480ピクセルや800×600ピクセルなどのゲームをプレイすると、文字などが小さくてプレイしにくい場合がある。ゲーム自体がウィンドウサイズの変更機能を持っていることもあるが、そういった機能がなくウィンドウでゲームをプレイしたい場合は、「蜃気楼」の併用がお勧めだ。

 本ソフトを利用すると、任意のウィンドウを選択し、内容をリアルタイムに描画しながら100%から300%まで指定のウィンドウサイズで拡大表示することが可能。4つのサイズプリセットボタンも備えており、手軽に利用できる。ただし、元のウィンドウの上に内容をコピーした拡大ウィンドウを被せるという仕組み上、マウスクリックが効かなくなるため、実質的にキーボードやゲームパッドでプレイするゲーム専用だ。

 拡大ウィンドウの描画には、Windows Vista以降のAero環境における描画エンジンであるDWMが利用され、低負荷で遅延のない表示が可能。なお、非Aero環境などのためにGDIで描画する設定もあるが、負荷が高いため非推奨となっている。

 また、ゲームによっては利用できないことがあるので、実際にゲームをプレイする前にタイトル画面などでテストすることをお勧めする。筆者の環境では、RPGツクールXP/VX/VX Ace製ゲームのウィンドウを拡大できたが、残念ながらRPGツクール2000/2003製のゲームでは描画設定にかかわらず拡大できなかった。

元のウィンドウサイズが560×455ピクセルのゲームと、同じゲームの同じ場面を「蜃気楼」で2倍拡大したものを並べたサンプル。なお、拡大品質はOSに依存するとのことで、本サンプルはWindows 8.1上での表示

 そのほか、作者のWebサイトでは姉妹ツール「WinSizeChanger3」も公開されている。こちらは対象のウィンドウそのものを拡大する方式で、拡大させられるのはDirectXで描画されているウィンドウのみだがマウスクリックも可能。ウィンドウの縮小にも対応している。ただし、元のウィンドウ自体を変化させるため、安定性、安全面等の面から基本的には「蜃気楼」の利用が推奨されている。

ソフトウェア情報

「蜃気楼」
【著作権者】
A.C 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8/8.1(Windows XPは動作保証対象外)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(13/12/28)

(中村 友次郎)