レビュー

事前にデータベースを構築することで高速なファイル検索を実現した「Hddb」

複雑な条件も“クエリ デザイナー”で簡単に作成

「Hddb」v4.3.4

 「Hddb(Hard Disk Database)」は、シンプルで高速なファイル検索ツール。寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、ファイルシステムが提供するファイル情報からあらかじめ構築しておいたデータベースを利用することで高速な検索を実現したファイル検索ツール。「Everything」とよく似た仕組みを採用しているようで、検索速度は遜色ない。

 両者の最大の違いは、「Everything」がファイルの変更を監視して自動でデータベースを更新するのに対し、「Hddb」は初期設定でそれを行わない点。ファイルの削除やリネームが頻繁に行われる環境ではデータベースと実際のファイル情報に齟齬が生じるのが欠点だが、ファイルの監視を行わない分リソースの消費が少なくて済むのがメリットだ。変更が加えられることの比較的多いシステムファイルを対象にする場合は「Everything」が向いているが、変更されることがほとんどない古いユーザーファイルを検索するといった用途では「Hddb」のアプローチで十分だ。

 また、エクスプローラーと互換性のある標準的なユーザーインターフェイスを備えるのも本ソフトの特長。コマンド類は“リボン”にまとめられており、初めての利用でも大きなアイコンで機能が把握しやすい。場所をとるのが欠点だが、タブ部分をダブルクリックして“リボン”を畳んでおけば邪魔にならない。さらに、どうしても“リボン”に慣れないユーザー向けにツールバー表示へ切り替える機能も備えている。

“リボン”スタイル
“ツールバー”スタイル

 利用するには、まずデータベースの構築(ビルド)を行う。この処理はときどき手動で実行することになるが、起動時にビルドする機能やスケジュールビルド機能を活用すれば、それもほとんど必要ないだろう。なお、初期設定ではリムーバブルメディアがスキャンの対象外となっているが、設定ダイアログから対象に含めることが可能。また、隠しフォルダーや、特定のキーワードを含むファイルをスキャン対象から除外するといったことも柔軟に行える。

 ビルド処理が済んだら、リストビューに検出されたファイルが一覧表示される。検索ボックスへスペース区切りでキーワードを追加すれば、それに応じてリストビューの内容が絞り込まれていくはずだ。“@Text”“@Picture”などの“名前付きの検索”を入力すれば、ファイルを種類ごとに絞り込むのも簡単。“名前付きの検索”には入力補完が効くので、とりあえず“@”と入力して、どんな“名前付きの検索”が用意されているのか確認してみよう。もし自分の用途に合うものがなければ、自作することも可能。

 さらにより高度な検索を行いたい場合は、“クエリ デザイナー”が便利。ファイルサイズや変更日時、ファイル名に含まれるキーワードなどの条件を入力すると、それに応じたクエリ(検索文字列)が検索ボックスへ自動で入力され、絞り込み検索が行われる。クエリが色分け表示されるのも分かりやすい。

ファイルの種類で絞り込む“名前付きの検索”
より高度な検索を行いたい場合は“クエリ デザイナー”が便利

 そのほかにも、フォルダーのサイズをリストビューに表示する機能や、ハッシュ値を計算して重複ファイルを検出する機能などを搭載。ホットキーで起動・終了できるのも、キーボード操作がメインのユーザーには使いやすい。

ハッシュ値を計算して重複ファイルを検出する機能などを搭載

ソフトウェア情報

「Hddb」
【著作権者】
zzl 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
4.3.4(15/02/15)

(樽井 秀人)